屋根塗装は本当に必要?自分でできる?判断基準や安く抑えるコツも解説

更新日:2026年03月26日

更新日:2026年03月26日

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近所で工事をしているという訪問業者から「屋根の塗装が必要」と指摘を受け、「本当に塗装が必要なのか?」「騙されているのではないか?」とモヤモヤしていませんか?

築10〜15年のスレート・金属・セメント瓦の屋根には塗装メンテナンスが必要です。表面の塗膜が劣化すると防水機能が失われ、放置すると雨漏りや下地の腐食につながります。

ただし、すべての屋根に塗装が必要なわけではありません。パミールや下地が劣化した屋根は塗装しても意味がなく、かえってトラブルの原因になる場合もあります。

この記事では、屋根塗装が必要な家の判断基準から費用相場、優良会社の見極め方まで解説します。

読み終える頃には、悪徳業者の言葉に惑わされず、見積書を自分でチェックできるようになります。大切なマイホームとご家族を守るために、まずは正しい知識を身につけましょう。

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目次

  1. 屋根塗装は意味がない?築年数と屋根材で決まる3つの判断基準
    1. 【推奨】築10〜15年のスレート・金属・セメント瓦|塗装で寿命が延びる
    2. 【不要】日本瓦(粘土瓦)|耐久性が高く塗装しなくていい
    3. 【不可】パミール・築20年以上の下地劣化|塗っても意味がない
  2. スレート屋根の劣化サインと放置による影響
    1. 自分で確認できる劣化サイン一覧
    2. 劣化を放置すると発生する主なトラブル
  3. 屋根の状態で変わるメンテナンス方法|塗装・カバー工法・葺き替えの判断
    1. 軽度の劣化なら「塗装」
    2. 劣化が進んだ屋根は「カバー工法」
    3. 下地まで傷んでいる場合は「葺き替え」
  4. 屋根塗装の費用相場|工法でどれくらい変わる?
    1. 塗装|40〜80万円
    2. カバー工法|100〜200万円
    3. 葺き替え|150〜250万円以上
  5. 屋根塗装の費用を安く抑えるコツ3選
    1. 外壁塗装とセットで足場代を節約する
    2. 自治体の助成金・補助金を活用する
    3. 地元のリフォーム会社に依頼して中間マージンをカットする
  6. 屋根塗装で使われる塗料の違い
    1. シリコン塗料|コストパフォーマンスに優れる
    2. ラジカル塗料|価格と耐久性のバランスが良い
    3. フッ素塗料|耐久性が高く長持ちする
    4. 無機塗料|最も耐久性が高いハイグレード塗料
  7. 屋根塗装の工程【5ステップ】
    1. ステップ1:足場設置・飛散防止ネット張り
    2. ステップ2:高圧洗浄と乾燥
    3. ステップ3:下地処理と縁切り
    4. ステップ4:下塗り・中塗り・上塗り
    5. ステップ5:完了検査と足場解体
  8. 【DIY】自分で屋根塗装をしてはいけない理由3つ
    1. 高所作業による転落リスク
    2. 知識不足で雨漏りを誘発するリスク
    3. 失敗後のやり直しで費用が割高になるリスク
  9. 屋根塗装で優良会社の見極め方|判断基準5つ
    1. 築年数・屋根の状態に合った工法を提案する業者か
    2. 「一式」表記でなく下地処理・縁切りが明記されているか
    3. 塗料のメーカー・商品名・3回塗りが記載されているか
    4. 「足場無料」「今日契約で半額」などの大幅値引きがないか
    5. 現地調査・デメリットの説明・保証の書面提示があるか
  10.  契約前に必ずやること3選
  11.  屋根塗装でよくある質問
    1.  屋根塗装に火災保険は適用される?
    2.  屋根塗装の工期はどれくらいかかる?
    3.  屋根塗装の「保証期間」は何年が目安?長すぎる保証は嘘?
  12.  まとめ|屋根塗装が必要か判断して長持ちするメンテナンスを選択しよう

