【プロが解説】間取り変更リフォームの費用相場と可否判断|構造別の制約と失敗回避法

更新日:2026年06月05日

更新日:2026年06月05日

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子どもの成長で個室が足りず、リビングも手狭に感じる毎日。

「間取りが使いづらいから変えたいけど、我が家は変えられるのかな?」「費用も期間もどれくらいかかるのか誰に聞いたらいいんだろう?」と、不安を感じていませんか?

実は間取り変更ができるかどうかは構造によって決まり、壁式構造でなければ比較的自由に変更できるケースが多いです。放置すると、子どもが思春期を迎えても個室を用意できず、家族のストレスが増大する可能性があります。

ただし、構造の種類と耐力壁の位置さえ把握できれば、予算内で理想の間取りを実現できます。この記事では、マンション・戸建て別の可否判断から工事内容別の費用相場、耐力壁や配管の制約、失敗を防ぐチェックポイントまで解説しました。

最後まで読めば、ご自宅の構造に合った間取り変更プランを具体的にイメージでき、適正価格で安全なリフォームを実現できます。家族全員が快適に暮らせる住まいを手に入れましょう。

国土交通省登録団体の構成員を中心としたリフォーム会社をご紹介!

目次

  1. うちはできる?間取り変更の可否判断|マンション・戸建て別
    1. 【マンション】ラーメン構造なら自由度は高いのか
    2. 【マンション】壁式構造は大幅変更が困難なのか
    3. 【戸建て】在来工法なら比較的自由に変更できるのか
    4. 管理規約と共用部の制約は必ず確認すべきか
  2. 撤去できない壁と配管の見分け方|建築士が解説
    1. 耐力壁の撤去は違法|見分け方と罰則を確認
    2. 水回り移動は排水勾配がカギ|床上げの覚悟が必要
    3. 電気容量不足でIHやエアコン増設に制約あり
  3. 工事内容別の費用相場|実例付きで解説
    1. 壁の撤去・新設|10〜40万円
    2. 水回りの移動|80〜280万円
    3. ドア・窓・収納の新設|10〜80万円
    4. 全面リフォーム(スケルトン)|500〜2,500万円
  4. 間取り変更リフォームのビフォーアフター事例3選
    1. 【マンション】3LDK→2LDK|リビング拡張で家族団らん
    2. 【マンション】2LDK→1LDK+書斎|在宅ワーク対応
    3. 【戸建て】4DK→3LDK+WIC|収納充実で部屋スッキリ
  5. 失敗しないための注意点3つ
    1. 構造の専門家による事前診断を必ず受ける
    2. マンションは管理規約を必ず確認する
    3. 水回り移動は配管経路を事前確認する
  6. 費用を安く抑える3つのコツ
    1. 補助金・減税制度を活用する
    2. 相見積もりで適正価格を見極める
    3. 優先順位をつけて段階的にリフォームする
  7. 信頼できるリフォーム会社の選び方
    1. 建設業許可と建築士事務所登録を確認する
    2. 間取り変更の実績と得意分野を確認する
    3. 見積書の透明性と説明の丁寧さで判断する
  8. 間取り変更リフォームでよくある質問
    1. 築何年くらいから間取り変更を検討すべきですか?
    2. 間取り変更の工期はどれくらいですか?
    3. 賃貸マンションでも間取り変更はできますか?
    4. DIYで間取り変更はできますか?
    5. リフォームとリノベーションはどう違いますか?
  9. まとめ|間取り変更リフォームで家族全員が快適に暮らせる住まいを手に入れよう

うちはできる?間取り変更の可否判断|マンション・戸建て別

間取り変更の可否は、建物の構造によって決まります。マンションではラーメン構造と壁式構造で自由度が大きく異なり、戸建てでは在来工法とツーバイフォー工法で撤去できる壁が変わるでしょう。

