
リフォームは住まいを快適にするための大切な投資ですが、工事の不具合(瑕疵)が発生することもあります。瑕疵とは、施工ミスや不適切な材料の使用などによって発生する欠陥のことです。
本記事では、リフォームで起こりやすい瑕疵の事例や、瑕疵に備えるための保険制度について詳しく解説し、安心してリフォームを進める方法をご紹介します。
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リフォーム工事の不具合はなぜ起こる?

リフォームの不具合(瑕疵)は、さまざまな要因によって発生します。リフォームは新築と異なり、既存の建物の状態に応じた施工が必要となるため、事前の調査や適切な計画が重要です。
よくある原因
・施工不良
業者の技術不足や手抜き工事が原因で、仕上がりの品質が低下します。例えば、壁紙の貼り方が不適切だと剥がれやすくなり、塗装工事で下地処理が不十分だと、すぐにひび割れが発生することがあります。
・設計ミス
リフォーム設計の段階での計算ミスや見落としによって、不具合が発生することがあります。例えば、間取り変更の際に構造計算を怠ると、建物の強度が低下する恐れがあります。
・不適切な建材の使用
品質の低い建材や施工箇所に適切でない材料を使用すると、耐久性や安全性に問題が生じます。例えば、リフォーム箇所には不適切なフローリング材を使用すると、数年でひび割れや反りが発生することがあります。
・コミュニケーション不足
施主と業者の意思疎通が不十分だと、仕上がりが想定と異なることがあります。例えば、施主が「ナチュラルな木目調の仕上がり」を希望していたのに、業者が「モダンなデザイン」を意識した施工をすると、期待と異なる結果になることがあります。
・現場管理の不備
リフォーム工事は複数の職人が関わるため、適切な現場管理がされていないと、作業のズレやミスが発生しやすくなります。例えば、電気工事のスケジュールが遅れたために、キッチンの設置が後回しになり、結果的に全体の工程が遅れるケースもあります。
これらの原因を避けるためには、信頼できるリフォーム業者を選ぶことが重要です。また、リフォーム前にしっかりと計画を立て、業者との打ち合わせを十分に行うことが、成功のカギとなります。
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リフォーム工事の不具合(瑕疵)事例
ここでは、リフォーム工事ではどのような瑕疵の発生があるのか、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)に寄せられた相談から、部位別、事象別にその内容をみていきましょう。
部位別|リフォームで発生しがちな不具合(瑕疵)事例
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談では、屋根と外装のリフォームに関する相談が、戸建・共同住宅(マンション)を問わず約5割を占めます。

参考:(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報 2024」より引用
- 屋根・外壁:塗装の剥がれ、ひび割れ、防水処理不足、シーリングの劣化
- 内装・クロス:壁紙の剥がれ、継ぎ目のずれ、色ムラ
- 床・フローリング:浮きやきしみ、剥がれ、床鳴り、施工のズレによる隙間発生
- 水回り(キッチン・浴室・トイレ):排水不良、配管の水漏れ、カビ発生、換気不足による湿気問題
- 電気・設備:コンセントやスイッチの配置ミス、照明の明るさ不足
事象別|リフォームで発生しがちな不具合(瑕疵)事例
戸建住宅における不具合の事象は、外壁のはがれ、雨漏りが上位で、材料よりも施工に起因していることが考えられます。

参考:(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅相談統計年報 2024」より引用
- 劣化の早期発生:外壁や屋根の塗装が短期間で劣化するなど、予想よりも早く修繕が必要になる。
- 水漏れ:施工ミスによる排水管の接続不良や、防水工事のミスによる漏水トラブル。
- ドアや窓の不具合:開閉がスムーズにできない、すき間風が入る。
- 設備の騒音トラブル:換気扇やエアコンの取り付け位置が悪く、運転音が気になるケース。
- 断熱不足:壁や床の断熱材施工不良により、冬場に寒さが増す。特に窓の断熱対策不足は室内の温度変化を大きくする原因になり結露の原因となる。
まとめ|リフォームで発生しがちな不具合(瑕疵)
リフォーム工事における不具合は、特定の工事に集中している傾向があります。住宅リフォーム・紛争処理支援センターのデータによると、リフォーム瑕疵の約半数が屋根の葺き替えや外壁工事に関連するものです。
- 屋根・ベランダ防水工事:防水処理の不十分さによる雨漏りや劣化
- 外壁工事:塗装やサイディングの剥がれ、ひび割れ、雨漏り
また、以下のようなリフォーム工事でも瑕疵が発生しやすいことが分かっています。
- 内装工事(クロス・フローリングの張替え):施工不良によるクロスの剥がれや変色、フローリングのたわみ・きしみ
- 水回り設備(バス・キッチン・トイレの交換):配管の接続不良による水漏れ、排水の不具合
- 契約と異なる材料の使用:説明とは違う素材が使われるトラブル
このように、特定の工事内容においてトラブルが多発しているため、リフォームを行う際には特に防水処理の品質確認や、使用する材料の契約内容のチェックが重要です。事前の確認と信頼できる業者選びによって、リフォームの失敗を防ぐことができます。
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瑕疵に備えるには「リフォーム瑕疵保険」がおすすめ

