
「この古い土壁、手を加えたいけどどうしたらいいのか分からない…」
「DIYでいけるのか、やっぱりプロに頼むべきか…迷う!」
昔ながらの土壁に「そろそろ手を入れたい」と感じているけれど、どう進めたらいいのか分からず悩んでいませんか?
土壁は、きちんと手入れをすれば、今の暮らしにもなじむ“頼れる建材”です。とはいえ、砂壁との違いやリフォーム方法の選び方を間違えると、せっかくの風合いや性能を台無しにしてしまうこともあります。
そこでこの記事では、土壁リフォームを検討する人が「最初に知っておくべき基礎知識」から、リフォームの方法や費用、DIYとプロ依頼の判断基準、さらには進め方のステップまでを丁寧に紹介しました。
記事を読めば、土壁の良さを活かしながら、安心してリフォームを進められます。この記事で“自分らしいリフォームのカタチ”を見つけてみませんか?
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土壁リフォームの前に|最初に知っておくべき基礎知識

土壁リフォームを検討する際、まず押さえておきたいのが「そもそもそれは本当に土壁なのか?」という点です。見た目は似ていても、砂壁と土壁は性質やリフォーム方法が大きく異なります。ここでは、その違いと、なぜ土壁のメンテナンスが必要なのかについて解説します。
本当に土壁で合ってる?砂壁との違い・見分け方
砂壁と土壁は、見た目こそ似ていますが、素材としての性質も役割もまったく異なります。以下の表に両者の見分け方を簡単にまとめました。
見分け方 | 土壁 | 砂壁 |
触感 | すべすべ | ざらざら |
見た目 | 均一で土色 | 砂粒が見える、白っぽい |
水分の吸い込み(霧吹き使用) | すぐ吸い込む | 水滴が残る |
下地 | 下地から表面まで土 | 石膏ボード・モルタル等多様 |
砂壁は「仕上げ材」としての役割をもち、主に表面の装飾に使われるため、劣化しても表面を塗り替える程度で済みます。そのため、DIYでも対応しやすく、比較的手軽なリフォームが可能です。
一方、土壁は「構造材」として建物の骨組みの一部を担っていることが多く、劣化が進んでいる場合には内部まで手を入れる必要があります。そのため、土壁のリフォームは専門的な判断と施工が必要になるケースが多くなります。
見分け方としては、砂壁は手でこすると細かい砂が落ちてくる程度で、塗り厚は薄めです。対して、土壁は塗り厚があり、内部に竹小舞(たけこまい)などの下地が使われていることが多く、剥がしたときに土が固まった層や竹組が見えるのが特徴です。
土壁をメンテナンスしたほうがいい理由
土壁の寿命は数十年から100年以上ともいわれていますが、長く持たせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
経年劣化によって、土壁にはひび割れや剥がれ、カビの発生、あるいは土や粉の落下といった症状が現れることがあります。こうした劣化が進行すると、土壁本来の「調湿性」や「断熱性」といった機能が低下し、室内の快適性が損なわれるだけでなく、健康被害のリスクも高まります。
また、劣化を放置していると、補修範囲が広がり、その分費用や工期もかかってしまいます。早めにリフォームを行えば、比較的小規模な補修で済み、美観と機能の両方を回復できるというメリットがあります。

土壁リフォームの種類

土壁のリフォームにはいくつかの方法があり、目的や住まいの状態、好みに応じて選ぶことが可能です。ここでは主なリフォーム手法とその特徴について紹介します。
土壁の塗り直し
土壁の持つ伝統的な雰囲気を残したい場合に適しているのが、塗り直しという方法です。
表面の劣化や軽度なひび割れが見られる場合には、既存の土壁を下地として活用し、その上に新たな土を塗り重ねることで美しさと機能性を回復できます。自然素材を用いることで、建物の歴史や趣を保てるのが大きな魅力です。
ただし、下地の状態が悪い場合は、塗り直しが困難となるケースもあるため、事前の点検が重要です。
漆喰や珪藻土への塗り替え