この章では、ご自宅の構造を見分ける方法と、それぞれの制約を解説します。構造を正しく理解して、リフォーム会社との打ち合わせで的確な質問ができるようになりましょう。

【マンション】ラーメン構造なら自由度は高いのか

ラーメン構造とは、柱と梁で建物を支える構造を指します。室内の壁はほぼ間仕切り壁(非耐力壁)のため撤去可能であり、間取り変更の自由度が最も高いです。見分け方は簡単で、部屋の四隅に柱型(出っ張り)があればラーメン構造の可能性が高いといえます。

ただし、自由度が高いとはいえ制約も存在します。パイプスペース(PS)は共用配管が通っているため移動できません。また、床下空間が15〜20cmと浅く、水回りの大幅な移動には制約がある場合が殆どです。とはいえ、壁の撤去や新設は比較的自由に行えるため、LDKの拡張や部屋数の変更に適しています。

ラーメン構造のマンションにお住まいなら、間仕切り壁の位置を大胆に変更できる可能性が高いです。まずは管理規約を確認し、リフォーム会社に構造図の診断を依頼しましょう。

【マンション】壁式構造は大幅変更が困難なのか

壁式構造とは、壁で建物を支える構造を指します。主に5階建て以下の低層マンションに採用され、構造壁(耐力壁)が室内に多く配置されている場合が多いです。撤去できる壁が極めて少なく、大幅な間取り変更は困難といえます。

見分け方は、室内に柱型がなくすっきりしている点が特徴です。柱型がない代わりに壁で建物を支えているため、ほとんどの壁が構造壁となります。できるリフォームは、間仕切り壁(非耐力壁)のみの変更に限られますが、どの壁が間仕切り壁かの判別は素人には難しいです。

壁式構造のマンションでは、大幅な間取り変更は諦め、部分的な工夫で対応するのが現実的です。たとえば、可動式の間仕切りや家具配置の工夫で空間を仕切る方法を検討しましょう。

【戸建て】在来工法なら比較的自由に変更できるのか

在来工法(木造軸組工法)は、日本で最も多く採用されている工法です。柱と梁で建物を支えるため、壁は基本的に撤去可能といえます。ただし、筋交い(斜めの補強材)が入った耐力壁は撤去できません。

さらに、建築基準法第20条および施行令第46条で必要な壁量が規定されており、建物全体のバランスを見て設計されています。安易に撤去できると思ってはいけません。

一方、ツーバイフォー工法は、壁・床・天井の「面」で建物を支える構造です。耐力壁が多く、撤去できる壁が限定的といえます。見分け方は、壁の厚みや図面の工法表記で確認可能です。

戸建ては構造により自由度が大きく異なります。間取り変更を検討する際は、必ず一級建築士または構造設計一級建築士の診断を受けましょう。

管理規約と共用部の制約は必ず確認すべきか

マンションには、戸建てにはない特有の制約が存在します。まず、共用部は変更できません。窓、玄関ドア、バルコニーは共用部扱いのため、勝手に変更すると管理規約違反となる場合が殆どです。

さらに、管理規約による制約も事前に確認しておくと安心です。遮音等級の指定(LL-45等級以上など)、水回り移動の可否、工事可能時間帯(平日9〜17時のみなど)が規定されています。

リフォーム申請も必須であり、着工1〜2ヶ月前に管理組合へ図面、工程表、施工業者情報を提出するケースが多いです。加えて、承認まで1〜2ヶ月かかる傾向にあります。

一方、規約に違反した場合のペナルティは重大です。原状回復命令、損害賠償請求、最悪の場合は使用禁止処分もありえます。マンションでは、まず管理規約の確認から始めましょう。

撤去できない壁と配管の見分け方|建築士が解説

間取り変更で最も注意しないといけないのは、撤去してはいけない壁と移動できない配管を正しく把握することです。この章では、一級建築士の視点から、耐力壁の見分け方、配管移動の制約、電気容量の確認方法を解説します。これらの知識を身につけて、リフォーム会社との打ち合わせで的確な質問をしましょう。

