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TOPコラムチームビルディングとは?おすすめのゲームや成功させるために必要なことを解説

<TOPICS>チームビルディングの5段階をわかりやすくご紹介

チームビルディングとは?おすすめのゲームや成功させるために必要なことを解説


チームビルディングは、組織の成功と個人の成長を両立させる重要な戦略です。本記事では、チームビルディングの本質や、チームワークとの違い、おすすめのゲーム14選について詳しく解説します。 また、効果的なチームビルディングを実現するための5段階のプロセスや、成功のコツも紹介します。 これらの知識を活用することで、強固なチームを構築し、組織の競争力を高めることができるでしょう。ぜひ、チームビルディングの実践の際に参考にしてください。

チームビルディングとは

チームビルディングとは、組織内のメンバーが協力して目標を達成できるよう、個々の能力を最大限に引き出し、効果的なチームを構築するための取り組みです。

この取り組みは、単なる人員配置ではなく、メンバー間の相互理解や信頼関係を深め、チームとしての一体感を醸成することを目指しています。

チームビルディングは主に、以下のような目的で実施されます。

  • ・パフォーマンスの向上:メンバー間の連携を強化し、チーム全体の生産性を高める
  • ・コミュニケーションの活性化:オープンな対話を促進し、情報共有や意見交換を円滑にする
  • ・個々の能力開発:各メンバーの強みを把握し、それを活かせる環境を整える
  • ・組織の一体感醸成:共通の目標に向かって協力する意識を高める
  • ・問題解決能力の向上:チームとして課題に取り組む力を養う


これらの目的を達成することで、組織全体の競争力向上や革新的なアイデアの創出につながることが期待されています。

- チームワークとの違い -

チームワークとチームビルディングは似て非なるものです。チームワークは、既存のチーム内で協力して業務を遂行する際の姿勢や行動を指します。一方、チームビルディングは、そのチームワークを効果的に機能させるための基盤づくりと言えるでしょう。

具体的な違いとして、焦点や時間軸、アプローチ、目的、範囲などが挙げられます。チームワークは日々の業務遂行に重点を置き、現在の課題解決に注力しますが、チームビルディングは長期的な組織の成長や発展を目指し、将来的な目標達成に向けた準備を行います。また、チームワークは自然発生的に形成されることもありますが、チームビルディングは意図的かつ計画的に実施されます。

目的の面では、チームワークが効率的な業務遂行を目指すのに対し、チームビルディングはメンバーの潜在能力を引き出し、チームの総合力を高めることを目的としています。さらに、チームワークは特定のプロジェクトや課題に限定されることが多いですが、チームビルディングは組織全体の文化や風土の改善までを視野に入れています。

このように、チームビルディングはチームワークを向上させるための土台作りと捉えることができます。効果的なチームビルディングによって、より強固で生産的なチームワークも生まれるのです。

チームビルディングの重要性

これまでは、会社に出社することが一般的であり、日常的に顔を合わせることで自然と信頼関係を構築できていました。しかし、リモートワークなど多様な働き方が広がる現代では、こうした従来の関係構築の方法は通用しにくくなっています。

こうした物理的な距離がある状況で役立つのが、メンバー同士の信頼や協力を意識的に育てる「チームビルディング」です。チームビルディングはオンラインでも実施可能であり、メンバーが離れた距離にいる場合にも信頼関係の構築に効果を発揮します。

変化の激しい時代において、個人の力だけで成果を出すのは限界があります。だからこそ、組織として力を合わせるための土台をつくるチームビルディングが、今あらためて注目されているのです。

チームビルディングにおすすめのゲーム14選

チームビルディングの具体的な手法には、さまざまなものがあります。ここでは、14種類のゲームを実施環境別に紹介します。

- 室内でできるチームビルディングのゲーム例 -

室内環境でも手軽に実施できるチームビルディングゲームを紹介します。大きなスペースを必要とせず、会議室などで気軽に取り組めるのが魅力です。

■ NASAゲーム

NASAゲームは、宇宙船が月面に不時着したというシナリオに基づいて、チームで協力して生き残るために必要なアイテムを選び、母船へ戻る方法を考えるゲームです。各メンバーが個別にアイテムに優先順位をつけ、その後チームで意見をすり合わせて合意形成を行います。

