<TOPICS>導入の流れや注意点を詳しく解説!
【オフィス事例あり】フリーアドレスとは?メリットや苦痛に感じる原因も

フリーアドレスとは

フリーアドレスとは、オフィス内に自分の固定席を持たずに、自分の好きな席へ自由に移動して業務を行うワークスタイルです。共有で使用できるワークスペースを設置し、仕事をする際に空いている席を使う形となります。
最近ではオフィスのデジタル化が進み、働き方も多様化してきました。コロナ禍をきっかけにテレワークやリモートワークを導入する企業も増え、オフィスに出社しない働き方も定着しつつあります。オフィスへの出社率の低下に伴い、空きスペースの有効活用を検討する中でフリーアドレスが注目を集め、多くの企業で導入されることとなりました。
フリーアドレスの導入割合

日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが実施している「ワークスタイルに関する動向・意識調査」の2024年4月の調査結果で、フリーアドレスを導入している企業が初めて過半数を超えました。
調査では、完全フリーアドレスと固定席との併用を合わせた導入率が50.6%となり、前回の2023年10月の調査から3.3ポイント増加しています。この変化は、テレワークと出社の併用を前提とした新しいワークスタイルが定着してきていることを示しています。一方で、出社率の上昇に伴って座席の確保が難しくなり、「いす取りゲーム」のような状態が課題となってきています。
参考:フリーアドレス導入率が初の5割超え、出社とテレワークの「理想の割合」に変化|日経クロステック
フリーアドレスを導入したおしゃれなオフィス事例

最近のフリーアドレスを導入したオフィスでは、従来の単なる座席の共有化から一歩進み、カフェスペースや休憩エリアも含めた空間全体の有効活用が進んでいます。従業員の快適性と業務効率を両立させた先進的な事例を紹介します。
- 株式会社エー・アール・シー -

「人と人のつながりを持てる温かいオフィス」をコンセプトに、32.97坪の空間を最大限に活用したフリーアドレスを実現しています。特徴的なのは、カフェエリアと執務エリアの境界をあえて曖昧にした設計で、床のシームレスなデザインにより、カフェエリアもフリーアドレス席として活用できる工夫が施されています。温かみのある素材をベースに、コーポレートカラーのオレンジと植栽のグリーンを効果的に配置し、スケルトン天井による開放感も相まって、快適な執務環境を創出しています。
関連記事:株式会社エー・アール・シー様 オフィス移転
- VORT六本木一丁目 セットアップオフィス -

45坪の空間を活かし、「Forme Office(自分/会社のために(For me)形を変える(Form)オフィス)」というコンセプトのもと、柔軟な働き方を可能にする空間となっています。キャスター付きの家具を効果的に配置し、レイアウト変更を容易にすることで、さまざまなワークシーンに対応可能。窓際には多めにカフェテーブル席を設置し、フリーアドレス席やランチタイムで利用しやすくしています。さらに、木目調の内装や環境に配慮したリサイクル素材の採用など、デザイン性と機能性を両立させているのも大きな特徴です。
関連記事:VORT六本木一丁目 セットアップオフィス 新設
このような場合にはフリーアドレスの導入がおすすめ

フリーアドレスの導入が比較的向いていると考えられるのは、次のケースです。
- ・従業員のオフィス在籍率が低い
- ・部署をまたいだプロジェクトが多い
- ・モバイルワークが浸透している
従業員がオフィスにあまり在籍していない場合、固定席を確保しないフリーアドレスではスペース効率の面で有利です。部署をまたぐプロジェクトが多い企業も、コミュニケーションやミーティングの機会が比較的自由に創出できるため、円滑に業務を進められるでしょう。また、社内インフラが充実しており、モバイルワークが浸透している企業では、導入もスムーズに進められると考えられます。
上記に当てはまる企業であっても、機密情報を扱う部署の場合は情報漏えいのリスクが考えられるため、フリーアドレスを採用せずに固定席とするのが賢明です。
オフィスにフリーアドレスを導入するメリット