耐力壁の撤去は違法|見分け方と罰則を確認

耐力壁とは、建物の構造を支え、地震や風圧に耐える壁を指します。撤去すると建物倒壊のリスクがあり、建築基準法第20条(構造耐力)違反です。

見分け方は、まず図面の確認が基本です。構造図で耐力壁(EW)として表記される場合があります。現地での簡易判別方法は、壁を叩いて詰まった音がする、厚さが15cm以上ある、柱がない壁などが挙げられます。これらは耐力壁の可能性が高いといえるでしょう。

ただし、素人判断は危険です。必ず一級建築士または構造設計一級建築士の診断を受けましょう。診断費用は5〜10万円が相場ですが、工事と同時依頼なら無料の場合もあります。誤った撤去は違法建築、建物倒壊リスク、保険適用外の可能性を招くため、専門家の診断を必ず受けましょう。

水回り移動は排水勾配がカギ|床上げの覚悟が必要

排水管は、自然に水が流れるよう1/50〜1/100の勾配が必要です(建築基準法施行令第129条の2の5)。つまり、100cm移動すると2〜5cm床を上げる計算になります。

マンションの場合、床下空間が15〜20cmと浅く、大幅な移動は困難といえます。たとえば、キッチンを3m移動すると床が15cm上昇し、天井高2.4mが実質2.25mになってしまうでしょう。一方、戸建ては床下空間が40〜60cmあり、移動の自由度が高い傾向にあります。

確認方法は、主に以下3つです。

  1. 床下点検口確認:マンションは玄関や洗面所にあることが多い
  2. 図面確認:既存配管の位置を確認
  3. 現地調査依頼:リフォーム会社にレーザー測定器で勾配確認を依頼

実例として、あるマンションでキッチン3m移動を計画したものの、床上げで段差が生じるため断念し、1.5m以内に変更して床上げを7cmに抑えたケースがあります。水回り移動を検討する際は、配管経路と床上げの影響を事前に確認しましょう。

電気容量不足でIHやエアコン増設に制約あり

契約容量の確認は、希望の間取り変更を実現するために必ず確認すべきポイントです。一般家庭の契約は40A、50A、60Aのいずれかです。

IHクッキングヒーターは単相200V・30Aの専用回路が必要であり、エアコンも1台につき専用回路が推奨されます。既存容量で足りるかどうかは必ず確認しましょう。

IH導入時は、ガスコンロから変更する際に専用200V回路を新設する必要があります。分電盤にブレーカーを増設し専用配線を引く工事費用は5〜7万円です。契約容量が40Aの場合、60Aへの変更が必要になり、電力会社への申請が必要となります。

1級電気工事施工管理技士の実務経験から、マンション特有の制約をお伝えします。各住戸への引込線は共用部の「幹線」から分岐しており、この幹線容量が不足していると契約アンペアを上げられません。築20年以上のマンションでは、幹線が60Aで設計されているケースが多く、各住戸の上限が60Aに制限されるケースが多いです。

IHやエアコンなど、高容量の機器導入を検討する際は、事前に管理組合へ幹線容量の確認を依頼しましょう。

工事内容別の費用相場|実例付きで解説

間取り変更の費用は、工事内容と範囲により10〜2,000万円以上と大きく幅があります。この章では、工事内容を4つに分類し、それぞれの費用相場と実例を提示します。予算の目安を把握し、優先順位を決める参考にしましょう。

  • 壁の撤去・新設|10〜40万円
  • 水回りの移動|80〜250万円
  • ドア・窓・収納の新設|10〜80万円
  • 全面リフォーム(スケルトン)|500〜2,500万円

壁の撤去・新設|10〜40万円

和室とリビングの間仕切り壁を撤去し、床・壁紙を張り替え、照明を移設する相場は以下のとおりです。さらに、子ども部屋を2つに分けるなど、間仕切りを設置する工事の場合は、防音性を高める必要があります。

項目 撤去だけの費用 撤去+新設費用
壁撤去 5〜10万円 5〜10万円
クロス張り替え 3〜8万円
床材張り替え 5〜12万円
廃材処分 2〜3万円 2〜5万円
壁新設(仕上・防音込み) 8〜25万円
合計 10〜30万円 15〜40万円