このゲームは、4〜100名以上の規模で実施可能です。1チームの人数は4〜6名程度が推奨され、実施時間は約50分から2時間程度です。

  1. 1. 各メンバーが宇宙船の不時着後、15種類のアイテムに個別に優先順位をつける
  2. 2. グループで意見を出し合い、最終的にチームとしてアイテムを優先順位の高い順に並べる
  3. 3. チームで決定した順位をNASAの公式解答と照らし合わせ、最も模範解答に近いチームが勝利


実施時には、合意形成を促進するために、全員が意見を述べられるように配慮し、意見を無理に押し付けないように心掛けることが重要です。

■ ペーパータワー

ペーパータワーでは、制限時間内にできるだけ高いタワーを紙だけを使って作り上げることを目指します。チームの創造力や協力が試されるゲームです。

4〜5名のチームに分かれて行い、実施時間は約5〜10分程度です。時間が短いため、迅速なアイデア出しと協力が求められます。複数回実施して、毎回改善点を見つけるのもよいでしょう。

  1. 1. 各チームにA4用紙を渡し、それを使ってタワーを作成する
  2. 2. 制限時間内に最も高いタワーを作ったチームが勝利となる
  3. 3. ゲーム終了後、どのようにアイデアを出し合い、役割分担を決めたかを振り返り、次回に活かす


チーム内で役割分担をしっかりと行い、アイデアを出し合いながら進めていきます。紙の使い方に工夫を凝らすことが、タワーを高くするためのカギとなります。

■ バースデーライン

バースデーラインは、参加者が誕生日順に1列に並ぶゲームです。会話や筆談は禁止で、ジェスチャーだけで意思疎通を図ります。

人数が少ないと難易度が低くなるため、15名以上の参加者でおこなうことがおすすめです。実施時間は約10~15分程度となっています。

  1. 1. ジェスチャーでお互いの誕生日を伝え合う
  2. 2. 制限時間内に正しい順番で並ぶことができたチームが勝利


■ マシュマロチャレンジ

マシュマロチャレンジでは、乾燥パスタとマシュマロを使って、制限時間内に自立するタワーを作ります。マシュマロはタワーの頂上に乗せる必要があり、チームの創造性や協力が求められます。

原則4人1チームで行い、実施時間は約18分です。作戦タイムを含むため、迅速なアイデア出しとチームワークが重要となります。

  1. 1. 乾燥パスタ、テープ、ひも、マシュマロを使ってタワーを作成する
  2. 2. 制限時間内に自立するタワーを作り、最も高いものが勝利


乾燥パスタやテープ、ひもは切って使用することが可能ですが、マシュマロはそのまま使用しなければなりません。また、高さの計測中にタワーが倒れてしまっては記録とならないため、安定性も求められます。

- 屋外で行うチームビルディングのゲーム例 -

屋外でのチームビルディングゲームは、広いスペースを活かした身体を動かすアクティビティが多くなっています。ここでは屋外で行うチームビルディングのゲーム例を紹介します。

■ フラフープリレー

フラフープリレーは、チームで協力してフラフープを渡すリレー形式のゲームです。参加者は手を繋いだ状態でフラフープを渡し、チーム全員が協力して速さを競います。

7~30名程度の参加者を2~3チームに分けて実施します。実施時間の目安は約20~30分で、人数に応じてチーム分けやリレーの回数を調整します

  1. 1. 各チームにフラフープ1つを渡す
  2. 2. 参加者は手を繋いで輪になる
  3. 3. 最初の参加者がフラフープを持ち、自分の体にフラフープを通して次の人に渡す
  4. 4. フラフープが最初の参加者に戻るまで繰り返す
  5. 5. 最も早くフラフープを一周させたチームが勝利