近年人気のある選択肢が、漆喰や珪藻土といった自然素材への塗り替えです。これらは優れた調湿性や防臭効果を持ち、見た目も明るくすっきりとした印象になります。
特に珪藻土はデザイン性の高い製品も多く、現代のインテリアと調和しやすい点が魅力です。ただし、製品によってはカビが生えやすいタイプもあるため、事前に各メーカーの仕様をよく確認する必要があります。
ペンキでの上塗り
最も手軽なリフォーム方法のひとつがペンキでの上塗りです。自然素材由来の塗料を使えば、土壁の風合いを損なわずに雰囲気を一新することも可能です。
ただし、土壁の状態によっては下地処理が必要になることもあるため、DIYで行う場合は注意が必要です。
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避けたほうがよいリフォーム方法

土壁の上にベニヤ板やビニールクロスを直接貼ることは避けるべきです。その主な理由は「透湿性の低下」です。
土壁は湿気を吸ったり吐いたりする「呼吸する壁」として機能していますが、その上から通気性のない材料で覆ってしまうと、内部に湿気がたまりやすくなり、柱や下地の木材が腐ったり、カビが発生したりするリスクが高まります。
さらに、湿気のこもった環境はシロアリの被害を招く可能性もあり、長期的には構造材の劣化を早めることになりかねません。
見た目を整えるために板材やクロスを選びたくなる気持ちはわかりますが、土壁の特性を理解したうえで、その性質を活かす施工方法を選ぶことが重要です。
もし見た目を変えたいという理由であれば、調湿性を保てる漆喰や珪藻土への塗り替えなど、適した自然素材を選ぶことで、美観と機能性を両立できます。
土壁リフォームの費用と工期の目安

土壁のリフォームは、施工内容や面積、使用する素材によって費用や工期が大きく変動します。ここでは、一般的なリフォームの目安について紹介します。
下記の表に土壁リフォームの種類と、それぞれの費用相場・工期をまとめました。
リフォームの種類 | 費用相場(6畳) | 工期 |
土壁の塗り直し | 12~15万円 | 工期2~4日 |
漆喰・珪藻土 | 15~20万円 | |
ペンキ塗装 | 5~10万円 |
費用の目安
6畳程度の広さの場合、土壁の塗り直しは12~15万円程度、漆喰・珪藻土のへの塗り替えの場合は15~20万円程度、ペンキでの上塗りの場合は5~10万円程度が相場です。
下地の状態が良好で、軽度な塗り直しで済む場合には比較的安価に抑えられますが、下地の補修や剥がし作業、漆喰や珪藻土といった自然素材を用いる場合は費用が上がる傾向にあります。
また、施工面積が広くなるほど単価も抑えられるケースがあるため、部屋全体の施工を一括で行う方がコストパフォーマンスは良くなることもあります。
工期の目安
工期はおおよそ2~4日程度を見込んでおくとよいでしょう。
素材ごとの乾燥時間や下地処理の工程数によっても日数は前後します。特に自然素材を使用する場合は十分な乾燥時間が必要となるため、あらかじめスケジュールに余裕を持って計画することが大切です。
正確な費用や日数を知るためには、現地調査と見積もりを依頼し、施工範囲や壁の状態を専門家に確認してもらうことが不可欠です。

