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TOPコラム「LDK+G」の空間が生む、従業員のやりがい向上&エンゲージメントアップ

SUBARU 北本工場 食堂リニューアル(埼玉県北本市)

「LDK+G」の空間が生む、従業員のやりがい向上&エンゲージメントアップ


株式会社SUBARU様は、1917年の創業(1953年創立)以来、自動車メーカーとしてのみならず、日本を代表する重工業メーカーとして、多部門に事業展開しています

この度、北本工場再稼働プロジェクトの一環として食堂をリニューアルされ、TOPPANでは内装デザインの企画・設計・施工を担当しました。


今回は、北本工場の全体コンセプトや工場の方向性の策定、設備面の準備をご担当された同社の梶原 佑介様と、福利厚生の視点から食堂リニューアルにアプローチされた杉山 早紀 様、TOPPANの石黒香愛さんに食堂リニューアルの背景やコンセプト・デザインのこだわりについてお話を伺いました。




梶原 佑介 様 



杉山 早紀 様



石黒 香愛

北本工場の食堂リニューアル

SUBARU様では、電動化に向けた取組みが進められています。
その一環として、これまで物流倉庫として活用していた北本工場を、生産拠点としてリニューアルするプロジェクトが発足しました。
食堂のリニューアルは、北本工場の改修プロジェクトの1つとして実施されました。

Q. 食堂のリニューアルに際し、どのような空間を目指されましたか

株式会社SUBARU 製造本部 群馬製作所 電動車両生産技術部 梶原 佑介 様

梶原 様:

北本工場全体として「従業員のエンゲージメントを向上させる空間」を目指しました。

今後人材不足になっていくという予測がある中で、従業員の定着がより重要になるだろうと考えています。

その一環として食堂を使いやすくし、衣食住という面でも従業員自ら選べる場所を作ることで、エンゲージメント向上に繋がるような空間にしたいと考えました。

株式会社SUBARU 人事部 杉山 早紀 様

杉山 様:
「ツナガル場所」というのも1つのテーマでした。
北本工場は生産拠点となる群馬県からは少し離れているので、会社との繋がりを感じられる場所にしたいと考えました。
また「工場」としてはしばらく稼働しておらず、「再稼働する工場」として地域との繋がりを、「新しい仲間と稼働する工場」として新しく働く従業員同士の繋がりを育みたいという想いもありました。

従業員のエンゲージメント向上を実現する「LDK+G」のご提案

Q. TOPPANが今回ご提案させていただくことになった経緯をお聞かせください。

杉山 様:

展示会でTOPPANさんのブースにお伺いしたしたことがきっかけです。その際石黒さんに、地域ならではの特色を活かしたさまざまな事例をご紹介いただき、今回のプロジェクトと親和性が高そうだと思い、プロジェクトが動く際にお声掛けしました。

Q. お話しを受けて、どのようなコンセプトでご提案を進めましたか?

TOPPAN株式会社 生活・産業事業本部 環境デザイン事業部 コンストラクション本部 スペースクリエーション営業部 1チーム 石黒 香愛

石黒:
SUBARU様から、やりがいや地域との共存というキーワードをいただき、「食事をするだけのスペースにはしたくない」と考えました。そこで、私たちがポイントとしたのは「職員が働きがい・やりがいを感じられる空間」「SUBARUらしさを共有できる空間」「地域と共存できる空間」の3点です。 

そして、このポイントを活かすために「LDK+G(=リビング・ダイニング・キッチン・ガーデン)」というコンセプトをご提案しました。休憩・遊び・リラックスなど、思い思いの時間を、各エリアで過ごしていただける空間を目指しました。 

多様な過ごし方が選択できる「4つのエリア・デザイン」

まるで自宅のようにくつろげるリビングエリア

景色を見ながらくつろげるリビングエリア

石黒:

リビングエリアは「まるで自宅のリビングのようにくつろげる空間」をコンセプトにご提案させていただきました。外の景色を一望できる一人がけのソファ席や、複数人で利用できるファミレス席を用意することで、それぞれ自分にあった場所でリラックスできる空間に仕上げています。


梶原 様:

ひとえに食堂と言っても、一人で食事をしたいのか、複数人で談笑しながら使いたいのか、従業員にもさまざまなニーズがあると認識していました。休憩時間に活用するケースも多いので、目の前に遮蔽物をつくったり対面にならないように席を工夫して配置するなど、担当の二人で話し合ってTOPPANさんに共有しました。