屋根塗装は意味がない?築年数と屋根材で決まる3つの判断基準

「屋根塗装は本当にしないといけないの?」と考えている方もいるでしょう。

本章では、屋根材の種類と築年数ごとの塗装の判断基準について解説します。

  • 【推奨】築10〜15年のスレート・金属・セメント瓦
  • 【不要】日本瓦(粘土瓦)
  • 【不可】パミール・築20年以上の下地劣化

【推奨】築10〜15年のスレート・金属・セメント瓦|塗装で寿命が延びる

日本の住宅で最も多く普及している、スレート・金属屋根・セメント瓦の屋根にお住まいの場合、築10〜15年目の塗装メンテナンスは有効です。

これらの屋根材は、表面の塗膜によって防水性能を保っています。塗膜は紫外線や雨風によって徐々に劣化し、防水機能が低下していきます。

一般的な塗膜の耐久年数は、約10〜15年です。築10〜15年を目安に塗装すると屋根材の寿命を延ばせます。

塗装せずに放置すると、屋根材が雨水を吸収しやすくなり、ひび割れや反りが進行します。さらに雨漏りが発生すると屋根の下地材や柱が腐食してしまい、塗装では対応できません。下地から補修する葺き替え工事が必要になる場合もあります。

適切なタイミングで塗装メンテナンスを行えば、屋根材の劣化を遅らせ将来の大規模な修繕コストを抑えられます

【不要】日本瓦(粘土瓦)|耐久性が高く塗装しなくていい

日本瓦(粘土瓦)の屋根では、塗装メンテナンスは必要ありません

日本瓦は、粘土を高温で焼き固めて作られた「陶器」です。お茶碗やお皿と同じように、素材そのものに高い防水性と耐久性が備わっています。

表面が色あせて見えたとしても、汚れや経年変化であり、防水機能には影響がありません。

瓦屋根で必要なメンテナンスは瓦の割れやズレ、漆喰の劣化などです。塗装では改善できないため、部分補修が必要になります。

【不可】パミール・築20年以上の下地劣化|塗っても意味がない

1990年代後半〜2000年代前半に製造されたニチハの「パミール」をはじめ、ノンアスベスト初期のスレート屋根材は耐久性に問題を抱えています。経年劣化によって屋根材がパラパラと剥がれてしまうため、表面を塗装しても根本的な解決にはなりません

また、屋根材の下に敷かれた防水シートの寿命は20〜30年程度とされています。築20年以上経過している屋根では、防水シートを含めた下地材が劣化している可能性があります。表面だけ塗装しても雨漏りは防げません。

いずれの場合も塗装ではなくカバー工法か葺き替えが必要になるため、まずはリフォーム会社に現地調査を依頼しましょう。

スレート屋根の劣化サインと放置による影響

屋根塗装の必要性を判断するうえで重要なのが、屋根の劣化サインです。

ここでは、劣化のセルフチェック方法と放置した際に起こるリスクについて解説します。

  • 自分で確認できる劣化サイン一覧
  • 劣化を放置すると発生する主なトラブル

自分で確認できる劣化サイン一覧

屋根塗装が必要かどうかは、屋根に現れる劣化サインから判断できます。ただし、屋根の症状によっては「塗装だけで解決できるもの」と、「塗装では直らず、事前の補修やカバー工法が必要なもの」があります。

ご自宅の屋根がどの状態にあるか、以下の表でチェックしてみてください。

【塗装で解決できる劣化サイン】

劣化サイン 症状の詳細と状態 必要な対応
色あせ・変色 ・屋根の色が薄く白っぽくなる
・防水性が落ち始めている
・緊急性は低い
そろそろ塗装の検討時期
チョーキング ・屋根を触ると白い粉が手につく
・防水機能がほぼ失われている
塗装が必要な時期
コケ・カビ・藻 ・屋根が緑色や黒色に変色している
・屋根材が常に湿気を含んでいる
早急に塗装が必要

【塗装だけでは直らない劣化サイン】

劣化サイン 症状の詳細と状態 必要な対応
ひび割れ(クラック) ・屋根材にヒビが入っている
・放置すると割れて雨が侵入する
専用材でのひび割れ補修が必要
板金の浮き・釘抜け ・棟板金が浮いている
・強風で板金が飛ばされる
・雨漏りの原因になる
釘の打ち直しや板金交換が必要
屋根材の反り・欠け ・スレートが反って隙間がある
・屋根材自体の寿命が近い
カバー工法や葺き替えが必要

