C-lab.では、戸建住宅のインテリアを構成する木質部材(化粧シート仕様の建具・造作部材など)のカラーについて、主要住宅メーカー、主要建材メーカーのインテリアカラー動向を調査してまとめています。
各メーカーで標準的に設定されているインテリアカラーなので、「基調色」と呼ばれたりもします。数年〜10年程度継続して使われることが多くなっています。
これに対してマンションの部材は、当社のように化粧シートを生産しているメーカーのオリジナルカタログの中からデザイナーなどがセレクトしています。マンションデベロッパー各社は標準的なカラー(標準色)をいくつか決めていて、その中からお客さまに選んでいただくシステムをとっていますが、物件ごとに選べるカラーを変えていることもあります。標準色は1年〜数年で見直されます。
こうしたことから、マンションのインテリアカラーは、当社のオリジナルカタログ「101エコシート」の出荷比率をもって指標としています。
今回はC-lab.の調査データを基に、最新の住宅インテリアカラートレンドについて解説します。
過去のレポートはこちら→住宅インテリアカラートレンド 2022-23
建材メーカーでは、木目のライト、ミディアム、ダーク色をはじめとするベーシックアイテムと、木目のグレージュ色のような流行を反映したトレンドアイテムを持っています。上のグラフはそれらをすべて含めた2019年度から2023年度のインテリアカラー使用比率の変遷です。
建材メーカーの部材は建売住宅に採用されることが多いので、建売住宅のトレンドを反映しているともいえます。建材メーカーつまり建売住宅におけるボリュームカラーはホワイト(木目、単色含む)となっていることがわかります。2023年度もその傾向は続いています。木目ライト色も比較的大きなボリュームとなっており、スタンダードカラーとなっています。木目グレージュ色も増加傾向で、建売住宅においてトレンドが浸透しつつあります。
主要な住宅メーカーのインテリアカラー使用比率(戸建住宅と賃貸住宅を合算)の推移グラフです。
住宅メーカーの商品は注文住宅の比率が多いので、注文住宅のトレンドを反映しているともいえます。
住宅メーカーつまり注文住宅におけるボリュームカラーも建材メーカー同様にホワイト(木目、単色含む)ですが、その比率は建材メーカーよりも高いです。2023年度もその傾向は続いています。木目グレージュ色も増加傾向ですが、こちらは賃貸住宅の影響が大きいです。
最後にマンションのインテリアカラー使用比率です。冒頭に記載したように、マンションでは化粧シートメーカーのオリジナルカタログからセレクトした色柄が使われています。物件ごとに異なるセレクトが適用されることもありますし、種類が多く一般住宅や建材メーカーのインテリアカラーとは比較にならないほど自由に選択できるため、トレンドを反映させやすく、毎年のように新アイテムが投入されています。マンションにおけるボリュームカラーは圧倒的に木目グレージュ色になっています。また素材系柄の増加が続いており、マテリアルミックスのトレンドを反映しています。一方、木目のミディアム色より濃いカラーは減少傾向でわずかな比率となっています。
次に出荷の多いベスト10のアイテムを見てみると、以下のように移り変わっています。
ベスト10はグレイッシュなカラーがほとんどを占めています。またミディアムブラウンやダークブラウンが上位から姿を消し、明るい色合いが多くなっていることがわかると思います。今年は過去にはない画期的な変移がありました。マテリアルミックスがスタンダードになったことを窺わせるもので、今後の動向にも注目です。
以上、住宅のインテリアカラートレンドをお送りしました。
C-lab.では今回紹介したインテリアカラー動向に関するレポートを販売しております。ご要望に合わせたカスタマイズも可能となっております。 内容や価格等、お気軽に下記のお問合せよりご相談ください。
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