<TOPICS>内装工事に必要な工事の種類は?内訳を紹介!
オフィスの内装工事にかかる費用はどのくらい?実施の流れやデザイン事例も

オフィスの内装工事とは

オフィスの内装工事とは、オフィスの移転や改装に伴い発生する、建築物内部の工事です。オフィスを作るために必要な工事は多岐にわたり、そのすべてを含めたものが内装工事となります。
オフィスの代表的な種類は、以下の通りです。
工事の種類 | 概要 |
---|---|
建築工事 | 壁、天井、床、間仕切りなどオフィスの基本構造に関わる工事。スペース分けや動線確保のための施工を行う |
電気工事 | 照明器具の設置・変更、コンセント増設、電気容量の増設など、電気設備全般の配線や機器取付工事を行う |
空調・衛生設備工事 | エアコン設置や換気システム、給排水・給湯設備など、快適な室内環境を整える設備工事を行う |
防災設備工事 | 消防法に基づき、火災報知器、スプリンクラー、誘導灯など必要な防災機器の設置工事を行う |
セキュリティ設備工事 | 監視カメラ、入退室管理システム、セキュリティゲートなど、防犯・情報漏洩対策のための設備工事を行う |
電話・LAN配線工事 | 通信インフラ整備のため、ビジネスフォンやインターネット回線の配線、通信機器の設置工事を実施 |
オフィスの内装工事にかかる費用の相場

オフィス内装工事にかかる費用は、物件の状態によって大きく異なります。ここでは、居抜き物件とスケルトン物件の費用相場を解説します。なお、オフィスの広さ、工事のしやすさ、内装に使用する素材によっても費用は大きく左右されますので、あくまでも目安としてお考えください。
- 居抜き物件の坪単価 -
居抜き物件とは、前に入っていたテナント利用者が原状回復せずに退去したため、設備や家具などがそのまま残っている物件を指します。
前の入居者が残していったもので使える設備や家具は再利用でき、内装費用をおさえることが可能です。再利用できる部分がどのくらいあるかにもよりますが、おおよその費用目安としては1坪あたり10万円から35万円程度と考えればよいでしょう。なお、使える部分が多ければ多いほど費用は安くなります。
再利用できる設備が多いと、その分工期も短くなるというのがメリットです。しかし、自社の用途や雰囲気に合わないものもあるため、必要な設備が整っている物件を探すのが、費用をおさえるポイントとなります。
- スケルトン物件の坪単価 -
スケルトン物件とは、床・壁・天井などの内装がすべて取り払われ、骨組みがむき出しとなった状態の物件を指します。
スケルトン物件ではすべての内装工事が必要となるため、居抜き物件よりも費用が高くなります。おおよその目安として40万円から80万円程度、居抜き物件の倍額ほどかかると考えればよいでしょう。
スケルトン物件では、自社の思うままのオフィスに仕上げられるのが最大のメリットです。その分工期が長く、費用も高額となります。場合によっては、オフィスのデザイン費用が上乗せされるケースもあります。
オフィスの内装工事にかかる期間

オフィス内装工事にかかる期間は、広さや工事内容によって左右され、居抜きかスケルトンかによっても大きく変わります。
居抜き物件では、30坪くらいの広さでレイアウト変更や電気工事が必要な場合、引き渡しまで1ヶ月程度が目安です。壁や床材、照明などをそのまま使う場合は工事がほとんど必要ないため、1週間程度で引き渡しとなるケースもあります。スケルトン物件の場合は、何もないところからすべて工事が必要となるため、最短でも2ヶ月くらいが目安となるでしょう。
なお、広いオフィスになるとその分工期は長くなります。60坪では3カ月程と考えておけば問題ありません。
オフィスの内装工事を実施する流れ