撤去する壁は耐力壁ではないことを必ず確認しましょう。専門業者の見積もりには詳細の工事内容が記載してあるか確認すると安心です。

水回りの移動|80〜280万円

キッチンや浴室など、水回りの移動工事の相場は以下のとおりです。さらに、床下空間が浅い場合は移動に制約があり、床を上げる対策も発生する場合があります。

項目 キッチン移動の費用 浴室移動の費用 トイレの移動
設備機器本体 50〜100万円 100〜150万円 10〜30万円
配管工事 15〜25万円 25〜40万円 5〜10万円
電気工事 5〜10万円 10〜30万円 5〜10万円
内装工事 10〜15万円 35〜60万円 20〜40万円
合計 80〜150万円 170〜280万円 40〜90万円

水回り工事中の3〜7日は該当設備が使用不可のため、一定期間の外泊を想定しましょう。配管経路と工事期間を事前に確認しておくと安心です。

ドア・窓・収納の新設|10〜80万円

内装工事の中でも、ドアや扉、クローゼットの新設の費用相場は以下のとおりです。

工事内容 費用相場 備考
ドア新設 10〜20万円/箇所 防音ドア・引き戸は+3〜5万円
窓新設(外壁開口) 30〜80万円 戸建てのみ可能
クローゼット新設 15〜35万円 壁造作、棚・扉設置含む
WIC新設 40〜80万円 2〜3畳が一般的

部分的な部分的な時は、短期間で工事は完了します。ただし、埃が舞う恐れがあり、養生で使用できない範囲は大きく必要になってきます。工事範囲や養生範囲は事前に確認しましょう。

全面リフォーム(スケルトン)|500〜2,500万円

スケルトンリフォームは、躯体(柱・梁・床スラブ)以外をすべて解体し、ゼロから間取りを作り直す工事です。

建物種別 費用相場 内訳
マンション(70㎡) 500〜1,000万円 解体費50〜100万円間取り変更・造作200〜400万円水回り設備150〜300万円内装100〜200万円
戸建て(30坪) 800〜1,500万円 解体費100〜200万円間取り変更・造作300〜500万円水回り設備200〜400万円内装・外装200〜400万円
二世帯住宅化 1,500〜2,500万円 水回り各2つ増設800〜1,500万円玄関分離300〜500万円バリアフリー化300〜500万円

仮住まい費用が別途必要(10〜30万円/月×2〜3ヶ月)で、住みながらの工事は不可能です。仮住まいの手配と費用を含めた総予算を計画しましょう。

安心してリフォームを依頼するためには、適切な価格で高品質な施工を行うリフォーム会社との出会いが大切です。まずは検討している工事の相場が知りたい方は、TOPPANが厳選した優良会社を無料で紹介する「リフォトル」をぜひご活用ください。

間取り変更リフォームのビフォーアフター事例3選

実例を見ると、間取り変更の具体的なイメージが掴めます。この章では、ペルソナに近いマンション事例2つと戸建て1つを紹介します。それぞれの築年数、広さ、費用、工事内容、ポイントを参考にしましょう。

  • 【マンション】3LDK→2LDK|リビング拡張で家族団らん
  • 【マンション】2LDK→1LDK+書斎|在宅ワーク対応
  • 【戸建て】4DK→3LDK+WIC|収納充実で部屋スッキリ

【マンション】3LDK→2LDK|リビング拡張で家族団らん

和室6畳とリビング12畳の間仕切り壁を撤去し、18畳LDKに変更したリフォームです。以下は工事の概要と主な工事内容です。

項目 内容
築年数 築18年
広さ 75㎡
費用 320万円
工事期間 20日
工事内容 和室とリビング間の間仕切り壁を撤去壁付けキッチンを対面キッチンに変更床材をフローリングで統一壁紙を全面張り替え照明をダウンライト化

