<TOPICS>オフィス設計に基本をわかりやすく解説!
オフィス設計の手順やエリア別のポイントを解説|設計事例も紹介

オフィス設計とは

オフィス設計とは、文字通り「オフィスを設計すること」です。どのようなオフィスにしたいか目的とコンセプトを決め、従業員の働きやすさを重視した設計が求められます。
最近では、テレワークやリモートワークの普及により、従来までのようにオフィスへ出社して仕事をする以外の働き方を選べる企業も増えてきました。そのような状況下でオフィスに求められるのは、従業員が出社したくなるデザインや環境です。
オフィスは単に働く場所としてだけではなく、多くの役割も担うようになってきました。デザイン性や働きやすさを重視したオフィス設計により、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上、企業のブランディングにも効果が期待できるでしょう。
オフィス設計のポイント

実際にオフィスを設計するにあたって重要なポイントは、コンセプトと目的の設定です。コンセプトと目的が曖昧だと、どのようなオフィスにするか方針が明確にならず、従業員の働きやすさやオフィスのデザイン性が犠牲になる可能性も否定できません。
たとえば、オフィス設計の目的として考えられる項目は、次のような内容が考えられます。
- ・生産性の向上
- ・従業員の満足度向上
- ・企業のブランドイメージ向上 など
これらの目的を達成するにはどのような設計が求められるか、コンセプトはどのようなものが自社には適当かといった内容を、総合的に検討する必要があります。
自社だけでオフィス設計をすべて組み立てるのは、スキルと経験がなければ至難の業です。オフィス構築のプロである設計の専門業者に相談して、コンセプトと目的を構築していくのもよい方法といえるでしょう。
オフィス設計の手順

オフィス設計の一般的な手順としては、次のとおりです。
- ①課題を明らかにする
- ②コンセプトをまとめる
- ③ゾーニングを検討する
- ④レイアウトを決める
それぞれについて、詳しく説明します。
- ①課題を明らかにする -
まずは、現在のオフィスが抱える課題を具体的に洗い出していきます。考えられる課題の例としては、次のとおりです。
- ・従業員同士のコミュニケーションが取りにくい
- ・デザイン性に乏しく、殺風景である
- ・ゆっくり休憩する場所がない
- ・荷物が多く雑多な雰囲気となっている
- ・オフィスに出社してくる従業員が少なく、空席が目立つ など
ここでは、思いつくままにできるだけ多くの課題をあげていくのがポイントとなります。働きやすい理想的なオフィスにするためには、実際に働いている従業員の意見は大切です。トップダウンですべて決めてしまうのではなく、従業員からも意見を集めるようにして、課題の抜け漏れがないようにしましょう。
- ②コンセプトをまとめる -
洗い出された課題を参考に、オフィスのコンセプトをまとめていきます。漠然としたイメージだけで進めると形になったときに思うようなデザインとならない可能性がありますので、明確にコンセプトを打ち出すのが重要です。
前段のヒアリングでは雑多な意見が出されるものであり、すべての課題をクリアにするのは難しいかもしれません。従業員からの要望を理解した上で、意見をまとめてコンセプトへ落とし込むことが、企画・設計では求められます。
次の内容を取り入れたコンセプト設計をすると、統一感のあるオフィスとなり社内外へのよいアピールとなるでしょう。
- ・オフィス全体にコーポレートカラーを取り入れる
- ・取り扱っている商品をレイアウトに取り入れる
- ・木材や観葉植物などの自然素材を多く取り入れる など
- ③ゾーニングを検討する -
コンセプトが決まれば、オフィスのゾーニングを検討します。
ゾーニングとは、利用目的に合わせてオフィスを区分けすることです。それぞれのセキュリティレベルと必要な広さを考慮して、全体のゾーニングを決めていきます。ゾーニングによってオフィスコンセプトの大枠が決まるため、慎重に進めていくのが大切です。
ゾーニングの考え方としては、大きく次の4つの配置を検討していきます。
- ・パブリックスペース:従業員や取引相手などが出入りする場所。セキュリティレベルは低く、出入口近辺にゾーニングする。
- ・ワークスペース:従業員が働く場所。他のスペースへ移動しやすい場所へ配置する。
- ・セキュリティスペース:倉庫やサーバーなど企業の機密を取り扱う場所。セキュリティレベルは最大となるため人の出入りが少ないスペースが適当。
- ・通路スペース:各スペースの動線となる場所へ設置する。利便性を損なわない広さを確保する。
- ④レイアウトを決める -
ゾーニングが決まれば、それぞれのゾーンを細かくレイアウトしていきます。
レイアウトを決める際は、業務に支障がでないように、利便性や快適性を考慮しましょう。たとえば、オフィス内の通路幅は最低でも60cm、すれ違うには120cm以上確保するのが適切です。書棚やデスク周りでは作業や立ち座りのスペースも考慮して、広めのレイアウトとすると働きやすさにつながります。
なお、オフィスレイアウトについては次の記事に詳しく説明していますので、参考にしてください。
関連記事:おしゃれな事務所レイアウト事例6選|配置の基本やポイント、注意点を解説!
【エリア別】オフィス設計のポイント