これらの症状が出ている場合、上からペンキを塗っても雨漏りは防げません。塗装の前に「部分補修」をするか、カバー工法・葺き替えなどの別工事が必要になります。

劣化を放置すると発生する主なトラブル

屋根の劣化を「まだ大丈夫だろう」と放置すると、数十万円の塗装で済んだはずが、数百万円の修繕費に膨れ上がるケースもあります。

具体的には、以下のようなトラブルにつながります。

発生するトラブル なぜ起こるのか 放置するリスク
雨漏り ・防水切れで屋根材が雨水を吸収
・下の防水シートまで劣化
・天井や壁のシミ、カビ発生
・内装の張替え代(数十万円)が追加
下地・柱の腐食(シロアリ被害) ・侵入した雨水で屋根裏の木材が腐敗
・湿った木材にシロアリが繁殖
・家の耐震性が著しく低下
・全面葺き替え(150万円〜)
屋根材・板金の飛散 ・ひび割れや反りで固定用の釘が浮く
・隙間に台風などの強風が吹き込む
・飛んだ屋根材が近隣の家や車を直撃
・損害賠償やご近所トラブルへの発展

「塗装で済む段階」なのか「すでに内部まで傷んでいるか」は地上からは判断できません。被害が表面化して高額な出費になる前に、リフォーム会社へ点検を依頼しましょう

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屋根の状態で変わるメンテナンス方法|塗装・カバー工法・葺き替えの判断

屋根のメンテナンス方法には、大きく分けて以下の3つがあります。

  • 軽度の劣化なら「塗装」
  • 劣化が進んだ屋根は「カバー工法」
  • 下地まで傷んでいる場合は「葺き替え」

軽度の劣化なら「塗装」

屋根材の劣化が軽度であれば、塗装によるメンテナンスが有効です。

塗装で対応できる主な劣化は、以下のとおりです。

  • 色あせ
  • コケや藻の発生
  • 軽度のひび割れ

これらの症状は塗膜の劣化によって起こることが多く、塗装をすると屋根表面の防水性能を回復できます。

塗装は屋根のメンテナンス方法の中では比較的費用を抑えられる工事です。ただし、スレート屋根の場合、2回目以降の塗装はおすすめできません。1回目の塗装効果が切れる頃には屋根材自体の劣化も進むため、カバー工法への切り替えを検討してください。

劣化が進んだ屋根は「カバー工法」

屋根材のひび割れや反りが進行し、塗装では防水機能が回復できない場合は「カバー工法(重ね葺き)」が選ばれます。

カバー工法は既存の屋根を撤去せず、上から新しい防水シートと屋根材を被せる工法です。現在のリフォームでは、「スレート屋根」の上に、サビに強く非常に軽量な「ガルバリウム鋼板」を被せる組み合わせが一般的です。

カバー工法には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
・費用と工期を抑えられる
・断熱性・遮音性がアップする
・長期的なコスト削減ができる
・屋根がわずかに重くなる
・下地が腐食していると施工できない

※ただしガルバリウム鋼板は非常に軽いため、耐震性への影響はほぼありません。

「塗装で済むか」「カバー工法が必要か」は、表面だけでなく下地の状態によって決まります。そのため、屋根に上って現状を正確に診断してくれる優良会社に見極めてもらうのが大切です。

下地まで傷んでいる場合は「葺き替え」

屋根の下地まで腐食が進行し、すでに雨漏りしている場合は、「葺き替え(ふきかえ)」が必要になります。既存の屋根材と下地をすべて撤去し、新しい屋根を作り直す工事です。

葺き替え工事には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
・新築同然の性能になる
・雨漏りの原因を根本から解決できる
・軽量な金属屋根に変えると耐震性が上がる
・最も費用が高く工期も長い
・既存屋根の解体、処分費が上乗せされる
・アスベスト入りの処分はさらに高くなる