和室の畳をフローリングに変更する際、床高さの調整が必要でした。さらに、対面キッチンへの変更で排水管の延長が必要でしたが、床下空間を確保できたため床上げは不要になりました。ラーメン構造のため、間仕切り壁をすべて撤去できた事例です。

【マンション】2LDK→1LDK+書斎|在宅ワーク対応

6畳の子ども部屋を4畳の書斎に変更したリフォームです。以下は工事の概要と主な工事内容です。

項目 内容
築年数 築12年
広さ 65㎡
費用 280万円
工事期間 15日
工事内容 リビングとの間仕切り壁を一部撤去リビング2畳拡張(12畳→14畳)書斎に防音ドア設置書斎内に造作デスクとカウンター、収納設置照明はタスクライト、コンセント6箇所増設床材は防音フローリング(LL-45等級)で管理規約クリアエアコンは専用回路新設

リフォームによって集中できる空間ができて仕事の効率が上がります。さらに、防音ドアのおかげで家族にも気を遣わなくて済む環境ができました。

在宅ワーク環境を整える際は、防音性と電気容量の確認を忘れずに行いましょう。

【戸建て】4DK→3LDK+WIC|収納充実で部屋スッキリ

2階の4.5畳和室をWICにして隣接6畳洋室と一体化し9畳主寝室+3畳WICに変更しました。さらに1階LDKは間仕切り撤去で18畳に拡張したリフォームです。

以下は工事の概要と主な工事内容です。

項目 内容
築年数 築25年
広さ 120㎡(2階建て)
費用 480万円
工事期間 30日
工事内容 隣接6畳洋室と一体化し9畳主寝室+3畳WICに1階LDKは間仕切り撤去で18畳に拡張キッチンから洗面所・浴室へ直接行ける回遊動線に変更和室をWIC変更時、畳を撤去しフローリング化、湿気対策で換気扇設置WIC内部は可動棚とハンガーパイプを造作在来工法のため間仕切り壁をすべて撤去可能(耐力壁は残す)

収納が増えて部屋が片付けやすい空間ができました。家事動線が良くなり朝の準備時間が10分短縮できるように改善されました。

収納と動線の改善を検討する際は、実際の生活動線をシミュレーションしてみましょう。

失敗しないための注意点3つ

間取り変更リフォームの失敗は、構造の無視、規約違反、配管の見落としに集中しています。この章では、失敗事例を交えながら、安全で確実な間取り変更を実現する方法をお伝えします。

構造の専門家による事前診断を必ず受ける

耐力壁の誤った撤去は違法であり、建物倒壊のリスクがあるため、必ず一級建築士または構造設計一級建築士の診断を受けましょう。地震時に倒壊して居住者・近隣住民に被害が出た場合、損害賠償請求や刑事責任を問われる可能性があります。

診断内容は、図面の確認、現地調査(壁厚さ測定、柱位置確認、筋交いの有無)、撤去可能な壁の判定、必要に応じた構造計算です。診断費用は5〜10万円が相場ですが、リフォーム工事と同時依頼なら無料の場合もあります。

間取り変更の可否判断には「構造図(伏図・軸組図)」が必須です。意匠図(平面図)だけでは耐力壁の位置が分かりません。建築確認申請書の副本には構造図が含まれていますが、紛失している場合は特定行政庁(市区町村の建築指導課)で閲覧・コピーできます。閲覧手数料は300円程度、コピー代は1枚20〜50円です。

ただし、1981年以前の建物は図面が保管されていないケースもあります。図面がない場合、構造設計一級建築士による現地調査(費用10〜15万円)が必要です。構造診断を依頼する際は、構造図の有無を事前に確認しましょう。

マンションは管理規約を必ず確認する

管理規約は「マンションの憲法」であり、違反すると大きなトラブルになります。主な確認項目は、以下の5つです。

  1. リフォーム申請の提出時期(着工1〜2ヶ月前が一般的)
  2. 遮音等級の指定(床材LL-45等級以上など)
  3. 水回り移動の可否(禁止の場合あり)
  4. 工事可能時間帯(平日9〜17時、土日祝不可など)
  5. 使用業者の制限(管理組合指定業者のみなど)