■ スカベンジャーハント

スカベンジャーハントは、指定されたアイテムを集めるゲームです。チームごとに与えられたリストをもとに、決められた時間内に最も多くのアイテムの写真を集めることを目指します。

  1. 1. 各チームにアイテムリストを渡す
  2. 2. リストに載ったアイテムを指定のエリア内で探し出し、撮影する
  3. 3. 最も多くのアイテムの写真を集めたチームが勝者


■ チャンバラ合戦

チャンバラ合戦は、戦国時代の合戦を模したゲームです。参加者はスポンジ製の刀を使い、相手チームの腕についたボールを落とすことを目指します。

10~100名程度の参加者で実施可能です。実施時間は約1.5~2.5時間で、広い屋外スペースが必要となります。

  1. 1. 会場に障害物を配置し、各チームはスポンジの刀を持って戦う
  2. 2. チーム内で戦略を立て、相手チームの腕についているボールを落とす
  3. 3. 最後まで生き残ったチームが勝者


■ ブラインドサッカー

ブラインドサッカーは、その名の通り、目隠しをしてプレーするサッカーです。チームは、アイマスクを着用した4人のフィールドプレーヤーと、アイマスクを着用していない1人のゴールキーパー、ガイド役1人、監督1人の計7人で構成されます。

フィールドプレーヤーとゴールキーパーがコート内でプレーする一方、相手チームのゴール裏にはガイド役が、自陣サイドのコート外には監督が立ち、コート外から選手に声で指示を出します。

  1. 1. アイマスクと鈴の入ったボールを用意する
  2. 2. 参加者はアイマスクを装着し、視覚を制限した状態でサッカーを行う
  3. 3. 監督とガイド役が指示を出し、フィールドプレーヤーはゴールへのシュートを目指す


フィールドプレーヤーがボールを持っている相手に近づく際には場合、必ず「ボイ!」という掛け声を行わなければなりません。アイマスクを着用している状態では衝突の危険性があるため、自分の位置を相手に知らせ、事故を防ぐための大切な合図です。

■ ブラインドスクエア

ブラインドスクエアは、目隠しをした状態でロープを使って正方形を作る協力ゲームです。視覚に頼らずに声や感覚で協力し合いながら、形を完成させます。

このゲームは、6~10名程度の参加者で行い、実施時間は約15~30分を目安に行います。

  1. 1. 長いロープを円形に置き、参加者はその周りに並ぶ
  2. 2. 参加者は目隠しをして、ロープを使って正方形を作る
  3. 3. 完成後、目隠しを外して正方形になっているか確認する


- オンラインでできるチームビルディングのゲーム例 -

ここでは、オンラインでできるチームビルディングのゲーム例を紹介します。

■ Good & New(グッドアンドニュー)

Good &New(グッドアンドニュー)は、参加者が24時間以内に体験した「良かったこと」や「新しい発見」を共有し、ポジティブなコミュニケーションを生み出すゲームです。

参加人数は3人から10人程度のチームに分かれ、15分程度で実施します。発表は1分以内で簡潔にまとめ、他の人が発表した際には拍手を送りましょう。

  1. 1. 参加者が順番に「最近良かったこと」または「新しい発見」を発表する
  2. 2. 発表後、他のメンバーは発表者に拍手を送る
  3. 3. 全員が発表したらゲームが終了


発表の際は、発表者が話しやすい雰囲気を作ることが大切です。白けるような雰囲気は避けて、発表者に対して拍手を送り、ポジティブな雰囲気を作りましょう。

■ 2つの真実と1つの嘘

2つの真実と1つの嘘は、参加者が自分に関する2つの真実と1つの嘘を発表し、他のメンバーが嘘を当てるゲームです。相手のことを深く知るのに役立ちます。

  1. 1. 各参加者が自分に関する2つの真実と1つの嘘を発表する
  2. 2. 他のメンバーはどれが嘘かを当てる
  3. 3. どれが嘘か発表する


■ Never Have I Ever(ネバーハブアイエバー)