ここからは、エリア別にオフィス設計のポイントを解説していきます。
- エントランス -
エントランスや受付は、オフィスに訪問される方が最初に目にする「企業の顔」ともいえる場所です。エントランスから受ける印象によって、企業のイメージが大きく左右されます。執務スペースの家具やオフィス機器の費用を抑えてでも、エントランスのスペース作りに費用を割くことをおすすめします。
エントランスの設計では、企業のブランディング向上を意識するとよいでしょう。コーポレートカラーや企業理念、自社商品を取り入れたレイアウトとすると、ブランディングに効果的です。
なお、エントランスには欠かせない設備がいくつかあります。デザインだけを追求せず、機能性や利便性、快適性にも配慮したデザインが求められるでしょう。
【エントランスに設置した方がよい設備例】
- エントランスサイン
- 椅子
- グリーン
- カウンター
- 呼び出しアイテム など
- 執務スペース -
執務スペースは、従業員が出社後に一番長く過ごすスペースとなります。執務スペースのレイアウトが働きやすさに直結するため、部署や業務に合わせた最適なレイアウトが求められます。
執務スペースで最重要なのは、デスクの配置です。配置方法でよく使われるのは、次の4種類となります。それぞれメリットとデメリットがありますので、業務内容に合わせて選ぶようにしましょう。
デスクの配置方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
対向式 |
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|
同向式 |
|
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背面式 |
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|
左右対向式 |
|
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関連記事:オフィスレイアウトの種類とは?各レイアウトのメリット・デメリットを解説
- 会議室・応接室 -
会議室や応接室は、目的と利用人数に配慮した設計が求められます。
応接室は、基本的に来客した方をもてなすための場所です。高級感のある家具や落ち着いた内装とし、くつろいでもらえる雰囲気を出せるようにします。企業理念やコーポレートカラー、自社商品をレイアウトに取り入れるのもよいでしょう。
会議室は議論に集中できるようにするため、過度の装飾は必要ありません。最大収容人数を考慮して、余裕のある広さを確保すると使いやすい環境となります。
最近では、応接室と会議室を兼ねたスペースとして設置する企業も増えてきました。そういった場合は、どちらの利用頻度が高いか考慮してレイアウト設計するようにしましょう。
- 役員スペース -
社長室・役員室を設置する場合、外部に機密が漏れにくい設計とするようにします。
役員スペースは利用者が限られるスペースであり、重要顧客の訪問も考えられることから、機密情報を取り扱う機会の多い場所です。できるだけ外部とは遮断し、視線や音を感じさせない設計が求められます。
最近では、従業員とのコミュニケーション促進やコンプライアンスへの配慮から、機密性のないスペースとする企業も増えています。自社での利用方法に応じて、どのようなレイアウトを採用するか検討するようにしましょう。
関連記事:社長室の役割とは?レイアウトのポイントや狭いオフィスに設置するための工夫を解説
- リフレッシュスペース -
従業員がリフレッシュできるスペースは、従業員のコミュニケーション促進やモチベーションアップにつながることから、最近ではエントランスの次に重要視されています。
リフレッシュスペースに求められるのは、くつろげる環境です。仕事が行き詰まった際や息抜きしたい際にリラックスできる場所があれば、生産性の向上やアイデアの創出にもつなげられるでしょう。他の従業員との他愛ない会話で、コミュニケーションの活性化と心身のリフレッシュも期待できます。
【リフレッシュスペースの設計例】
- ・リラックスできるソファーやマッサージチェアを置く
- ・観葉植物や木のぬくもりが感じられる家具を設置する
- ・カフェスペースを作り、コミュニケーションの取れるスペースとする など
リフレッシュスペース設置の際は、どのような設備があれば快適に過ごせるか、実際に利用する従業員からアンケートを採ってみるもの一つの方法です。
関連記事:会社・オフィスにおける休憩室の役割とは?メリットや設置するときのポイントを解説
- サーバー室 -
サーバー室で大切になるのは、セキュリティと温度管理です。
サーバーを設置すると、室内の温度が上昇します。温度が上がりすぎてしまうとサーバーの性能にも影響し、データ損失など重大な事故につながる可能性も否定できません。
基本的にあまり頻繁な人の出入りはなく、余計なものを設置する必要はありません。必要最小限の設備とし、管理する従業員の利用しやすさと、セキュリティ性を重要視した設計が重要となるでしょう。
オフィス設計の注意点