申請に必要な書類は、リフォーム計画書、図面、工程表、施工業者情報、近隣住戸への挨拶状です。一般的には承認まで1〜2ヶ月かかります。違反時のペナルティは、原状回復命令(やり直して元に戻す)や損害賠償請求(近隣住戸への騒音被害など)、さらに最悪の場合、使用禁止処分や区分所有権競売なども考えられます。

実務経験から、管理規約で見落としがちな重要項目は「遮音等級」です。床材の遮音等級「LL-45」は「軽量床衝撃音」の基準ですが、実は「重量床衝撃音(LH)」の規定がある管理組合もあります。LH-55等級以上を求められる場合、通常のフローリング(厚さ12mm)では基準を満たせず、遮音マット(厚さ5〜10mm)の追加施工が必要です。

遮音マットにより床が15〜20mm上がり、ドア下部の削り直しや建具調整(費用5〜10万円)が発生します。さらに、隣戸との境界壁(界壁)は共用部扱いのケースが多く、穴を開ける工事(コンセント増設、配管貫通など)は管理組合の承認が必要です。

無断で穴を開けると、原状回復命令(費用30〜50万円)の対象になる恐れがあります。マンションでリフォームを計画する際は、管理規約の詳細を必ず確認しましょう。

水回り移動は配管経路を事前確認する

水回りは、排水管の勾配が取れるかを必ず確認しましょう。確認方法は、以下の手順です。

  1. 床下点検口から配管経路を確認(マンションは玄関や洗面所にあることが多い)
  2. 図面で既存配管の位置を確認
  3. リフォーム会社に現地調査を依頼(レーザー測定器で勾配確認)

特にマンションは床下空間が15〜20cmと浅く、移動距離が長いと床を大幅に上げる必要があります。床を上げると、天井高が低くなったり、リビングとの段差が生じたり、ドア下部を削る必要が生じる場合があります。

ただし、不可能というわけではありません。代替案の選択肢は以下の4つです。

  • 移動距離を短くする(1.5m以内)
  • 段差を許容する(バリアフリーを諦める)
  • 床下空間を掘り下げる(マンション不可、戸建て可能性あり)
  • 水回り移動を諦めて別の間取り変更を検討する

水回り移動を検討する際は、配管経路と床上げの影響を必ず事前確認しましょう。

費用を安く抑える3つのコツ

間取り変更リフォームの費用は、工夫次第で30〜50%削減できます。この章では、補助金、相見積もり、優先順位付けの3つの方法を提示します。賢く費用を抑え、予算内で理想の間取りを実現しましょう。

  • 補助金・減税制度を活用する
  • 相見積もりで適正価格を見極める
  • 優先順位をつけて段階的にリフォームする

補助金・減税制度を活用する

補助金・減税制度は年度ごとに内容が大きく変わります。間取り変更リフォームで活用できる可能性がある制度を確認しましょう。主に確認すべき制度は以下のとおりです。

制度名 対象工事 補助額 対象者
介護保険の住宅改修費 手すり設置、段差解消、引き戸変更など 最大20万円(自己負担1〜3割) 要支援・要介護認定者
各自治体独自の補助金 耐震改修、省エネ改修など 5〜50万円程度 自治体により異なる

国土交通省や環境省が実施する大型補助金(省エネリフォーム支援事業など)は、年度ごとに制度名・予算額・要件が変わります。2026年度の最新制度については、以下の方法で確認をおすすめします。

確認先 内容
国土交通省HP「住宅リフォーム支援制度」 国の補助金制度の最新情報を検索
各自治体HP(建築課・住宅課) 地域独自の補助金情報を確認
リフォーム会社 「現在使える補助金はありますか?」と相談