Never Have I Ever(ネバーハブアイエバー)は、参加者が自分の経験したことのないことを告白し、他のメンバーがそれに該当するかを確認するゲームです。4人以上の参加者で行うのが理想的で、実施時間の目安は約5分から10分程度です。

  1. 1. 参加者全員が手を開き、そのうちの一人が「今までしたことがないこと」を発表する。
  2. 2. その他のメンバーで、今までにそれをやったことがある人は指を1本閉じる
  3. 3. 発表者を順に交代していき、指を5本閉じ切った人が脱落となる


■ 陽口ゲーム

陽口ゲームは、相手がいないところでポジティブな言葉を交わすというゲームです。メンバー同士の信頼感を高め、コミュニケーションの活性化に役立ちます。

対象人数は4人から7人程度で、実施時間は約20分から30分程度が目安です。

  1. 1. メンバーはZoomなどのオンラインツールで参加し、陽口を言う対象者を決める
  2. 2. 対象者は音声とカメラをミュートにし、他のメンバーがその人物に対してポジティブなコメントを述べる
  3. 3. すべてのメンバーが陽口を言い終えた後、対象者が感想を述べる


ネガティブなコメントや批判は避けなければなりません。また、陽口が途切れないように、全員が積極的に参加しましょう。

■ Where I'm from ポエム

「Where I'm from ポエム」は、参加者が自身の価値観や重要な経験を「私は〇〇から来ました」というポエムの形式で表現するゲームです。ただ〇〇県から来ましたと説明するのではなく、五感を通じて覚えている体験や景色を交えて説明します。

  1. 1. 各参加者が「私は〇〇から来ました」という形式でポエムを作成する
  2. 2. 作成したポエムを順番に発表する
  3. 3. 発表後、他のメンバーが共感した点や感想を共有する

チームビルディングを行うメリット

チームビルディングは、組織の成長と発展に欠かせない重要な取り組みです。効果的なチームビルディングを実施することで、以下のメリットが得られます。

  • ・チームの生産性を高めることができる
  • ・積極性・主体性を持たせることができる
  • ・リーダーシップを培うことができる
  • ・メンバー同士の良好な人間関係を築くことができる
  • ・適材適所を見極めることができる
  • ・メンバーのビジョン・マインドセットを形成できる


以降では、これらのメリットについて解説します。

- チームの生産性を高めることができる -

チームビルディングによって、チームの生産性を大幅に向上させることができます。その理由は、メンバー間のコミュニケーションが活性化し、情報共有や協力体制が強化されるからです。チームビルディングの過程で、各メンバーの強みや弱みを互いに理解し合うことで、効率的な業務分担が可能になります。

また、共通の目標に向かって一丸となることで、個々の力を最大限に発揮しやすい環境が整います。結果として、チーム全体のパフォーマンスが向上し、より高い成果を生み出すことができるのです。

- 積極性・主体性を持たせることができる -

チームビルディングは、メンバーの積極性や主体性を育む上で非常に効果的です。チームの目標や課題を共有し、その解決に向けて自ら考え行動する機会を提供することで、メンバーの当事者意識が高まります。また、自分の意見や提案が尊重され、チームに貢献している実感を得ることで、仕事に対するモチベーションも向上します。

さらに、チーム内で互いに刺激し合う環境が生まれることで、自発的に学習に取り組むようになるでしょう。このように、チームビルディングを通じて、メンバーの積極性と主体性を引き出し、組織全体の活性化につなげることができるのです。

- リーダーシップを培うことができる -

チームビルディングは、リーダーシップスキルを育成する絶好の機会となります。チームの目標達成に向けて、メンバーを導き、動機付けし、サポートする経験を通じて、リーダーとしての資質を磨くことができます。