自分でDIYしたい場合の注意点

土壁リフォームをDIYで行いたいと考える人も少なくありません。費用を抑えたり、自分の手で仕上げたりする楽しさは魅力的ですが、土壁特有の注意点も多く存在します。
ここでは、DIYをする際に押さえておきたいリスクや判断基準、プロに依頼すべきポイントについて解説します。
DIYによるリスクを把握しておく
DIYのメリットとしては、費用を抑えられる点と、仕上がりに個性が出る点が挙げられます。特に、コテ跡などは手作業ならではの味わいがあり、愛着もわきます。
ただし、土壁は施工が非常にデリケートで、判断や処理を誤ると、仕上がりが悪くなったり、早期に劣化してしまったりするリスクがあります。
結果的に二度手間となったり、修復のためにプロに依頼し直すことで、かえって費用が高くついたりする場合もあるため注意が必要です。
壁を残す?剥がす?判断基準を間違えない
土壁のリフォームでは、「補修して使い続けるべきか」「完全に剥がしてやり直すべきか」の判断が極めて重要です。
以下の表に判断基準をまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
チェック項目 | 状態の目安 | 判定 |
表面の崩れ | 手で触れても崩れない | 使える壁 |
ヒビの有無 | 幅1mm未満の細いヒビのみ | 使える壁 |
壁を軽く叩いたときの音 | コンコンと締まった音 | 使える壁 |
カビ・シミ | 一部に薄く出ている程度 | グレーゾーン |
表面の浮き・膨らみ | 壁から浮いている箇所がある | 剥がしたほうがいい壁 |
粉落ち(手でこするとポロポロ) | 少しこするだけで粉が落ちる | 剥がしたほうがいい壁 |
濡れた跡や大きなシミ | 面積が広い、濃い変色がある | 剥がしたほうがいい壁 |
自力でできる範囲/プロに頼むべき範囲を明確にする
DIYで可能なのは、主に「表面の仕上げ塗り」や「軽微な補修」に限られます。
一方で以下のような作業は専門技術や経験が必要なため、プロに依頼するのが安全です。
- 土壁の全面剥がし
- 下地からの再構築
- 断熱材の施工
- 電気配線やコンセント周りの処理(※法的にも有資格者が必要)
「できそうだからやってみる」ではなく、「どこまでなら安全にできるか」を見極めることが、DIY成功の鍵となります。
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土壁のリフォーム手順

土壁のリフォームは、見た目を整えるだけでなく、建物の寿命や快適性にも大きく関わる工程です。ここでは、リフォームを安全かつ効果的に進めるための基本的な手順を順を追って説明します。
下地の状態を確認する
まず行うべきは、既存の土壁の下地が再利用可能かどうかの確認です。
壁面を軽く叩いたときに「ポトポト」と濁った音がする箇所は、内部の劣化が進んでいる可能性があります。また、土がえぐれて竹小舞が露出しており、しかも腐っている場合には、その部分は撤去対象となります。
古い壁の表面は、刷毛やほうきで力強く掃くことで、弱い部分を落とせます。さらに、スクレーパーを使えば浮いている部分だけを効率よく取り除くことができます。
剥がした下の古い土壁を強化する
状態を確認し、残したい部分が決まったら、土壁強化剤を用いて下地を補強します。
刷毛などを使い、土に浸透するように塗布していきます。塗布後は24〜48時間かけて自然乾燥させることが推奨されます。また、施工時には木部に液剤が付かないよう、養生テープでしっかりと保護することが重要です。
平らにする・均す
次に、深く欠けた部分や大きな穴を補修用砂漆喰などで埋める作業を行います。穴を埋めたら一度乾燥させ、その後、壁全体に同じ材料を塗布し、できるだけ平らな下地面に仕上げていきます。
広い面やひび割れやすい部分には、土壁専用のネットを埋め込むと、耐久性が高まります。
下地調整材を塗る
下地が乾いたら、吸水調整材を塗布し、半日ほど乾燥させます。この工程を省くと、後の仕上げ塗り時に水分が過剰に吸収され、施工不良の原因となるため注意が必要です。
その後、漆喰専用の下地調整材を使うことで、ムラを防ぎ、より滑らかな仕上がりが期待できます。乾燥には約24時間を見込んでください。
仕上げ塗り
最後に、漆喰をコテで塗って仕上げます。目安となる塗り厚は約2mm。しっかりとコテ圧をかけて塗ることで、艶のある平坦で美しい漆喰壁が完成します。
塗布後は数日間かけて自然乾燥させる必要があるため、養生や換気にも配慮しながら丁寧に仕上げていくことが大切です。