補助金を活用する際は、必ずリフォーム会社に「2026年度の最新制度」を確認し、着工前に申請手続きを完了しましょう。制度は年度途中でも予算終了により受付が停止されることがあるため、早めに相談すると安心です。

相見積もりで適正価格を見極める

同じ間取り変更内容でも、業者により50〜100万円以上の価格差が生じます。手順は以下のとおりです。

  1. 最低3社から見積もりを取得
  2. 同条件で依頼(間取り変更内容、設備グレード、工期など)
  3. 見積書の内訳を詳細確認(材料費、工事費、諸経費の内訳)
  4. 極端に安い業者は注意(手抜き工事、追加費用の可能性)
  5. 極端に高い業者も避ける(適正価格の1.5倍以上は高すぎ)

相見積もりの効果は、たとえばA社380万円、B社320万円、C社450万円ならB社が最適正価格と判断でき、130万円の節約が可能になります。ただし、注意点は価格だけでなく業者の実績、対応の丁寧さ、アフターフォローも考慮しましょう。

優先順位をつけて段階的にリフォームする

一度に全てやらず段階的に進めると、予算オーバーを防げます。優先順位は大きく6段階で考えましょう。

  1. 構造・安全性に関わる工事(耐力壁補強、配管老朽化対策)
  2. 生活に不可欠な工事(水回り故障、雨漏り補修)
  3. 間取り変更(壁撤去・新設、部屋数変更)
  4. 家事動線改善
  5. 内装美観(壁紙・床材張り替え)
  6. 設備グレードアップ(最新キッチン・浴室)

段階的リフォームのメリットは、初期費用を抑えられる点と、間取り変更後の使い勝手を確認してから次の工事を決められる点といえます。

デメリットは、2回目で再度仮住まいが必要になる場合がある点と、合計費用は一度に実施するより高くなる点です。

段階的リフォームを検討する際は、将来の工事計画も含めて総費用を比較しましょう。

信頼できるリフォーム会社の選び方

リフォームの成否は、業者選びで8割決まります。この章では、建設業許可、実績、見積書透明性の3つの判断基準を提示します。信頼できる業者を見極め、安心して工事を任せられる体制を作りましょう。

建設業許可と建築士事務所登録を確認する

許可がない業者は違法であり、工事品質も保証されません。業者選定の際は、許可・登録の有無を必ず確認しましょう。確認すべき項目は以下のとおりです。

項目 内容 確認方法
建設業許可 500万円以上のリフォーム工事を請け負うには必須 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で検索
建築士事務所登録 間取り変更など構造に関わる工事には必要 都道府県の建築士事務所協会で確認
リフォーム瑕疵保険加入 リフォーム工事の欠陥を補償する保険 住宅瑕疵担保責任保険法人のHPで検索
その他 設立年数、施工実績、口コミ・評判 HPや口コミサイトで確認

業者選定の際は、許可・登録の有無を必ず確認しましょう。

間取り変更の実績と得意分野を確認する

確認すべき実績は依頼する内容に応じて変わります。ただし会社規模や事例を調べると、品質面や企業としての安定性がわかるため、以下の項目を確認しましょう。

確認項目 内容
施工事例 HPや店舗で過去の間取り変更リフォームの施工事例を確認。写真、間取り図、費用、工期、お客様の声の掲載有無をチェック
構造別実績 自宅の構造(ラーメン構造、壁式構造、在来工法など)と同じ構造での実績があるか
マンション・戸建て専門性 マンション専門、戸建て専門の業者もいる。自宅タイプに合った業者を選択
建築士在籍 一級建築士が在籍する業者は構造診断を社内で行えるため安心
担当者の知識 打ち合わせ時に担当者が構造や法規について詳しく説明できるか。曖昧な回答や「たぶん大丈夫」が多い担当者は避ける

業者選定の際は、施工事例と担当者の知識を必ず確認すると安心です。

見積書の透明性と説明の丁寧さで判断する

業者選定の際は、見積書の透明性と説明の丁寧さを必ず確認しましょう。見積書は会社の経営姿勢が伺えるポイントです。優良なリフォーム会社を選択するために確認すべき項目は以下のとおりです。