瑕疵に備える方法はいくつかありますが、おすすめは「リフォーム瑕疵保険」です。リフォーム工事における瑕疵(欠陥や不具合)に対する保険です。
ここでは、リフォーム瑕疵保険の対象工事や利用の流れ、ポイントを紹介していきます。
リフォーム瑕疵保険の対象
リフォーム瑕疵保険はどのようなものが対象になるのか、チェックしていきましょう。
1.対象となる工事
リフォーム瑕疵保険が対象とするリフォーム工事は戸建住宅と共同住宅(マンションなど)で異なります。

※施工会社が登録している保険会社により取扱いが異なる場合があります。
2.対象となる事故
リフォーム瑕疵保険の補償対象となる事故には、主に施工不良が原因となるものが含まれます。特に防水性能や耐力性能に関わるトラブルは、住宅の安全性や快適性に大きく影響を与えるため、保険適用の範囲に含まれることが多いです。
ただし、経年劣化や施主の過失による不具合は対象外とされるため、注意が必要です。実際には事故ごとに、保険を引き受けた保険会社が保険金支払いの対象か対象外かを個別に判断します。
リフォーム瑕疵保険の種類
リフォーム瑕疵保険は、対象とするリフォーム工事や保証内容に応じて次のようなタイプがあります。
1.一般リフォーム保険
内装工事、設備工事、改築工事などリフォーム工事全般を幅広く対象とするリフォーム瑕疵保険です。一般的には、施工部分に対する防水性能や耐力性能に対する5年間の保証、内装工事や設備工事の施工部分に対する短期間の保証がプラスできることが多いです。
2.増改築リフォーム保険
増築工事に特化したリフォーム瑕疵保険です。一般的には、保険を利用して防水性能や耐力性能に対する10年間の長期保証、内装工事や設備工事については一般リフォーム保険と同様に短期間の保証をプラスできることが多いです。
3.その他
リフォーム工事をしない部分も含めて住宅全体を保証するリフォームワイド、塗装工事対象部分の塗膜の膨れや剥がれに対し10年間補償する塗膜補償特約、工事の目的物に修補が必要となるような結露が生じた場合に補償する結露補償特約など、任意に選択できる特約があります。
ただし、施工会社が登録している保険会社により取り扱いが異なりますので、施工業者としっかり内容を確認し、納得した上で保険タイプを選択することが重要です。
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リフォーム瑕疵保険の利用の流れ
リフォーム瑕疵保険とは、リフォーム工事における不具合(瑕疵)に対する保証を提供する保険制度で、国土交通省が指定する保険会社が取り扱っています。
リフォーム瑕疵保険の利用は下図のような流れとなります。施工会社は事前に保険会社に事業者登録をし、保険の申込は工事ごとに着工前に申込します。工事中の検査を経て保険証券が発行され、工事完了後に不具合が発生した際に補修費用をカバーします。

参考:一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会の資料より引用
リフォーム瑕疵保険のポイント

参考:一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会の資料より引用
リフォーム瑕疵保険を活用することで、施工不良によるトラブルを未然に防ぎ、万が一の不具合にも迅速に対応できます。ここでは、リフォーム瑕疵保険の特徴や、具体的な活用方法について解説します。
1.第三者による現場検査
リフォーム工事の施工中や完了時に、第三者の建築士による現場検査が行われます。そのため将来の不具合発生を未然に防ぐことが考えられ、また現場検査に適合しなければ保険証券が発行されないので質の高い施工が期待できます。
2.補修費用の保証
リフォーム工事に瑕疵が見つかった場合、その補修にかかる費用は保険金として支払われます。これにより、施主が予期せぬ修繕費用を負担せずに済み、安心して生活を続けることができます。
3.施工会社の事業者登録
リフォーム瑕疵保険に加入するためには、施工会社が保険会社に事業者登録を行う必要があります。この登録制度により、一定の基準を満たした信頼できる施工会社のみが保険を提供できる仕組みになっています。
登録業者は、保険会社による審査を受けるため、無登録の会社と比べて信頼性が高いと言えます。また、住宅瑕疵担保責任保険協会のウェブサイトで過去の保険利用件数が公開されているため、施主は施工会社の実績を確認しながら選定することができます。
次項の「リフォーム瑕疵保険を活用した安心リフォームのすすめ方」で詳しく解説します。
4.施工会社が倒産しても安心
リフォーム工事の途中や保証期間内に施工会社が倒産した場合でも、リフォーム瑕疵保険に加入していれば、発注主が保険会社に直接保険金を請求できるため安心です。これにより、施工会社が倒産しても工事の補修や修理が可能となり、住まいの安全性が確保されます。
5.トラブルの際の解決手段を利用可能
リフォーム瑕疵保険に加入していると、専門家相談や紛争処理機関の支援を受けることができます。例えば、施工業者との間でトラブルが発生した場合、住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)などの専門機関が適切な解決策を提案してくれます。
瑕疵に備えるその他の保証とは
施工会社によっては、リフォーム瑕疵保険以外の保証制度が用意されていることがあります。
工事中の施工会社の倒産に備える完成保証、施工中の損害に備える建設工事保険、隣家などへの賠償に備える請負業者賠償責任保険、台風など自然災害に備える火災保険、メーカー保証などです。
ただし保証の対象がそれぞれ異なるので、加入にあたっては注意が必要です。下記表を参考に自分に合った必要な保証を確認することが重要です。