オフィスにフリーアドレスを導入するメリットについて、代表的なものは次の3点です。
- ・コミュニケーションを促進できる
- ・組織変更に対応しやすい
- ・スペースコストを削減できる
それぞれについて、詳しく説明します。
- コミュニケーションを促進できる -
フリーアドレスによって、従業員同士のコミュニケーションを促進できます。
席を自由に移動できることで、固定席ではあまり顔を合わせる場面のなかった従業員と、コミュニケーションを取る機会が生まれます。普段あまりかかわらない他部署の従業員と近い席で仕事をする機会が増え、部署を越えた交流が活発化する可能性も高まるでしょう。
コミュニケーションの活発化から斬新な発想が出るケースも考えられ、新たなイノベーションの発生も期待できます。
- 組織変更に対応しやすい -
組織変更への対応のしやすさも、フリーアドレスのメリットとしてあげられます。
従来の固定席であれば、組織の人員増減の際にはデスクの増減も必要です。現在のスペースでは狭すぎる場合、スペースを移動しなければならない可能性も否めません。部署を再編する場合も同様にデスクやスペースの再編も必要となります。
フリーアドレスであれば、個人席がないためレイアウトを変更する必要はありません。急な組織変更や人員の増減でも、臨機応変に対応が可能となります。
- スペースコストを削減できる -
フリーアドレスの導入で、スペースコストの削減も期待できます。
これまでの固定席では、従業員1名あたり1台のデスクを準備していました。席数は所属している従業員の数となるため、事務所に常駐していない従業員の席が空席となり、無駄な空間が発生します。
フリーアドレスでは、基本的に全員分の席は設けずオフィスの座席稼働率をベースにして席数を決めるため、オフィススペースの効率化が図れます。現在より狭く賃料の安いオフィスへ移転するといった、コスト削減の面でも効果が期待できるでしょう。
オフィスにフリーアドレスを導入するデメリット

フリーアドレスの導入はメリットばかりではなく、次にあげるデメリットも存在します。
- ・導入コストが発生する
- ・部下の管理が難しくなる
- ・従業員がストレスを感じる場合がある
それぞれについて、詳しく説明します。
- 導入コストが発生する -
フリーアドレスの導入時には、相応のコストが発生します。
固定アドレスでのオフィス運用からフリーアドレスへ変更する場合、フリーアドレスに適したオフィス家具を変更する必要があります。必要に応じて、Wi-Fiやノートパソコンなどの社内インフラも整備しなければなりません。また、レイアウト変更に伴う新しいルール作りや、場合によってはオフィス移転作業といった、時間や肉体的なコストが発生する可能性も考えられるでしょう。
フリーアドレスの導入は、長期的に見ればコスト削減が期待できますが、導入時にはイニシャルコストがかかることは理解しておきましょう。
- 部下の管理が難しくなる -
フリーアドレスの導入で、部下の管理が難しくなる可能性があります。
従業員が自由に座席を選べるフリーアドレスでは、誰がどこにいるかすぐに把握できません。フロアが複数に分かれている場合、探すだけでも苦労してしまいます。また、部署やチームで集まって仕事をする機会が減り、部下とのコミュニケーション不足となる可能性が考えられます。
これらの問題を解決する方法として、従業員がどこにいるか把握できるシステムの導入や、離れた場所でもコミュニケーションが可能なチャットツールの活用といった対策が求められるでしょう。グループアドレス(部署やチームなどのグループごとにエリアを設定し、その範囲内で席を選ぶ方法)を導入するのも、部署やチーム内のコミュニケーション活性化にはよい方法です。
「フリーアドレスをやめてほしい」と従業員が苦痛に感じる原因