また、スレート屋根の葺き替えは、家を建てた年代によって注意が必要です。

年代 注意点
2004年以前(築20年以上) ・アスベストが含まれている可能性あり
・高額な特別処分費がかかる
1996年〜2008年頃(築15年以上) ・初期のノンアスベスト屋根(パミール等)の可能性あり
・ボロボロ剥がれるため塗装ができない
・カバー工法か葺き替えが必須

ご自宅が2008年以降に建てられた住宅であれば、品質が安定した改良版の屋根材が使われています。アスベストの高額な処分費も、パミールのような異常な剥がれも心配ありません。

もし飛び込み業者から「お宅の屋根は昔の粗悪な素材だから、今すぐ葺き替えないとヤバいですよ!」と煽られた場合は、知識不足か悪徳業者の可能性が高いです。別の優良会社に診断を依頼してください。

屋根塗装の費用相場|工法でどれくらい変わる?

屋根のメンテナンス費用は、工法によって異なります。まず相場を把握しておくと、施工会社の見積もりが適正かどうか、自分で判断しやすくなるでしょう。

一般的な2階建て住宅(延床面積30坪・屋根面積約70〜80㎡)を想定した具体的な費用相場は、次のとおりです。

  • 塗装|40〜80万円
  • カバー工法|100〜200万円
  • 葺き替え|150〜250万円以上

塗装|40〜80万円

屋根塗装の総額目安は、40〜80万円です。

金額の幅は、使用する塗料のグレード・屋根の面積・屋根の形状によって決まります。

主な費用の内訳は、以下のとおりです。

項目 費用の目安 備考
足場設置費
(飛散防止ネット含む)
15〜20万円 建物の外周の大きさによって金額が変わる
高圧洗浄費 2〜3万円 汚れ・コケ・古い塗膜を除去する
下地補修・縁切り 3〜7万円 ひび割れ補修、タスペーサー設置など
塗装費(3回塗り) 20〜50万円 下塗り・中塗り・上塗りの合計
合計 40〜80万円

カバー工法|100〜200万円

カバー工法の総額目安は100〜200万円です。

既存の屋根材を撤去しないため廃材処分費が不要で、葺き替えより費用を抑えられます。使用する屋根材の種類によって費用が変動します。

主な費用の内訳は、以下のとおりです。

項目 費用の目安 備考
足場設置費(飛散防止ネット含む) 15〜20万円 建物の外周の大きさによって金額が変わる
新規防水シート施工 5〜15万円 雨水の浸入を防ぐルーフィング材を施工する
新規屋根材施工 70〜150万円 屋根材の種類・面積によって金額が変わる
棟板金・その他板金工事 10〜15万円 板金の交換・取り付けなど
合計 100〜200万円

葺き替え|150〜250万円以上

葺き替え工事の総額目安は150〜250万円以上です。

主な費用の内訳は、以下のとおりです。

項目 費用の目安 備考
足場設置費(飛散防止ネット含む) 15〜20万円 建物の外周の大きさによって金額が変わる。
既存屋根材の撤去・処分費 20〜40万円 アスベストを含む場合は処分費が別途かかる
新規防水シート・野地板施工 15〜30万円 野地板の状態によって金額が変わる
新規屋根材施工 100〜160万円 屋根材の種類・面積によって金額が変わる
合計 150〜250万円

使用する屋根材によっても費用が変わります。

屋根材 費用の目安 特徴
ガルバリウム鋼板 150〜200万円 軽量・耐久性が高い
スレート 150〜180万円 コストパフォーマンスに優れる
瓦(和瓦) 200〜250万円以上 耐久性が最も高い

アスベストが含まれていた場合、処分費がさらに高くなります。葺き替えを検討する前に、アスベストの有無を必ず調査してください

屋根塗装の費用を安く抑えるコツ3選

屋根塗装の費用は決して安くないため、できるだけ費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。

本章では、工事の品質を落とさずに費用を抑えるコツを3つ紹介します。

  • 外壁塗装とセットで足場代を節約する
  • 自治体の助成金・補助金を活用する
  • 地元のリフォーム会社に依頼して中間マージンをカットする

外壁塗装とセットで足場代を節約する

屋根塗装と外壁塗装を同時に施工すると、足場費用を1回分に抑えられます。
足場費用は15〜25万円程度かかるため、同時に施工すると大きな節約になります。屋根と外壁のメンテナンス時期は重なることが多いため、外壁塗装の時期が近い場合はまとめて発注するのを検討しましょう。

