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2026-05-13

2026年ミラノサローネ速報|混迷の時代が求める「静寂のラグジュアリー」

冬季オリンピックの熱狂が冷めやらぬイタリア・ミラノ。

パンデミックの記憶が遠のき、人々の交流が完全に回復した祝祭ムードの中で、第64回ミラノサローネ国際家具見本市(以下、ミラノサローネ)が開催されました。 167カ国から316,342人が来場し、その68%を海外からの訪問者という結果になり、世界が再び力強く繋がり始めたことを象徴しています。

一方で、世界を見渡せば依然として紛争による「分断」や「不寛容」といった影が覆っているのも事実です。

こうした混迷の時代において、ミラノサローネは単なる流行を追う存在であることだけではなく、人々を守るための「精神的な充足」に着目し深化を遂げていました。 本リポートでは、筆者が注目した3つのポイントを速報としてお伝えします。

POINT1:静かなる技術:紛争下の世界で「不変の価値」を問う

世界が揺れ動く今、各ブランド共通して見受けられるのは「一過性の刺激」から、高度なクラフトマンシップに裏打ちされた「普遍的な安定」へのシフトです。
今年60周年を迎えたB&B Italiaは、ディテールへのこだわりと技量の高さを静かに見せています。椅子の背もたれに注目すると、手作業でしか成し得ない繊細なステッチが見えます。これは芯材に対し、薄くスライスした天然コルクを丁寧に巻き付け、その上から張り地を寸分の狂いもなく縫い合わせています。コルクの持つ適度な弾力が、座り心地に数値化できない「しっとりとした質感」を与え、さらにその丁寧な縫製が、プロダクトに凛とした佇まいをもたらしていました。

このアプローチは、不確かな時代において「長く愛せるもの」を求める人間の本能に訴えかけていると考察します。この「静かなる技術」こそが、2026年における真のラグジュアリーの定義といえるでしょう。

POINT2:鏡による「間」の接続 ─ 境界を曖昧にし、外の世界と対話する

今年の視察で最も戦略的に使われていたのが「鏡」です。PoliformやPoltrona Frauなどで見られた手法は、単なる反射を超えた建築的なアプローチでした。
歴史ある「スカラ座」の隣にオープンしたPoliformの新旗艦店では、ブランドらしい黒基調のモダンなインテリアが並びます。そのブランドの世界観と、歴史あるミラノの街並みを融合させるために1Fのファサード部分を全面ガラス張りにし、鏡を使って街並みをショールーム内に反射させています。これは建物で「内と外」を遮断するのではなく、鏡を用いて境界を曖昧にし、ミラノの街並みとの調和を図っています。歴史あるミラノの街並みに寄り添うアプローチとして鏡にあえて錆を残しているのも、境界を曖昧にするための重要なポイントです。

POINT3:アートとの共存 ─ 重層的な美学

Molteni&CやALCOVAに見られるように、「建築の躯体 × アート × 家具」の三位一体がスタンダードとなりました。
混迷が続く今、人々は「歴史の積み重ね」に安らぎを見出しています。歴史的な邸宅の剥き出しの壁や、かつての生活の跡が残る空間に、現代のアートと最新のプロダクトを並べる。この「新旧の共存」が、空間に奥行きを与えています。

特にALCOVAメイン会場のVilla Pestariniでは、アートはもはや装飾ではなく、家具と建築を繋ぎ合わせるために必要不可欠な存在であることを体現しています。
建築の躯体が持つ「経年変化による重厚感」と、現代的なプロダクトが持つ「洗練された軽快さ」。これらは本来、質感も時間軸も異なる要素です。この両者を唐突に隣り合わせるのではなく、間に「アート」を介在させることで、視覚的・精神的な架け橋を担っています。

日本のインテリアシーンでは長く「引き算の美学」が尊ばれてきましたが、今後は多様な素材(CMF:カラー/マテリアル/フィニッシュ)を重ね、アートを配し、反射で空間を拡張する。その「ポジティブな足し算」が、住まう人の暮らしを優しく包み込むことでしょう。

ミラノサローネ2026を徹底解説 ― セミナー開催!!! ―

以上が筆者が注目した2026年のトレンド情報でした。

今回ご紹介した内容以外にも見逃せないトレンドや、今後の兆しが沢山あります。
本トピックの続きはぜひ、6月11日(木)と6月12日(金)に開催されるセミナーにご参加いただき、理解を深めてみてください。
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