また、多様な個性や意見を持つメンバーをまとめ上げる過程で、コミュニケーション能力や調整力、意思決定力といったリーダーに欠かせない能力が培われます。

さらに、チームの成功や失敗を通じて、自身のリーダーシップスタイルを振り返り、改善する機会も得られます。このように、チームビルディングは将来の組織を担うリーダーの育成にも大きく貢献するのです。

- メンバー同士の良好な人間関係を築くことができる -

チームビルディングを行うことで、メンバー間の信頼関係や相互理解を深めることができます。共通の目標に向かって協力し合う経験を通じて、個々の価値観や働き方の違いを受け入れ、互いを尊重する姿勢が育まれます。また、形式張らない交流の機会を設けることで、普段の業務では見えない一面を知り、人間関係を深めることができます。

特に重要なのは、心理的安全性の高い環境を築けることです。心理的安全性とは、組織において自身の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことを指します。チームビルディングを通じて、お互いを理解し合い、支え合う関係性が構築されることで、このような心理的安全性の高い環境が生まれます。結果として、メンバーが自由に意見を出し合い、創造的なアイデアが生まれやすくなるのです。

関連記事:職場の心理的安全性が高い組織とは?心理的安全性を高める方法をわかりやすく解説!

- 適材適所を見極めることができる -

メンバーの適性や能力を見極め、適材適所の人材配置を実現する上でもチームビルディングは有効です。通常の業務では見えにくい個々の特性や潜在能力が、チームビルディングの活動を通じて明らかになることがあります。例えば、普段は目立たないメンバーが、特定の課題解決において優れたアイデアを提案したり、リーダーシップを発揮したりする場面に遭遇することがあります。

また、メンバー同士が互いの強みや弱みを理解し合うことで、自然とチーム内での役割分担が最適化されていきます。これにより、各メンバーが最も力を発揮できる位置で働くことができ、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。さらに、この過程で発見された個々の特性や才能は、将来的な人材育成や配置転換の際にも貴重な情報となります。

- メンバーのビジョン・マインドセットを形成できる -

チームビルディングは、チームメンバー全体で共通のビジョンやマインドセットを形成する上で極めて効果的です。チームの目標や方向性について深く議論し、共有する過程を通じて、組織の価値観や目指すべき姿がメンバー一人ひとりに浸透していきます。この共通認識は、日々の業務における意思決定や行動の指針となり、チームの一体感を高めます。

また、チームビルディングの活動を通じて、変化や挑戦を恐れない前向きなマインドセットを育むことができます。新しい課題に取り組んだり、従来の方法を見直したりする経験は、メンバーの思考の柔軟性を高め、イノベーションを生み出す土壌となります。

さらに、成功体験を共有することで、「私たちならできる」という自信と前向きな姿勢が醸成されます。このように形成されたビジョンとマインドセットは、チームの長期的な成長と成功の基盤となるのです。

チームビルディングの5段階のプロセス

チームビルディングは、一朝一夕で効果が出てくるものではありません。優れたチームを構築するには、時間と努力が必要であり、チームの発展過程を理解して、適切なアプローチをとることが重要です。

この点において、心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」は非常に有用です。このモデルは、チームの発展を5つの段階に分類し、各段階での特徴や課題を明確にしています。

以下では、このモデルに基づいてチームビルディングの各段階を解説します。

- 1:形成期(チームが形成された段階) -

形成期は、チームが作られたばかりの段階です。この時期、メンバーはお互いのことをよく知らず、チームの目標や各自の役割も明確になっていません。メンバー間には緊張感があり、遠慮しながら相手の様子を探っている状態です。

この段階でのチームビルディングの課題は、メンバー間の信頼関係を構築し、チームの目標や各自の役割を明確にすることです。リーダーは、メンバー同士が打ち解けるような機会を設け、オープンなコミュニケーションを促進することが重要です。また、チームの目標や方向性を明確に示し、各メンバーの強みを活かせるような役割分担を考える必要があります。

