
ベランダ防水工事を怠っていると、雨漏りが起きやすくなり、建物自体の寿命を短くしてしまう可能性があります。本記事では、ベランダ防水工事の種類や費用、防水工事が必要なサインや業者選びのコツについて解説します。
TOPPAN(東証プライム上場)が運営する「リフォトル」では、国土交通省 登録団体に所属する優良リフォーム会社を無料で紹介しています。ベランダの防水工事も承っておりますので、ぜひお気軽にお申し込みください。
ベランダ防水とは?

ベランダ防水工事とは、建物の屋外にあるベランダやテラスなどの床面に対して、雨水や湿気などから浸食や漏水を防ぐために行う工事です。
ベランダやバルコニーの防水加工は、下地の上に「プライマー」「防水層」「トップコート」を重ね塗りすることで形成されています。ひと口にベランダ防水工事といっても、劣化の進む範囲によって必要な補修工事の内容が異なります。
専門の業者に相談しながら定期的にベランダ防水工事を行えば、水漏れや雨水の侵食・漏水を防ぐだけではなく、建物自体の寿命を延ばすことができます。
ベランダを防水しないとどうなる?

ベランダの防水機能が低下したまま放置すると、次のようなリスクが生じます。
雨漏りが発生しやすくなる
防水層が劣化すると、雨水がベランダの床から染み込み、階下の天井や壁に水が流れ込むことがあります。これにより、天井や壁にシミができるほか、湿気がこもることでカビやダニの発生につながります。
建物の構造が劣化する
雨水が建物内部に侵入すると、木造住宅では木材の腐食、鉄骨造ではサビの発生を引き起こします。これが進行すると、建物の強度が低下し、大規模な修繕が必要になる可能性があります。
シロアリ被害のリスクが高まる
木造住宅の場合、湿気を含んだ木材を好むシロアリが発生しやすくなります。シロアリによる被害が進行すると、家の基礎部分が脆くなり、建物の安全性にも影響を及ぼします。
資産価値が下がる
雨漏りや構造の劣化は、建物の価値を大きく下げる要因になります。特に不動産売却時には、雨漏りの履歴があると査定額に影響を与えることが多いため、定期的な防水メンテナンスが重要です。
修繕費用が高額になる
防水工事を怠ると、小さなひび割れや剥がれから深刻な雨漏りに発展し、大規模な修繕が必要になることがあります。早めの防水メンテナンスを行うことで、修繕コストを最小限に抑えることができます。

ベランダの防水工事が必要な4つのサイン

ベランダ防水工事は、雨漏りが起きる前に定期的に行う必要があります。そこで以下では、ベランダの防水工事を行うべきタイミングを見抜くために知っておきたい「4つのサイン」をご紹介いたします。
お住まいのベランダで少しでも気になるサインが表れたら、雨漏りは起きる前にベランダ防水工事を行いましょう。
ベランダの床表面が色あせ始めた
ベランダの床表面が昔と比べて色あせ始めたら、防水工事を検討する必要があります。
床表面が色あせ始めているだけであれば、まだ防水層まで劣化は達していない可能性はありますが、長期間放置してしまうと防水層が劣化してしまうため、防水層の張り直しが必要になります。
またベランダの床表面が色あせていなかったとしても、新築住宅もしくは前回の防水工事から10年以上経過しているのであれば、メンテナンスを行うタイミングです。
ひびや剥がれが目立つ

ベランダの床表面にひびや床材の剥がれが目立つ場合、防水工事が必要です。ひびや床材の剥がれを長期間放置していると、そこから雨漏りが発生して建物内部の腐食やシロアリが発生してしまう可能性が高まります。
建物全体の修理工事が必要になる場合もあるので、ベランダの床表面に、ひびや床材の剥がれが目立ち始めたら、すぐに業者に相談してください。
ベランダに雑草が生え始めた
風により砂や落ち葉がベランダに溜まり、雑草が生えることがあります。多少の雑草であれば砂や落ち葉と共に、こまめに除去することをオススメします。
もし、数年にわたり掃除をせず、雑草が生えるようなことがあれば、根元がベランダの防水層に達していることもあります。自分自身で雑草を抜いたりせず、防水業者に相談して防水層に影響がないかチェックしてもらいましょう。
雨漏りや天井に気になるシミができた

ベランダに接している部屋の天井や壁に雨漏りや気になるシミができた場合、すでにベランダの防水効果が失われて家の内部に雨水が浸食しています。
この状態まで進行してしまうと、建物内部が劣化していたり、シロアリが発生していたりする可能性が高いです。すぐにベランダ防水工事業者に連絡をして、ベランダや建物内部がどのような状況か調査してもらうことをおすすめします。
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ベランダ防水工事の種類|メリット・デメリット
ベランダの施工に適した防水工事は、主に次の3種類に分けられます。
- FRP防水
- ウレタン防水
- シート防水
それぞれの工事の特徴について、以下で詳しく解説していきます。
FRP防水工事

