C-lab.(Toppan Creative
Laboratory)は、生活空間・暮らしにおけるサーフェスデザインをベースにした調査・企画・分析を行い、製品から空間全体のソリューション提案を実施するデザインファームです。
生活者や空間に関する現状調査・分析に加えて、独自のネットワークや最先端の情報からライフスタイルやデザイントレンドを捉え、今後のデザインの方向性を示す提案として「Grand
Design Concept(GDC)」を発信しました。
今回のコラムではGDC2022-24「Better me Better
we」をご紹介し、C-lab.が考えるより良い未来・空間・暮らしへ向けたデザインについてお伝えします。
「Better me Better we」のキービジュアルは、「時間」「自然」「デジタル」を想起させる造形物がゆっくりとニュートラルな空間に漂い、”Create a Better Future”の世界観を感じる仕立てになっています。 多様なアイデンティティを混ぜ合わせたテクスチャパターンが物質・空間を彩り、未来へ向けたソーシャルグッドな”軌跡”を柔らかく描いていきます。
昨今の複雑な世界情勢のもと、多様な暮らし方や働き方の変容、新しい価値観の登場などが人々の行動やライフスタイルに大きな影響を及ぼしています。
Better
me Better weというコンセプトには、グローバルにおけるライフスタイルシフトの潮流「Create a Better Future」をベースとして、「
me(自分)と we(みんな)のためにより良い未来を創っていく、不安定な中でもより良い明日へ向かっていく」という意味が込められています。
価値観やライフスタイルの変容は、インテリアにもインパクトを与えていると考えられます。
インテリアや建築をとり巻く趨勢を整理し、「時間」「自然」「デジタル」という3つのテーマをピックアップ。より良い未来や暮らしに向けて、C-lab.が考えるデザインコンセプトやテーマカラーの選定を行いました。それぞれ、テーマごとにご紹介します。
時間軸をベースにしたコンセプトです。「継続」「大切に使い続ける」といったサステナブルな視点も意識したスタイルです。色のコントラストや組み合わせを楽しみます。
#経年による新たな価値
過去・現在・未来を感じるスタイルを掛け合わせて、現代的でありながら伝統の一端を感じるアーティスティックなスタイル。
#未来へのリバイバル
誰かにとっての”懐かしい”が、誰かにとっては”新しい”。懐かしさと新しさが混ざりあった先にある、見たこともない魅力的なデザイン。
#文脈・固有性に対する共感
国、民族、性別、時間軸…あらゆるものの境界を超え、物事の本質について考える。
ハッピームードのある色を使って、デザインを鮮やかにリフレッシュします。 このパレットをベースにチョーク系のパステルカラーを組み合わせ、モチーフやシェイプのコントラストを強調し、クラシックなデザインを一新。 ブラックにはオプティックホワイトを組み合わせることで、インパクトのあるグラフィックを生み出します。
LEMAN OAK
LEYSIN WALNUT
SPINEL CONCRETE
自然やクラフトなど、「ありのままの自然の美しさ」がもたらす効果に注目したコンセプトです。静謐でありながら意思を感じさせるような植物・石などのモチーフが、パンデミック後の生活をリフレッシュし、心を整えて次に踏み出すための環境を作り出します。
#静謐な移ろい
新たな自然の解釈として、「ヘルスケア」「セルフケア」など「ケアをする」ことを大切にし、無駄がなく無理のないウェルビーイングなスタイル。
#ありのままを愛でる
過剰なものより必要なもの、ありのままを認め合い、不完全でもちょうど良いものを追及する。
#望ましい未来を創造する自然界のアルゴリズム
「ユートピア」でも「ディストピア」でもない、より良い未来を目指す状態。自然全体がデザインの中心に据えられ、持続性のブラッシュアップによる健全性を回復させる手法が不可欠。
ウェルネスムードいっぱいの色調がインテリアをリフレッシュします。質感のあるナチュラルカラーを使うことで、ミニマルデザインにニュアンスが生まれます。セピアやアプリコットで気持ちがあたたかくなるような印象に。
PASCUA CHERRY
ANGEL OAK
GERAINT MATE
デジタル技術がもたらす没入感に注目したコンセプトです。デジタル技術は現実の世界にこれまでにない表現を生み出しています。2つの空間の相乗効果が織りなす、未来感漂う幻想風景やアルゴリズムがモチーフです。
#近くに存在するデイドリーム
テクノロジーをポジティブに捉え、テクノロジーの進化がもたらす新しい体験により、ドラマティックでエッジの効いた世界観のスタイル。
#ボーダレスな次元体験と知覚
デジタルとフィジカルを等しく捉え、2つの領域間をよりシームレスに行き来する時代。新しいマテリアルを最大限活用し、新しい体験、新しい生活方法を追及する。
#遊び心がもたらす最適化
テクノロジーの進化がもたらす新しい体験が私たちの暮らしをもっと豊かにする。スマートな暮らし、ワークライフバランスを心地良く保つためのデザインを追及する。
穏やかな心の状態へと導いてくれるような温かな色味と、光を思わせるひんやりとした色味による、デジタル空間にインスパイアされたカラーパレット。これらの色が現実とオンラインの両方で、幻想的なパターンを体験することを可能にします。
BLANC ASH
SILVER PINE
MARBLING STONE
C-lab.では、これまで国内向けのデザインコンセプトである「C-lab.コンセプト」やグローバル向けの「GDI(GLOBAL DESIGN
INSPIRATION)」をご提案してきました。今後は国内や海外ということではなく、グローバルに展開していくデザインコンセプトとして「GDC(GRAND
DESIGN CONCEPT)」をご提案していきます。
COVID-19以降、移動制限がかかり、物理的な距離感は以前より遠くなりましたが、ITの発達によりコミュニケーションの距離は縮まったように思われます。デザインの方向性もローカルなトレンドはありながらも、全体的なトレンドは同じ方向性に向かっているように思われます。
GDCはより良い未来のために、デザインでできることをC-lab.で描きました。コロナ禍の中、地に足をつけながら、プロトピア思考によってより良い未来の創造に少しでも貢献できたらと思います。
昨今の複雑な世界情勢によって生まれた新しい価値観(安全、自然、ウェルビーイング)と多様化したライフスタイルは、インテリアに将来に渡って長くインパクトを与えるでしょう。
広がった不安やニヒリズムはより良い未来を創造することでしか解消できない、そうした不完全なリアルを受け入れてより良い明日に向かって前進しようという想いを「Better
me Better we / Create a Better Future」に込めました。
環境デザイン事業部の世界戦略は2010年以降、M&Aを活用し、弊社の技術力と海外パートナーの有する営業力を武器にグローバル展開を加速しております。GDC(Grand
Design Concept)では、デザインに国境をつくらない新たなストーリーをお届けしていきたいと思います。
C-lab.は永年に渡るリサーチで培ったノウハウを活かし、企画・設計・調査・分析・コンテンツ作成・メディア発信までワンストップで対応します。独自に構築した消費者パネルから得られる多種多様なデータを活用し、お客様のマーケティング課題の解決に向けて最適なソリューションを提供します。 デザインに関するお悩み・ご相談などは、ぜひC-lab.までお問い合わせください!