フリーアドレスを導入しても、従業員から「苦痛なのでやめてほしい」「時代遅れ」という声が上がる可能性があります。フリーアドレスの導入が失敗となるおもな原因について、詳しく説明します。
- 導入目的を明確にしていない -
導入目的を明確にせず運用すると、失敗となる可能性が高くなります。
トップダウンでフリーアドレスを導入した場合、導入の目的が伝わっていなければ従業員もどのように運用してよいかわからず、思うような効果を得られないケースが考えられます。移動せずに自分の席で仕事がしたいと考えている従業員にとっては、働きやすい環境ではなくなり、モチベーションの低下を引き起こすかもしれません。
形だけで内容が伴わない導入では従業員からの信頼が得られず、運用がうまくいかないことも大いに考えられます。
- オフィス環境を整備できていない -
オフィス環境が整っていない場合も、フリーアドレスを成功させるのは難しくなります。オフィス環境を整備できていないと、次の問題が起こる可能性も考えられます。
・周囲の声や雑音がうるさく、集中できない
・ペーパーレス化が進んでおらず、多くの荷物を持って移動せざるを得ない
・パソコンの通信環境が悪く、業務に支障がある
・誰がどこにいるか把握できない
・机の使い方や清掃方法など、ルール作りがなされていない など
オフィス環境が整備されていないと従業員のストレス要因となり、運用に消極的となる可能性も懸念されるでしょう。
- 私物を置きっぱなしにできない -
フリーアドレスでは、毎日の出社時に私物をロッカーから取り出し、退社時に片付けるという作業が必要になります。この日々の荷物の持ち運びは、少なからず負担になるでしょう。また、デスクに収納スペースがないため、仕事中はデスク上が書類や私物で乱雑になりやすく、業務効率の低下を招く可能性があります。
対策としては、充電機能付きのパーソナルロッカーの設置や共有の文房具を用意することなどが挙げられます。また、不要な私物の持ち込みを制限したり、ペーパーレス化を推進したりすることも有効な対策となるでしょう。
オフィスへフリーアドレスを導入する流れ

オフィスにフリーアドレスを導入する際は、以下の流れに沿って進めるとスムーズな導入が可能です。
- 1.導入目的を決める
- 2.対象部署・対象者を決める
- 3.座席設定率を決める
- 4.運用方法を決める
- 5.オフィス環境を整備する
- 6.運用ルールを決めて従業員に周知する
それぞれについて、詳しく説明します。
- 1.導入目的を決める -
まずは、フリーアドレスの導入目的を明確にし、従業員全員に周知するようにします。
フリーアドレスの導入で、これまでと同様の働き方ができなくなると不安を持つ従業員もいるでしょう。そのような方にも納得してもらえるよう、導入目的を理解してもらうことが大切です。
【フリーアドレス導入の目的の例】
・部署を越えたコミュニケーションの活性化を図る
・限られたスペースを有効活用する
・働く場所を限定しないことで業務の生産性を高める など
導入目的は言語化して説明できるようにし、従業員の理解が曖昧なまま進めないようにするのが大切です。
- 2.対象部署・対象者を決める -
フリーアドレスは、すべての部署に適しているわけではありません。例えば、営業部門や企画部門など、外出や会議が多くて在席率が低い部署や、ノートPC、タブレットで業務が完結する部署はフリーアドレスとの相性が良いと言えます。
一方で、社内からの問い合わせが多い総務・人事・経理などのコーポレート部門をはじめ、紙の書類を多く扱う部署、セキュリティレベルの高い情報を扱う部署は、固定席の方が業務効率が高くなるでしょう。
フリーアドレス導入の際は、まずは適した部署から段階的に開始し、その結果を見ながら他部署への展開を検討することで、スムーズな移行が可能になります。
- 3.座席設定率を決める -
総数に対して、実際に用意する座席数の割合のことです。例えば、100人の対象者に対して70席を用意する場合、座席設定率は70%となります。この設定は、スペース効率とワークスペースの快適性を左右する重要な要素です。設定率が低すぎると席不足が発生し、業務効率の低下や社員のストレス増加につながります。
一方、設定率が高すぎるとスペースの無駄が生じ、フリーアドレス導入のメリットが薄れてしまいます。職種や働き方の特性を考慮し、適切な設定率を決定することが重要です。
- 4.運用方法を決める -
フリーアドレスの運用方法には、「完全フリーアドレス」と「グループアドレス」の2つのタイプがあります。
完全フリーアドレスは、部署や組織の枠を超えて社員が自由に席を選べる方式で、部門を越えたコミュニケーションの活性化や、柔軟なスペース活用が可能になります。一方、グループアドレスは、部署やチームごとに特定のエリアを設定し、その中で自由に席を選ぶ方式です。チーム内の連携が維持しやすく、業務効率を保ちながらフリーアドレスのメリットを活かせる特徴があります。
導入目的や組織の特性に応じて、適切な方式を選択することが重要です。
- 5.オフィス環境を整備する -
フリーアドレス導入でのメリットを生かせるように、従業員の働きやすさに配慮したオフィス環境の整備も重要です。どの席についてもパフォーマンスが変わらずに、問題なく業務が遂行できるような対策を施します。
【オフィス環境整備の例】
・集中して仕事ができるブースを設ける
・書類のペーパーレス化を進め、クラウドで一括管理する
・荷物を管理するパーソナルロッカーを設置する
・Wi-Fiや有線LANといった通信環境を整備する
・座席を管理するソフトやツールを使い、誰がどこにいるか把握できるようにする など
運用開始後に気づく問題もあるため、定期的に従業員からヒアリングして改善するようにしましょう。
- 6.運用ルールを決めて従業員に周知する -
フリーアドレスでは運用ルールの策定が非常に重要で、特に席の固定化を防ぐためのルール作りが不可欠です。毎回同じ席を選んだり、親しい社員同士で固まったりする傾向があると、部署を超えたコミュニケーション促進というメリットが失われてしまいます。席の固定化を防ぐ工夫として、以下などが考えられます。
【席の固定化を防ぐ工夫の例】
定期的にくじ引きをして座席を決める
ランダムで席決めできるアプリを導入する
エリアごとにローテーションを設ける など
運用ルールを構築したらマニュアルとして文書化し、社内で共有しましょう。フリーアドレスの目的や意義とあわせて説明することで、社員の理解と協力が得やすくなります。なお、運用ルールを策定する際は社員にも参加してもらうことで、より実効性の高いルールづくりが可能になるでしょう。
フリーアドレスを導入する際の注意点