FRP(繊維強化プラスチック)防水工事とは、塗膜防水の一種でコンクリートや木材で作られた床の上にFRPシートを敷いて、その上に樹脂を塗って硬化させる工事のことです。
FRPは、バスタブや自転車のボディパーツ、ロケットなど、防水性に加えて軽さや強度を求められる場面で使われている素材になります。
FRP防水工事のメリット
FRP防水工事のメリットは以下のとおりです。
- 軽量で耐震性がある
- 摩擦や重みに強い
- 耐久性に優れている
- 乾燥が早いため工期が短い
- 塗りムラが生じにくく均一に仕上がりやすい
FRP防水工事のデメリット
一方でFRP防水工事のデメリットは、以下のとおりです。
- 他の防水工法よりも費用が高くなりやすい
- プラスチックの独特な匂いがある
木造住宅や広い面積の場所には向いていない場合もあるので、FRP防水工事を行う場合は必ず業者に相談して確認しましょう。
ウレタン防水工事

ウレタン防水工事とは、FRP防水工事と同じく塗膜防水の一種です。ウレタン樹脂をベランダに複数回塗ることで防水層を形成し、建物への水の浸入を阻む工事方法です。
ウレタン防水工事のメリット
ウレタン防水工事のメリットは以下のとおりです。
- 断熱性能が高い
- 水や湿気に強い
- 他の防水工法と比較して安価
ウレタン防水工事のデメリット
一方でウレタン防水工事のデメリットは、以下のとおりです。
- ウレタンが可燃物のため耐火性能に弱い
- 職人でなければ均一に塗布することが難しい
- 乾燥に時間がかかるため工期が長い
こちらもFRP防水工事と同様、向いていない場所もあるので、ウレタン防水工事を行う場合も必ず業者に相談して確認することをおすすめします。
シート防水工事

シート防水工事とは、防水シート(塩ビシートまたはゴムシート)をベランダの床に敷き、接着剤や機械的固定によって施工する防水工法です。
シートを貼るだけで均一な防水層が作れるため、防水性能が安定し、広い面積にも対応しやすいのが特徴です。
シート防水は、商業施設の屋上やマンションのベランダなど、広範囲の防水施工に採用されることが多く、メンテナンスのしやすさから耐久性の高い防水方法として知られています。
シート防水工事のメリット
シート防水工事のメリットは以下のとおりです。
- 耐久性が高く、寿命が長い
- 防水層が均一に仕上がり、ひび割れや剥がれが発生しにくい
- 施工時のにおいや騒音が少ない
- 防水層のメンテナンスがしやすく、部分補修が可能
- 施工時に厚みを調整しやすい
シート防水工事のデメリット
一方でシート防水工事のデメリットは、以下のとおりです。
- 複雑な形状のベランダでは、シートの継ぎ目部分が弱点になりやすい
- 施工できる業者が限られている
シート防水工事は、広いベランダや耐久性を重視する場合に適した防水工法ですが、施工環境によっては他の防水工法の方が向いているケースもあります。
番外編:トップコートの塗り替え
ベランダやバルコニーの床は下地の上に防水層があり、その上にトップコートが塗られているつくりが一般的です。トップコートには、防水層を紫外線や摩耗から守ってくれる効果があります。
トップコートが剥がれてしまうと、防水層が直接雨水や紫外線にさらされて劣化し、雨漏りなどが起きやすくなります。こうした事態を防ぐためにも、定期的にトップコートの塗り替えを行いましょう。
ただし、トップコートの塗り替え自体に防水性能はなく、あくまで前述したFRPやウレタンの防水層を保護して耐久年数を延ばすための処理となります。すでに目立つ剥がれや裂け目などの劣化が進行している場合は効果がないため、注意しましょう。
防水層の耐久年数によっては、トップコートの塗り替えでは対応出来ない場合もあるので、ご自身の判断で塗り替えを選択するのは危険です。どの防水工事が適切なのかを施工業者に相談した上で行うことをおすすめします。