この時期には、参加者同士のコミュニケーションを促進するゲームが有効です。例えば、「Good & New(グッドアンドニュー)」のゲームは、参加者が最近経験したポジティブな出来事を共有することで、互いに信頼を築きやすく、メンバー間の距離を縮める効果があります。

- 2:混乱期(相互理解が重要な段階) -

混乱期になると、メンバー間で意見の対立や衝突が生じ始めます。各自の価値観や仕事のスタイルの違いが表面化し、チーム内に緊張や不和が生まれることがあります。この時期は、チームの結束力が試される重要な段階です。

チームビルディングとしての課題は、この対立を建設的な方向に導き、相互理解を深めることです。リーダーは、対立を抑え込むのではなく、むしろ積極的に意見交換の場を設け、異なる視点を尊重する雰囲気づくりが求められます。メンバー間の相違点を認識し、それぞれの強みを活かす方法を見出すことが重要です。

この時期におすすめなのは「2つの真実と1つの嘘」というゲームです。このゲームは、メンバー間でお互いの違いを知り、誤解を解消する手助けをしてくれます。他の人との違いについて楽しみながら知ることができて、意見交換を促進する効果もあります。

- 3:統一期(チームが安定している段階) -

統一期に入ると、チームの雰囲気が安定し始めます。メンバー間の相互理解が進み、チームとしての一体感が生まれてきます。各自の役割が明確になり、協力して目標に向かって進む姿勢が見られるようになります。

この段階での課題は、チームの結束力をさらに高め、効率的な協働体制を確立することです。リーダーは、チームの目標達成に向けた具体的な戦略を立て、各メンバーの能力を最大限に引き出すための支援をする必要があります。また、チーム内のコミュニケーションをより活性化させ、創造的なアイデアが生まれやすい環境づくりも重要です。

この時期におすすめなのは「Where I'm from ポエム」というゲームです。統一期には、相互理解が進んでおり、チーム全体が協力する雰囲気となっているため、自己表現を通じてさらに絆を深めるとよいでしょう。

- 4:機能期(チームが効果的に機能している段階) -

機能期では、チームが最も高いパフォーマンスを発揮します。メンバー間の信頼関係が深まり、各自が自分の役割を理解し、自律的に行動できるようになります。チーム全体として柔軟性が高まり、問題解決能力も向上します。

この段階でのチームビルディングの課題は、高いパフォーマンスを維持しつつ、さらなる成長を促すことです。リーダーは、メンバーの自主性を尊重しながら、新たな課題や目標を設定し、チームの成長を促進する必要があります。また、チームの成果を適切に評価し、認識することで、メンバーのモチベーションを高く保つことも重要です。

この時期におすすめのゲームは「NASAゲーム」です。メンバーが自分の意見を述べ、最終的にチーム全員で意見を出し合い合意を形成するゲームであり、柔軟な対応力やチームワークが求められるこの時期に、チーム全体で協力して課題を解決する能力をさらに高められます。

- 5:散会期(チームとしての活動が終わる段階) -

散会期は、プロジェクトの完了やメンバーの異動などにより、チームとしての活動が終了する段階です。この時期、メンバーは達成感や喪失感など、さまざまな感情を抱くことがあります。

チームビルディングが成功したかどうかは、この散会期のメンバーの反応で判断できます。メンバーが互いの貢献を称え合い、惜別の気持ちを表すような場合、そのチームビルディングは成功したと言えるでしょう。リーダーは、チームの成果を振り返り、各メンバーの成長を認識して、次のステップに向けた前向きな姿勢を促すことが大切です。

また、培われた関係性や学びを組織全体に還元する方法を考えることも、チームビルディングの重要な成果となります。

チームビルディングを成功させるために大切なこと

効果的なチームビルディングを実現するには、以下のような重要な要素があります。

【チームビルディングを成功させるために大切なこと】

  • ・チームの目的やビジョンをしっかり共有する
  • ・心理的安全性を高める取り組みを取り入れる
  • ・メンバーの役割分担を明確にする
  • ・綿密にコミュニケーションをとる