チェック項目 判断基準
①見積書の透明性 一式表記でなく詳細な内訳が記載されているか(材料費、工事費、諸経費が明確)
②諸経費 工事費の10〜15%が適正
③追加費用発生条件 「〇〇の場合は追加費用発生」という条件が明記されているか
④保証内容 工事完了後の保証期間(1〜5年が一般的)、定期点検の有無、不具合発生時の対応が明記されているか
⑤契約を急かさない 「今日契約すれば〇万円値引き」など契約を急かす業者は避ける

また、見積もりをただ提出するだけでなく、内容を丁寧に説明してくれるか、質問に誠実に答えるかも意識して確認しましょう。さらに、誠実な業者はメリットだけではなくデメリットも伝えてくるため、信頼出来るでしょう。

安心してリフォームを依頼するためには、確かな実績と保証を持つ誠実な施工会社との出会いが大切です。リフォーム会社選びで失敗したくない方は、TOPPANが厳選した優良会社へ無料で紹介する「リフォトル」をぜひご活用ください。

間取り変更リフォームでよくある質問

築何年くらいから間取り変更を検討すべきですか?

築15〜20年が設備更新の目安で、間取り変更を検討する好機です。ただし、家族構成の変化(子どもの成長、親との同居など)があれば、築年数に関わらず検討する価値があります。

間取り変更の工期はどれくらいですか?

壁1箇所の撤去なら2〜3日、水回り移動を含む場合は2〜4週間、全面リフォーム(スケルトン)なら1〜2ヶ月が目安です。

賃貸マンションでも間取り変更はできますか?

原則賃貸では不可です。退去時の原状回復義務があるため、壁の撤去や水回り移動は認められません。

DIYで間取り変更はできますか?

絶対におすすめしません。耐力壁の誤撤去は建築基準法違反(罰則:100万円以下の罰金または3年以下の懲役)で、電気工事は国家資格が必要です。

リフォームとリノベーションはどう違いますか?

一般的にリフォームは原状回復・部分的改修、リノベーションは性能向上を伴う大規模改修を指します。ただし業界でも定義が曖昧なため、業者に「何をどこまでやるのか」を明確に確認してください。

国土交通省登録団体の構成員を中心としたリフォーム会社をご紹介!

まとめ|間取り変更リフォームで家族全員が快適に暮らせる住まいを手に入れよう

間取り変更リフォームを成功させるために、以下のポイントを確認しましょう。

  • ご自宅の構造を把握し、一級建築士に構造診断を依頼する
  • マンションの場合は管理規約を確認し、着工1〜2ヶ月前にリフォーム申請を提出する
  • 複数のリフォーム会社から相見積もりを取り、工事内容と費用の内訳を比較する
  • 耐力壁の撤去は違法なので、必ず専門家の診断を受ける
  • 水回り移動は排水勾配の確保が必須なため、配管経路を事前に確認する
  • 築15年以上なら、補助金・減税制度が使えるか最新情報を確認する

間取り変更が実現すれば、子どもに個室を用意でき、家族のストレスが解消される快適な住まいが手に入ります。まずは複数のリフォーム会社に相談し、ご自宅の構造診断と現地調査を依頼してみましょう。

とはいえ、一級建築士が在籍し、構造診断から管理規約対応まで丁寧にサポートしてくれるリフォーム会社をご自身で探すのは手間がかかります。TOPPANが運営する「リフォトル」なら、あらかじめ厳しい審査基準をクリアした優良会社をご紹介できます。

悪質な業者に当たる心配がない環境で、安心してプロの提案と見積もりを比較検討しましょう。

国土交通省登録団体の構成員を中心としたリフォーム会社をご紹介!

執筆者

徳良 仁

1級建築士。GAFAの1社に転職し、30代で建築部門の管理職を務める。
千葉県在住の建築ライター。建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。
1級電気工事施工管理技士や第一種電気工事士の資格も保有。

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