なお、引渡し後に発覚した瑕疵を保証対象とするのはリフォーム瑕疵保険のみです。またリフォーム瑕疵保険以外の保証は第三者による工事中検査がないため未然に不具合を防ぐものではありません。
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リフォーム瑕疵保険を活用した安心リフォームのすすめ方
ここでは、リフォーム瑕疵保険を活用したリフォーム工事のすすめ方を解説します。
保険申込や工事完了後の不具合発覚後の手続き方法などを前もって知っておくことで、リフォームを安心して進められるでしょう。
契約から工事完了まで|リフォーム瑕疵保険を活用した工事の注意点

リフォーム瑕疵保険は施工会社が保険契約者となり保険手続きを行うため、発注主は手続きができません。そのためリフォーム瑕疵保険を利用して工事を進めるには段階ごとに次のような注意点があります。
1.施工業者の選定
リフォーム瑕疵保険を利用するには保険会社に登録している施工業者を選ぶ必要があります。瑕疵保険協会のデータベースで保険会社登録の有無や過去のリフォーム保険加入実績を確認できます。
瑕疵保険協会のデータベースはこちら
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2.工事内容の確認・契約|請負契約締結、保険申込手続き
リフォーム工事の打ち合わせと並行して保険の契約内容や保証内容をしっかり確認し、不明点があれば施工会社に相談しましょう。
なお、保険の申込は工事着工前に施工会社が行います。また、瑕疵保険以外の保証が必要な場合、その他の保証制度(完成保証、火災保険、賠償責任保険など)の利用も検討しておくと安心です。
3.工事の着工|第三者による現場検査の実施
リフォーム工事の着工後、保険会社による現場検査が実施され、施工状況の確認が行われます。もし施工に指摘事項があれば、是正工事を行うことで品質を確保できます。
4.工事の完了/引渡し|検査適合後保険証券・付保証明書交付
工事完了後に保険会社が検査を行い、適合すれば施工会社を通じてリフォーム瑕疵保険付保証明書(ふほしょうめいしょ)が交付されるので大切に保管します。
ただし、現場検査で指摘事項があった場合で、是正処理が未実施の場合は交付されません。
工事完了後|リフォーム瑕疵保険を活用した工事の注意点
リフォーム工事完了後に不具合が発生した場合の対応について、ケースごとに解説します。
1.不具合発生時の補修
工事完了後、施工箇所に不具合が見つかった場合、速やかに施工会社に連絡します。請負契約の内容や保証規定に基づき無償または有償で補修工事を実施し不具合解消を図ります。リフォーム瑕疵保険を利用する場合は施工会社が保険会社に必要な手続きを行います。
2.施工会社と連絡がとれない、倒産している場合
施工業者が破産や倒産した場合、発注主は補修費用を直接保険会社に請求(直接請求)することができるほか、施工会社が補修工事を行わず長期間が経過した場合も直接請求が可能です。
この際、工事完了時に交付された保険付保証明書を用意し、保険会社に連絡してください。
3.施工会社との間に紛争が生じた場合
工事完了後、不具合などについて施工会社とトラブルが生じた場合、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)が、住宅に関する相談や紛争処理の支援を行っています。利用時は工事完了時に交付された付保証明書を用意のうえ連絡します。
ここでは弁護士や建築士に無料で相談できるほか、支援をうけ紛争処理については指定住宅紛争処理機関(住宅紛争審査会)に申請し、「あっせん」、「調停」、「仲裁」の方法で紛争解決を図ることができます。
詳細は、こちらのサイトをご確認ください。
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まとめ
リフォーム工事は、住まいの質を向上させ、快適な生活環境を実現するための重要な投資です。施工ミスや瑕疵のリスクを減らすために、リフォーム瑕疵保険を活用し、第三者検査の実施や補修費用の保証を確保することが大切です。
安心してリフォームを進められるように、リフォーム瑕疵保険の仕組みを理解し、適切な業者を選びましょう。
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