以下では、これらの重要な要素について詳しく見ていきましょう。

- チームの目的やビジョンをしっかり共有する -

チームの目的やビジョンを明確に共有することは、チームビルディングの成功に不可欠です。共通の目標があることで、メンバーは同じ方向を向いて努力することができ、チームの一体感が生まれます。また、個々のメンバーが自分の役割とその重要性を理解することで、モチベーションが高まります。

しかし、ここで注意すべき点は、強制的な目標設定は避けるべきということです。トップダウンで一方的に目標を押し付けるのではなく、メンバーの意見を取り入れながら、共感できる目標を設定することが重要です。メンバーが自ら目標達成に向けて主体的に取り組めるよう、目的やビジョンの設定過程から参加させるのが効果的です。

これにより、チーム全体の当事者意識が高まり、より強力なチームが形成されるのです。

- 心理的安全性を高める取り組みを取り入れる -

心理的安全性を高めることは、チームビルディングの成功に大きく寄与します。心理的安全性が確保されていれば、メンバーは新しいアイデアを提案したり、建設的な批判を行ったりすることができ、結果としてイノベーションや問題解決能力の向上につながります。

心理的安全性を高めるには、まずリーダーが率先して失敗を恐れない姿勢を示すことが重要です。また、メンバーの意見や提案を真摯に受け止め、それに対して建設的なフィードバックを行うことも効果的です。さらに、チーム内でのオープンな対話を促進し、互いの違いを認め合い、尊重し合う文化を醸成することも大切です。

これらの取り組みを通じて、メンバーが安心して自己表現できる環境が整い、チームの潜在能力を最大限に引き出すことができるのです。

- メンバーの役割分担を明確にする -

メンバーの役割分担を明確にすることは、効率的なチーム運営と個々のメンバーの成長のために重要です。各メンバーが自分の責任範囲を理解していれば、自律的に行動でき、チーム全体の生産性が向上します。また、明確な役割分担があることで、メンバー間の協力体制も築きやすくなります。

役割分担を決める際は、各メンバーの強みや経験、興味を考慮することが大切です。ただし、固定的な役割に縛られすぎないよう注意も必要です。状況に応じて柔軟に役割を調整できる余地を残しておくことで、チームの適応力が高まります。

また、役割分担を決める過程にメンバーを参加させることで、自分の役割に対する理解と責任感が深まり、より効果的なチームビルディングにつながります。

- 綿密にコミュニケーションをとる -

チームビルディングにおいて、綿密なコミュニケーションは非常に重要です。頻繁で開放的なコミュニケーションにより、情報共有が促進され、問題の早期発見や迅速な解決が可能になります。また、メンバー間の信頼関係も深まり、チームの結束力が高まります。

ただし、役割分担を決めたからといって、各メンバーに仕事を丸投げしてはいけません。リーダーは定期的に進捗を確認し、必要に応じてサポートや助言を行うことが大切です。また、チーム全体でのミーティングだけでなく、個別の面談も適宜実施し、各メンバーの課題や懸念事項を把握することも重要です。

さらに、非公式なコミュニケーションの機会も大切にしましょう。雑談や気軽な意見交換の中から、新しいアイデアや問題解決のヒントが生まれることもあります。このように、多様なコミュニケーションの場を設けることで、チームの一体感が醸成され、より強固なチームビルディングが実現できるのです。

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まとめ

チームビルディングは、組織の成功と個人の成長を両立させる重要な取り組みです。効果的なチームビルディングを実践することで、生産性の向上、メンバーの積極性や主体性の育成、リーダーシップの醸成など、さまざまなメリットが得られます。

チームビルディングにおける5段階のプロセスを理解し、目的やビジョンの共有、心理的安全性の確保、明確な役割分担、綿密なコミュニケーションなど、成功のコツを押さえることが重要です。これらの要素を適切に取り入れることで、強固なチームを構築し、組織全体の競争力を高めることができるでしょう。

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