オフィス設計をする際は、次の2点に注意して進めるようにします。
- ・関連法を事前に確認する
- ・予算を考慮したデザインにする
それぞれについて、詳しく説明します。
- 関連法を事前に確認する -
新しくオフィス設計する際は、次にあげる関連法規も事前にチェックします。
- ・建築基準法(建築物の排煙、避難の基準を満たしているか)
- ・消防法(火災発生時に必要となる消火設備の基準を満たしているか)
- ・労働衛生法(従業員の作業環境は確保されているか) など
これらはコンプライアンスという観点だけではなく、従業員の安全確保の面でも非常に重要です。
実際に工事に入ってから法規違反が判明した場合、修正するのに多くの時間と費用を割かなければならなくなります。オフィス設計時に該当する法律はないか確認し、問題がないか判断した上で進めるのが大切です。
自社だけでは判断に困る場合、オフィス設計の専門業者に相談して指示を仰ぐのもよいでしょう。
- 予算を考慮したデザインにする -
理想を追求するあまり、想定以上に費用がかかってしまうことも考えられます。現実的に妥協できる部分を考慮して、予算に合わせた内容とするようにしましょう。
オフィス設計にかかる費用は、次にあげるとおり多岐にわたります。
- ・デザイン費用
- ・内装工事費用
- ・新規導入する家具・OA機器の購入費用
- ・廃棄物の処理費用
- ・引っ越しする場合は原状回復工事費用、新規オフィスの初期費用、引っ越しにかかる費用 など
この中でどうしても削減できない費用をピックアップし、その他の部分でなるべく費用を抑えるように進めるのが大切です。
【予算内に抑えるための工夫例】
- ・使えるオフィス家具は使い回す
- ・家具の品質にこだわりすぎない
- ・複数の業者から相見積もりを取る
- ・使える補助金を探す など
オフィス設計の事例

ここから、オフィス設計の事例を紹介します。自社に取り入れられそうな部分があれば、ぜひ参考にしてください。
- L.Biz日本橋セットアップオフィス -

引用: L.Biz日本橋セットアップオフィス
L.Biz日本橋セットアップオフィスでは『住まうように働く空間』をコンセプトとしたオフィス作りを実現しました。
オフィス以外のどのような場所でも仕事ができる今の世の中において、会社で仕事をする価値のある魅力的なオフィスにしたいと取り組まれた事例です。
執務エリアでは働き方の多様性に合わせ、カウンター席・ソファー席・デスク席とバリエーションを持たせた設計としています。用途や気分に応じてさまざまなシーンをつくりだすことで、まるで住まうように働く空間となるように工夫されたオフィス設計となっています。
- NC建材株式会社様 オフィス営業所 -

引用:NC建材株式会社様
NC建材株式会社様では『働きたくなる「魅せるオフィス」』をコンセプトとして、企業の魅力を伝えられるようなオフィス設計としています。
エントランス正面の企業ロゴにはシンボリックなプロジェクションマッピングを設け、お客様に気持ちよく来訪いただける仕掛けを演出しました。執務室はオフィス内に活気が生まれるような明るいカラーをゾーン毎に配置し、チェアカラーも合わせることで統一感のあるデザインとしています。
オープンスペースにはモニター付きの造作棚を大きく構え、お客様や従業員がニュースリリース・商材情報などをチェックできるようにし、コミュニケーションを促すような設計にしました。
- 株式会社エー・アール・シー様 オフィス -

引用:株式会社エー・アール・シー様
株式会社エー・アール・シー様が掲げるオフィスコンセプトは『人と人のつながりを持てる温かいオフィス』です。床をシームレスにつないだデザインを採用し、シームレスにオフィス内を見渡せる空間設計としています。
温かみのある素材をベースに、コーポレートカラーのオレンジと植栽のグリーンを差し色にして、働きやすさや居心地のよさを追求しました。天井は内装の間仕切りがないスケルトン天井とすることで、開放感のある広々とした空間を演出ています。
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まとめ
オフィス設計は、従業員の生産性やエンゲージメントの向上、企業に置けるブランディングに大きく寄与します。設計時に大切なのは、コンセプト設計と目的の設定です。これらが曖昧になると、思うようなオフィスにならない可能性が高くなるため、時間を割いてじっくりと検討することが求められます。
オフィス設計は、基本的な手順に沿って進めていきます。各エリアに置いても設計のポイントが異なりますので、コンセプトと目的に合わせた設計が必要となるでしょう。
自社だけでオフィス設計をすべて行うのは、スキルや経験がなければ非常に難しいものです。自社だけでは行き詰まりそうだと感じた際は専門の業者に相談して、コンセプト作りから手助けしてもらうのもよい方法といえるでしょう。
TOPPANではフリーアドレスを含めた、オフィスレイアウトのご提案が可能です。働きやすいオフィスレイアウトをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!
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