オフィスの内装工事は、基本的に次の流れに沿って実施されます。
- ①コンセプトを設計する
- ②施工業者を決定する
- ③打ち合わせを実施する
- ④工事を開始する
- ⑤引き渡しを受ける
それぞれについて、詳しく説明します。
- ①コンセプトを整理する -
まずは、どのようなオフィスにするかコンセプトを明確にします。
コンセプトとは、ベースとする考え方を意味します。コンセプトが曖昧だと内装工事の方向性や目的が明確にならず、働きやすいオフィスとはかけ離れたものになる可能性も否めません。
コンセプト設計には、どういった目的を達成するためにオフィス内装工事をするのか、明文化する意味もあります。たとえば次のようなコンセプトを立て、どのようなデザインにするか検討するようにしましょう。
- ・業務の効率を高め、生産性をアップさせるオフィス
- ・従業員のモチベーションを上げ、出社したいと思われるようなオフィス
- ・訪問者に企業のブランディングをアピールできるオフィス など
- ②施工業者を決定する -
コンセプト設計ができれば、内装工事の業者を選定しましょう。
内装工事の業者には、内装デザイン・工事のどちらかしか請け負わない業者と、両方を手がける業者があります。内装デザインと工事を別の業者に依頼する場合、それぞれの業者とのやりとりが必要です。両方を合わせて請け負う業者であれば、デザインと工事がワンストップで済む分、費用と時間をおさえられる可能性が高くなります。
いずれにせよ、コンセプト設計を理解して設計・施工してくれる業者を選ぶようにしましょう。複数の業者に相談すると、総合的な判断がしやすくなります。
- ③打ち合わせを実施する -
依頼する業者が決定したあとは、デザインについて打ち合わせを進めていき、イメージを具体化していきます。自社のコンセプト案をもとに、デザイン業者の提案も合わせて見当を進めていきます。図面を作る際には、実際に工事可能かどうか建物のオーナーにも確認しながら進めるとよいでしょう。
図面ができたら工事業者から正式に見積を取り、希望どおりに進められそうだと判断すれば、契約をかわして工事に進みます。工事開始後にトラブルにならないよう、不明点があればこの時点ですべて明確にしておくように注意しましょう。
- ④工事を開始する -
工事契約が締結されたあと、いよいよ内装工事に取りかかります。
現在使っているオフィスを改装する場合、工事内容によっては業務に支障をきたすことも大いに考えられます。事前に工事内容を確認し、通常業務が滞らないような対策を講じておきましょう。
工事開始後も、工事内容に不備はないか、何か問題は発生していないかなど、工事内容を随時チェックするようにします。工事中に予期しないトラブルが発生した場合は業者任せにせず、どのように対処するか相談して決めるのも大切です。
- ⑤引き渡しを受ける -
内装工事が終わると引き渡しの前に竣工検査を実施します。
竣工検査とは、業者と施主が立ち合いのもと、工事内容が設計図や見積もりの内容どおりになっているか確認する作業です。竣工検査で問題がなければ、物件の引き渡しとなります。
オフィス家具やオフィス機器を新たに導入する際は、引き渡し時に納入できるようにスケジューリングしておくと、スムーズに業務がはじめられます。
オフィスの内装工事のデザイン事例7選

ここで、オフィス内装工事のデザイン事例を7社紹介します。自社の内装工事で取り入れられそうな部分があれば、ぜひ参考にしてください。
- ブランドカラーを差し色として使用|株式会社ロッテ様 -

株式会社ロッテ様の施工事例です。
フレキシブルな働き方を実現するため執務室の内装を変更し、多様なワークエリアやレイアウト変更が可能な共用エリアを増設しています。また、遮蔽物の少ない設計にすることで、偶発的なコミュニケーションを生む空間に仕上げました。

出典:実績|株式会社ロッテ様 執務室改修
さらに、企業イメージを表現する方法としてブランドカラーをオフィスの差し色として使用し、自社製品などが陳列可能なディスプレイ棚を新設するなど、企業風土醸成を促すような仕掛けも施されています。
- エントランスにプロジェクションマッピングを採用|NC建材株式会社様 -

出典:実績|NC建材株式会社様 オフィス営業所新設
NC建材株式会社様の、オフィス新設事例です。エントランス正面の企業ロゴにはプロジェクションマッピングを設け、お客様に気持ちよく来訪いただける仕掛けを演出しました。来客エリアと執務エリアの仕切りにはガラスとルーバーを使用することで、エントランスからも内部の活気や雰囲気が伝わるように工夫されています。

執務室は明るいカラーをゾーン毎に配置し、チェアカラーも合わせることで統一感のあるデザインとしました。ナチュラルな木目とカラフルでポップな配色を採用し、明るく働きやすい空間となっています。
カフェブースは執務室とは異なる落ち着いた雰囲気とし、スライディングウォールを用いれば会議室としても利用可能。気分や状況に応じて柔軟な働き方ができるオフィスです。
- カフェのような雰囲気漂う執務エリア|タカラスタンダード株式会社様 -

出典:実績|タカラスタンダード株式会社様 鞍手工場 オフィス改修
タカラスタンダード株式会社様の事例では、新しい働き方を生み出す自由度の高いオフィス空間を実現しています。メインの執務エリアには10名用の造作ビッグテーブルを配置し、スポットライトの照明や木目調の床材・什器を多用することで、カフェのような落ち着いた雰囲気を演出。