自治体の助成金・補助金を活用する

自治体によっては、住宅リフォームや省エネ改修の一環として助成金・補助金を利用できる場合があります。

補助金・助成金の種類 対象となる条件
省エネリフォーム補助金 「遮熱塗料」や「断熱塗料」を使用する場合
住宅リフォーム助成 地元の施工会社を利用する場合
子育て・三世代同居支援 多世帯同居のためのリフォームの一環

なお、補助額は自治体によって異なります。工事着工前の申請が条件になるケースがほとんどのため、見積もり段階で施工会社か居住自治体の窓口に確認してください

地元のリフォーム会社に依頼して中間マージンをカットする

屋根塗装の費用を抑えるコツの一つが、地元のリフォーム会社への直接依頼です。

大手リフォーム会社やハウスメーカーは下請けに外注するケースがあるため、中間マージンが発生し工事費用が割高になる場合があります。地元のリフォーム会社へ直接依頼すれば、中間マージンをカットできます。

また、地域密着型のリフォーム会社は丁寧な施工やアフター対応を重視しており、施工後のトラブルにも迅速に対応してもらえる点もメリットです。

ただし、リフォーム会社によって技術力やサービス内容には差があるため、見積もりや施工実績を確認して信頼できる会社を選びましょう

屋根塗装で使われる塗料の違い

代表的な4つの塗料グレードについて、特徴とコストパフォーマンスを以下で解説します。

  • シリコン塗料|コストパフォーマンスに優れる
  • ラジカル塗料|価格と耐久性のバランスが良い
  • フッ素塗料|耐久性が高く長持ちする
  • 無機塗料|最も耐久性が高いハイグレード塗料

塗料のグレードが上がるほど耐用年数が延び、初期費用も高くなります。居住年数と予算を基準に選びましょう。

シリコン塗料|コストパフォーマンスに優れる

項目 内容
費用の目安 2,500〜3,500円/㎡
耐用年数 10〜13年
特徴 ・耐久性、耐候性、耐熱性に優れる
・コストパフォーマンスが高い

シリコン塗料はコストパフォーマンスに優れており、住宅の屋根塗装で広く使用されている塗料です。

シリコン塗料にも種類があり、水性か油性か、また1液型か2液型かによって性能が変わります。屋根は外壁よりも過酷な環境にあるため、より耐久性の高い「油性・2液型」のシリコン塗料を選びましょう。

耐用年数は10〜13年程度とされており、費用を抑えて塗装したい方に向いている塗料です。

ラジカル塗料|価格と耐久性のバランスが良い

項目 内容
費用の目安 2,000〜4,500円/㎡
耐用年数 12〜15年
特徴 ・塗膜の劣化原因であるラジカルの発生を抑える
・シリコンとほぼ同じ価格で耐久性が高い

近年、シリコン塗料に代わる選択肢として注目されているのが「ラジカル制御型塗料」です。

塗膜の劣化原因である「ラジカル」という物質の発生を抑える技術が使われています。最大の特徴は、「ほぼ同じ価格でシリコンより耐久性が高い」という点です。

耐用年数は12〜15年程度とされ、屋根塗装でも採用されるケースが増えています。コストパフォーマンスが良く、シリコン塗料と同程度の予算で、より長持ちさせたい方に最適です。

フッ素塗料|耐久性が高く長持ちする

項目 内容
費用の目安 3,000〜5,000円/㎡
耐用年数 15〜20年程度
特徴 ・紫外線、酸性雨、強風に強く長期間塗膜を維持できる
・汚れがつきにくくメンテナンス回数を減らせる