ベランダ防水工事の費用相場と施工期間

ベランダ防水工事を検討する際に気になるのが、「どのくらいの費用がかかるのか」「工事にどのくらいの期間が必要か」という点です。
防水工事の費用は、選ぶ工法やベランダの広さ、下地の状態によって大きく変わります。また、施工期間も工法によって異なるため、事前に目安を知っておくことで計画が立てやすくなります。
以下では、代表的な3つの防水工法(FRP防水・ウレタン防水・シート防水)について、費用相場と施工期間の目安を解説します。
なお、費用については防水工事自体の費用に加え、高圧洗浄や下地調整、足場設置といった工程の費用も含めたトータルでの相場をご紹介しています。
FRP防水工事の費用と施工期間
FRP防水工事の費用と工期の相場は以下の通りです。費用は比較的高めで、工期は比較的短めと言えるでしょう。
ベランダの広さ | 費用相場 | 施工期間 |
3㎡(約1.5畳) | 約8~12万円 | 1~2日 |
5㎡(約3畳) | 約12~18万円 | 2~3日 |
10㎡(約6畳) | 約20~30万円 | 3~4日 |
ウレタン防水工事の費用と施工期間
ウレタン防水工事の費用と工期の相場は以下の通りです。費用は比較的低めで、工期は比較的長めです。
ベランダの広さ | 費用相場 | 施工期間 |
3㎡(約1.5畳) | 約6~10万円 | 2~3日 |
5㎡(約3畳) | 約10~15万円 | 3~4日 |
10㎡(約6畳) | 約18~25万円 | 4~5日 |
シート防水工事の費用と施工期間
シート防水工事(塩ビシート・ゴムシート防水)の費用と工期の相場は以下の通りです。
ベランダの広さ | 費用相場 | 施工期間 |
3㎡(約1.5畳) | 約7~12万円 | 2~3日 |
5㎡(約3畳) | 約12~18万円 | 3~4日 |
10㎡(約6畳) | 約20~28万円 | 4~5日 |
※シートの種類によって金額は上下します。
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自宅に合ったベランダ防水工事はどれ?

以下では、それぞれの工事がおすすめの方の特徴についてご紹介いたします。どのベランダ防水工事が適しているか、業者にご相談する際の参考にしてください。
FRP防水工事がおすすめの方
FRP防水工事がおすすめの方は、以下のとおりです。
- ベランダが狭い住宅に住んでいる
- 重さに弱い古い住宅に住んでいる
- 工事期間を短くしたい
FRP防水は、「木造」で「広い面積」(10㎡以上目安)の床面には施工することができません。これはFRP防水層が硬くて伸縮性が少ないためです。
そのためFRP防水工事は、ベランダが狭い住宅に適している工法と言えます。また他の防水層と比べるとプラスチックなので軽いことから、重さに弱い古い住宅でも心配なく工事を行うことが可能です。
さらに乾燥を待つ工程が少ないので、約2日程度とかなり短い期間で工事が完了するのも魅力的な点と言えるでしょう。
ウレタン防水工事がおすすめの方
ウレタン防水工事がおすすめの方は以下のとおりです。
- 古い住宅で重さに弱いところに住んでいる
- 他の工法が採れない条件の床に施工をしたい
ウレタン防水工事は、液体を塗り広げる工事のためベランダがどのような形や面積であったとしても工事を行うことができるのが特徴です。また液体のため重さもなく、古くて重さに弱い住宅に住んでいる場合でも利用できます。
シート防水工事がおすすめの方
シート防水工事がおすすめの方は以下のとおりです。
- 広いベランダやバルコニーの防水を検討している
- 耐久性を重視し、長期間メンテナンスの手間を減らしたい
- 施工時のにおいや騒音を抑えたい
シート防水工事は、広い面積の施工に適しており、施工後の防水層が均一になりやすいのが特徴です。また、シートは約10~15年の寿命が期待できるため、頻繁にメンテナンスを行いたくない方に向いています。
施工時のにおいや騒音が少ないため、マンションや集合住宅で、近隣への影響を抑えたい場合にも適した工法といえます。

信頼できるベランダ防水工事業者の選び方

ベランダ防水工事を行う場合、経験が少なく技術力がないところに頼んでしまうと、施工不良で工事のやり直しが必要になることもあるので注意が必要です。
ここでは工事のやり直しが必要になる状況に陥らないために、信頼できるベランダ防水工事業者の選び方についてご紹介します。
業者の種類から選ぶ
ベランダ防水工事を行う場合、以下の3つの業者の依頼するパターンが考えられます。
- 建築を担当したハウスメーカー
- 塗装業者
- 防水工事専門業者
この中でもっともおすすめなのは、防水工事の専門業者です。
たとえば、建築を担当したハウスメーカーに依頼した場合、最終的に工事を担当するのは外注先の塗装業者や防水工事の専門業者になります。そのため直接専門業者に依頼するよりも、マージンが発生して費用が高くなりがちです。
また塗装業者は防水工事の専門ではないので、依頼するのであれば防水工事を専門に行っている業者を選びましょう。
複数の業者から相見積もりを取る

ベランダ防水工事を依頼する場合、必ず複数の業者から相見積もりを取りましょう。相見積もりを取ることで、工事の見積もり金額を比べるだけではなく、工事の質や業者の対応の質を比べることができます。
最低3〜4社から相見積もりを取れば、防水工事に詳しくなかったとしてもある程度の相場を把握できます。見積もりをとった中から、満足のいく予算を提示しており、さらに対応が良い業者を選ぶとよいでしょう。
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まとめ
ベランダの防水を怠っていると、雨漏りだけではなく、建物内部に侵入した雨水によってシロアリの発生や柱の腐食などが発生してしまいます。結果的に建物の寿命が短くなってしまうこともあるので、ベランダ防水工事は必ず定期的に行いましょう。
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