また、仕切りを設けた集中エリアやダウンライトを採用した落ち着いた雰囲気のミーティングルームなど、メリハリのある働き方を実現できるエリア設計となっています。
- 天然素材で親しみやすさや温かさを演出|MIRARTHホールディングス株式会社様 -


出典:実績|L.Biz日本橋セットアップオフィス 新設
MIRARTHホールディングス株式会社様の事例では、「住まうように働く空間」をコンセプトに、多様な働き方に対応できるオフィスを目指しました。
眺めの良い景色を堪能できるカウンター席や、自宅のリビングで仕事をしているようにリラックスできるソファ席、しっかりと業務に集中できるオフィスデスク席など、用途や気分に応じて様々なシーンを創出。


また、天然素材を感じられる木目や石目、左官の要素を取り入れながら、カラーの彩度をおさえることで最先端のオフィスを感じられる空間に仕上げています。
- ガラスパーテーションで開放感のある会議室に|株式会社ボルテックス様 -


出典:実績|VORT六本木一丁目 セットアップオフィス 新設
株式会社ボルテックス様の事例では、さまざまな業種に対応できる可変性と開放感を両立したオフィスを実現しました。
間仕切り壁を極力削減し、ゾーニングや仕上げ、フロアレベルで緩やかに各スペースを区切ることで開放的な空間を演出。また、会議室にはガラスパーテーションを採用し、キャスターつきの家具を配置することでレイアウト変更もスムーズに行えます。

さらに、木目やグリーンなどナチュラルな内装デザインと、既製家具・造作家具ともにディテールにこだわった選定・制作により、デザイン性の高いオフィスに仕上げています。
- スケルトン天井で広々とした空間を演出|株式会社エー・アール・シー様 -

出典:実績|株式会社エー・アール・シー様 オフィス移転
株式会社エー・アール・シー様の事例では、「人と人のつながりを持てる温かいオフィス」をコンセプトに、シームレスにオフィス内を見渡すことのできる空間を目指しました。温かみのある素材をベースに、コーポレートカラーのオレンジと植栽のグリーンを差し色として使用。

出典:株式会社エー・アール・シー様 オフィス移転
また、スケルトン天井の採用で開放感のある広々とした空間を演出し、床をシームレスにつないだデザインによってカフェエリアと執務エリアの境界線を曖昧にすることで、カフェエリアもフリーアドレス席として活用できる工夫がされています。
- 食堂にフェイクグリーンを使用|日本地工株式会社様 -


出典:実績|日本地工株式会社様 食堂改修
日本地工株式会社様の事例では、オフィス内食堂の改修を行いました。「窓が東側のため暗い時間が多い」「雰囲気を一新したい」というご要望に対し、ライト色の建材とビビットな什器を活用して明るい空間を実現。


また、個人利用やグループ利用ができる多様な席を設けることで、食事や打合せ、リフレッシュなど多目的コミュニケーションエリアとして活用できるよう企画・設計を行いました。さらに、フェイクグリーンを使用した壁面デザインやオリジナルの休憩席を設けるなど、愛着がわくような仕掛けも施しています。
オフィス見学のご案内
最新のオフィスを見学してみたい方必見!日経ニューオフィス賞を受賞したオフィスを見学可能です!
TOPPANの空間演出ブランドexpaceでは、TOPPAN社員が実際に働いているオフィスを間近で見学できる、オフィス見学会を実施しています。
より具体的にオフィスづくりのイメージをつかみたい方はぜひお申込みください!
まとめ
オフィスの内装工事は物件の状態によってかかる費用が大きく変化します。おおまかな費用相場はありますが、使用する資材や広さ、周辺環境によっても左右されるものです。複数の業者から見積もりを取り、ある程度の相場を知ることが重要です。
費用をおさえるには、よい条件の居抜き物件を選んだり、スケルトン状態を内装に取り入れたりすることで可能となります。内装の素材のグレードを下げる方法もありますが、安さだけで選んでしまうと満足のいくオフィスにならない可能性がありますので注意しましょう。
オフィス内装で重要なのは、コンセプト設計です。コンセプトが曖昧だと、思うようなオフィスに仕上がりません。しっかりとコンセプトを決め、目的達成のためにどのようなオフィスにすればよいか、よく検討することが必要となるでしょう。
TOPPANではオフィスの改修・リニューアルはもちろんのこと、オフィスレイアウトに関するご相談も承っております。働きやすいオフィスレイアウトをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!
関連コラム

<TOPICS>おしゃれなオフィスインテリアの事例|選ぶポイントやおすすめのアイテムも紹介

<TOPICS>A工事・B工事・C工事の違いとは?オフィス移転の際に費用を抑えるコツや注意点を解説