杉山 様:

みんなで談笑しながら使えるファミレス席も好評です。当初はどこかの場所に人が偏ってしまうかな?と懸念していたのですが、多様なニーズに応じた席を配置したおかげか、どの席も満遍なく使われています。その時々の気分やシチュエーションで座りたい席を選んでもらえている証拠かなと思うので、担当者として嬉しい限りです。

複数人で使用できる、ボックスタイプのファミレス席も好評

什器とグリーンにこだわったダイニングエリア

ユニークな形状が特徴的なダイニング机

石黒:

ダイニングエリアは、その名の通り食事を楽しむ空間として席数を多く配置しました。特にメインの什器である、ダイニング机にこだわっています。一般的な食堂に置いてあるような四角形の机ではなくて、あえて角度をつけたオリジナルのデザインにすることで、隣に座った人同士の距離感を変えています。ただ一列に並ぶという既存のダイニングではなく、コミュニケーション促進の効果を狙ってご提案させていただきました。


杉山 様:

とてもユニークな形状の机で気に入っています。特にダイニングのグリーンに関してはTOPPANさんにたくさんご調整いただきました。


石黒:

ダイニングのグリーンについてもオリジナルで制作しているのですが、さまざまな種類のグリーンを高さを変えて配置することで、空間に自然に馴染むように工夫しています。やはり同じ種類のグリーンばかり並べてしまうと動きが出づらい側面があるので、多様な種類を現場でバランスを見ながら配置することで、自然に馴染みながらもリラックスできる、華やいだ空間に仕上がったと思います。

一面に広がるブルーが印象的なキッチンエリア

美しいブルーが印象的な壁面

石黒:

キッチンエリアは特に、食堂に入って一番に目を惹く壁面のブルーにこだわりました。SUBARU様の車の色味を参考に、ブルーとグレーの中間色のサンプルを10種類ほど集めて、みなさんに選んでいただきました。


杉山 様:

自分たちで選んだ印象的ないい色でとても気に入っています。SUBARUらしさを感じさせるカラーに仕上がったので、利用する社員にもSUBARUらしさを感じてもらえるかなと思います。また、天井のライトに関しては初めて見た人からよくお褒めの言葉をいただきます。


石黒:

ありがとうございます。天井の一直線に伸びているライトは元々既存のものでした。改修前に伺った時に、とても素敵なデザインだったのでどうにかしてこれを活かしたいと思いました。ライトが映えるような明るめのトーンをご採用いただけたので、既存のライトをうまく活かして、開放的な空間がつくれたかなと思います。

キッチンエリア内の売店

石黒:

また、キッチンエリアの中に売店をつくった点もこだわったポイントです。食堂の利用者に気軽に入ってもらえるように、別々の場所ではなくあえて食堂の中に共存する形でご提案しました。デザインとしても木目をメインにした温かく明るい空間に仕上げることで、食堂との一体感をもたせています。


梶原 様:

従来の食堂は「いわゆる工場の食堂」といったイメージだったので、売店も含め刷新できたことは、SUBARUとしても新しい試みでとても印象的でした。食堂としての機能だけではなく、休憩スペースとしても使ってもらえるという点で、利用者のさまざまなニーズを満たす狙いを持たせられたのは良かったです。

SUBARUらしさが溢れるガーデンエリア

「SUBARUらしさ」を表現したガーデンエリア

石黒:

リニューアルのお話をいただいた当初から、SUBARU様らしさを空間に反映させたいという想いがありました。先ほどの壁面のブルーもそうですが、従業員のやりがいに繋がる空間づくりには、SUBARU様との関連性がマストと考えていたので、ご提案の当初には車を実際に置いてサーキットのような形にすることも構想していました。ただ、食堂としての機能を考えたときにサーキットのような形は空間的な制約から現実味がなくなってしまって。


TOPPANの中で試行錯誤を繰り返していた時に、SUBARU様とスノーピーク様のコラボ企画である「手ぶらCAMP」を見つけました。SUBARU様の車で手ぶらにキャンプに出かける、というイベントなのですが、こういった開放的なキャンプ場のような雰囲気をヒントに、今回ガーデンエリアをご提案させていただきました。

杉山 様:

「手ぶらCAMP」はもちろん、SUBARUの車両コンセプトとも親和性が高いご提案だったので、SUBARUらしさが訴求できて素敵なご提案だなと思いました。ただ最初はやはり食堂ということもあって、ガーデンというイメージがなかなか結び付かなかったので、現実的なのかな?と懸念していました。


梶原 様:

そうですね。当初ご提案いただいた時は既存の食堂というイメージにはない、とても斬新なアイディアだなと感じました。自分自身葛藤はあったのですが、この空間を通して「新しい変化」を従業員に感じてほしいという強い想いがあり、導入に至りました。結果的に、このガーデンエリアがあることで、人と人との交流にも繋がりますし、社員にSUBARUのチャレンジ精神を感じてもらえる一助になったのではないかと思います。

一生懸命作った1つ1つがお気に入り。従業員から届いた「喜びの声」

Q. 気に入っている箇所やおすすめポイントがあれば教えてください

杉山 様:
特に気に入っているのは「ガーデンエリア」です。実は、テントなどの道具は実際にスノーピークさんの店舗に赴いて、話し合いながら購入しました。TOPPANさんとテント用品の段ボールを開けながら、みんなで一生懸命配置した思い出も含めて、とても印象に残っています。

石黒:
SUBARU様と一緒に空間づくりをすることができ、私にとっても貴重な経験でした。ガーデンエリアに配置している薪などはTOPPAN側で製作したのですが、薪の質感や高さによってよりキャンプ場らしさが高まったかなと思います。このガーデンエリアの配置に関して、真ん中がいいのか端がいいのかなど、試行錯誤を含めてとても楽しみながら空間づくりができました。

道具の選定や配置にもこだわって作り上げられたガーデンエリア

梶原 様:
私がこの食堂で気に入っているのは「席種の多さ」ですね。さまざまな用途やニーズに合わせて本当に多様な席をご用意いただきました。特にガーデンエリアは「新しい変化」の結晶とも言えるようなエリアになっているので、自分としても気に入っています。それぞれのスタイルにあった使い方ができることで、従業員がより快適に過ごせる空間の選択肢が広がったのは嬉しかったです。

Q. オープンから間もないですが、食堂の反響はいかがですか

杉山 様:
SUBARUの他拠点でも食堂のリニューアルが行われているのですが、そこの担当者からも開口一番「すごい!」と言ってもらえました。食堂が売店と一体化している点も驚いたポイントだったようです。また、実際に利用している従業員からも「新しい食堂を使えるのがとても嬉しい」と喜びの声をもらっています。食堂としての機能だけではなく、休憩所としても活用できる空間になっているので、ランチ以外の時間に使っている方も多いです。先ほど売店の話が出ましたが、売店で買ったコーヒーを片手に食堂内で休憩している方をよく見かけます。食堂内に売店をつくったことでそういった休憩スペースのニーズも満たせたかなと思うと、担当者として嬉しい限りです。

1人の休憩やちょっとした仕事にも最適なリビングエリアの窓際席

Q. 今後TOPPANに求めることがあれば教えてください

杉山 様:
今回の食堂リニューアルで、従業員のみなさんがこの場所に愛着を持って過ごしてくれていることがわかったので、TOPPANさんには「会社と従業員をつなぐ空間を演出する」といった部分を、ぜひまたお手伝いいただければと思います。

梶原 様:
今回、タイトなスケジュールで空間づくりのプロセスが進んでいったのですが、そんな時間がない中でも、TOPPANさんはきちんとコンセプトを練り上げて、我々が考える以上のところをご提案くださいました。施工に関してもフレキシブルに対応いただけたので、担当者としてとても心強かったです。今後も引き続き、ご協力いただけると嬉しいです。

石黒:
SUBARU様はお二人含めてとても素敵な方々ばかりで、今回、食堂リニューアルの機会をいただけてとても貴重な経験となりました。「ご要望にできる限り対応したい」という強い想いを抱いて対応させていただき、それをご評価いただけたのがとても光栄です。今後もお力になれることがありましたら、精一杯サポートさせていただきます。

さいごに

SUBARU・北本工場の食堂リニューアルについてご紹介しました。


TOPPANは、理想の空間づくり作りをトータルでサポートいたします。コンセプトやデザインのご提案から、調査・企画・設計・施工独自まで、一気通貫でお任せいただけます。ぜひお気軽にご相談ください!


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