フリーアドレスの導入時は、セキュリティ対策も同時に検討しなければなりません。
フリーアドレスでは、移動の際は個人の荷物を持ち運ぶ必要があります。座席に鍵付きの引き出しなどがない場合、席を外す際に貴重品を置いておくと、盗難の危険性も否定できません。自身の業務で必要なものも持って移動することとなるため、パソコン画面ののぞき見による情報漏えいや、重要書類の紛失なども考えられます。
【セキュリティ対策の例】
・鍵付きのパーソナルロッカーを導入する
・社内移動用の持ち運びバッグを用意する
・入退室管理を徹底する など
従業員の多い企業では顔の知らない方も多く在籍しているため、社外の人物が紛れていてもわからない可能性があります。気密性の高いデータを扱う部署はフリーアドレスとせず、固定アドレスで運用することも視野に入れておきましょう。
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「expace office」は、2022年5月に第一弾「expace office TOKYO」を東京都台東区にオープン。そして2024年10月に、第二弾となる「expace office CHUBU」を愛知県名古屋市に開設しました。新規オープンした「expace office CHUBU 」は、 TOPPANグループの3部門が1フロアに集結したオフィスとなっています。
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まとめ
フリーアドレスには、コミュニケーション促進や組織変更のしやすさ、スペースコストの削減といった多くのメリットがあります。反面、自由に席を移動できることのデメリットがあるのも事実です。
フリーアドレス導入の失敗例は、導入目的の曖昧さに起因します。また、社内環境の整備不足もモチベーション低下の原因となり、うまく運用が進められなくなります。
フリーアドレス導入時は、目的を明確に文章化して従業員に周知するのに合わせて、運用方法に合わせた環境整備が必要不可欠です。自社での運用が難しいと感じた場合、オフィス作りの専門業者に相談してみるとよいでしょう。
TOPPANではフリーアドレスを含めたオフィスレイアウトのご提案が可能です。プランや設計面はもちろん、レイアウトに合わせた運用面についてもアドバイスさせていただきます。働きやすいオフィスレイアウトをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください!
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