土壁リフォームのタイミング

土壁は長寿命な素材ではありますが、劣化の兆候を見逃さず、適切なタイミングでメンテナンスやリフォームを行うことが重要です。ここでは、リフォームを検討すべき代表的なタイミングについて紹介します。
カビが発生したとき
土壁は高い調湿性を持つ一方で、条件次第ではカビが発生しやすい素材でもあります。
カビが生えると、健康への悪影響が懸念されるだけでなく、土壁の機能そのものが低下します。また、見た目にも悪く、カビ特有の臭いが室内に広がるため、生活の快適性を損なう原因にもなります。
早めにリフォームや補修を行うことで、カビの再発を防ぐとともに、空気環境の改善にもつながります。
土が落ちるとき
壁に触れていないのに、床に土や粉が落ちている場合や、壁に軽く触れただけでポロポロと崩れるような状態は、明らかな劣化サインです。
土埃が室内に溜まると、掃除の手間が増えるだけでなく、アレルギーなどの健康被害につながるおそれもあります。こうした症状が見られたら、早めの点検と補修を検討するべきです。
ひび割れや剥がれが目立つとき

細かなひびから大きな剥がれまで、土壁に発生する亀裂は劣化の進行を示しています。これらを放置すると、壁面全体に影響が広がり、修復範囲が大きくなってしまいます。
軽度な状態であれば補修で済むことも多く、費用も抑えられるため、ひび割れや剥がれを見つけた時点での対応が望まれます。
土壁リフォームの進め方
土壁のリフォームを成功させるには、準備段階から契約に至るまでの各ステップをしっかりと踏むことが大切です。ここでは、スムーズに進めるための基本的な流れを紹介します。
リフォーム会社探し

土壁リフォームは専門性が高いため、すべてのリフォーム会社が対応できるわけではありません。
特に土壁は建物の構造にも関わるため、知識と経験が豊富な会社に依頼することが重要です。
地元での施工実績がある会社や、自然素材の施工に強い会社を中心に探すとよいでしょう。施工事例や口コミを参考に、信頼できる会社を絞り込みましょう。
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現地調査・打ち合わせ
依頼を検討する会社が見つかったら、まずは現地調査を依頼します。
この段階で、壁の劣化状態や下地の状況、施工範囲などを専門家が確認し、具体的なリフォームプランの土台が作られます。
気になる点や要望は、できるだけこの段階で伝えることが大切です。後からの変更は、費用や工期に影響することもあります。
プラン・見積もりの比較・契約

調査後には、複数の会社からプランと見積もりを取り寄せて比較検討します。
- 施工内容の詳細
- 使用する素材の種類
- 工期とその内訳
- アフターサービスの有無
などをチェックしましょう。価格だけでなく、提案内容のわかりやすさや信頼性も判断材料にすることがポイントです。
最終的に納得のいく会社と契約を結び、スケジュールを確認のうえ施工に進みます。
まとめ
土壁リフォームは、素材の特性や建物の構造を理解したうえで行う必要があります。見た目が似ている砂壁との違いを見極めることから始まり、リフォーム方法の選定、タイミングの判断、DIYの可否、そして信頼できる会社選びまで、考慮すべきポイントは多岐にわたります。
適切なタイミングで、正しい方法によってリフォームを行うことで、土壁の持つ調湿性・断熱性・美観といった本来の機能を長く維持することができます。
また、安易な上塗りや誤った施工を避けることも、住宅の寿命を延ばすうえで大切です。リフォームの目的や優先順位を明確にし、必要に応じて専門家の意見を取り入れながら、住まいにとって最適な方法を選びましょう。
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土壁リフォームでよくある Q&A
土壁にクロスは貼れる?
貼ること自体は可能ですが、基本的にはおすすめできません。
クロスや板材を貼ることで、土壁の持つ透湿性が失われてしまい、湿気が内部にこもってカビやシロアリ被害の原因になる恐れがあります。
土壁の寿命は何年くらい?
土壁の寿命は、数十年から100年以上といわれています。
ただし、長寿命を保つには定期的なメンテナンスが必要不可欠です。ひび割れや粉落ち、カビの発生などのサインを見逃さず、早めに補修やリフォームを行うことで、より長く土壁を維持することができます。
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