フッ素塗料は、屋根塗装に使用される塗料の中でも耐久性が高い塗料として知られています。

紫外線や雨風による劣化に強く、一般的なシリコン塗料よりも長期間にわたって塗膜を維持できるのが特徴です。耐用年数は15〜20年程度とされており、再塗装までの期間を長くしたい場合に選ばれます。メンテナンス回数を減らしたい住宅や、長期的な維持管理を重視する場合におすすめです。

一方で、シリコン塗料やラジカル塗料と比較すると、塗料の価格はやや高くなる傾向があります。初期費用は高くなるものの、塗り替え回数を減らせるため、長期的なコストを考えて選ぶ方もいます。

無機塗料|最も耐久性が高いハイグレード塗料

項目 内容
費用の目安 3,500〜5,500円/㎡
耐用年数 20年以上
特徴 ・ガラスや石などの無機物を配合した最高ランクの塗料
・紫外線に極めて強くコケや汚れがつきにくい

無機塗料は、ガラスや石などの「無機物」を配合した最高ランクの塗料です。

紫外線に極めて強く、コケや汚れもつきにくいのが特徴です。20年以上の耐久性を誇りますが、塗料自体の費用が高く、施工には高い技術が求められます。導入する際は、無機塗料の施工実績が豊富な施工会社を選びましょう。

「何度も塗装メンテナンスをしたくない」という方や、海沿いで塩害が心配な地域の方に向いている塗料です。

屋根塗装の工程【5ステップ】

屋根塗装は、単に塗料を塗るだけの工事ではありません。正しい工程を守ることが、塗装の耐久性を決めます。

一般的な屋根塗装の流れは、以下の5つのステップです。

  • ステップ1:足場設置・飛散防止ネット張り
  • ステップ2:高圧洗浄と乾燥
  • ステップ3:下地処理と縁切り
  • ステップ4:下塗り・中塗り・上塗り
  • ステップ5:完了検査と足場解体

ステップ1:足場設置・飛散防止ネット張り

屋根は高所での作業になるため、足場の設置は必須です。安定した足場があることで職人が丁寧に施工できるため、仕上がりの品質にも直結します

足場設置後は飛散防止ネットを張り、塗料が近隣住宅や車に付着するのを防ぎます。

ステップ2:高圧洗浄と乾燥

屋根は長年の雨風によって汚れが蓄積しており、そのまま塗装すると塗料が密着せず早期に剥がれる原因になります。

高圧洗浄では、屋根表面に付着した汚れやコケ、カビ、古い塗膜などを水圧で洗い流します。洗浄後は水分が残った状態で塗装すると塗膜が剥がれやすくなるため、1〜2日程度しっかり乾燥させましょう

ステップ3:下地処理と縁切り

塗装前には、屋根の状態に応じた下地処理を施します。下地処理は塗装の仕上がりを左右する重要な工程です。

具体的には以下のような作業が含まれます。

  • ひび割れ補修
  • 釘の打ち直し
  • サビの除去
  • コーキング補修

また、スレート屋根の場合は縁切りと呼ばれる作業が必要です。縁切りとは、屋根材の重なり部分に隙間を作り、雨水の排出を確保するための作業です。縁切りをしないと、屋根内部に水が溜まり、雨漏りの原因になることがあります。

ステップ4:下塗り・中塗り・上塗り

屋根塗装は通常、3回塗りで施工されます。

各工程の内容は、以下のとおりです。

工程 内容
下塗り ・屋根材と塗料を密着させるためのシーラーを塗る
中塗り ・指定した色の塗料を塗る
上塗り ・中塗りと同じ塗料を重ねて塗る
・耐久性と美観を備えた塗膜に仕上げる工程

塗装回数を減らすと塗膜が薄くなり、耐用年数が短くなります。必ず見積書に3回塗りが記載されているか確認してください。

ステップ5:完了検査と足場解体

塗装完了後は、塗り残しやムラがないか仕上がりをチェックします。

施工会社によっては施工写真を提出してくれる場合もあり、見えない部分の施工状況まで把握できます。問題がなければ足場を解体して工事完了です。

一般的な戸建て住宅の場合、屋根塗装の工期は7〜10日程度が目安です。

【DIY】自分で屋根塗装をしてはいけない理由3つ

屋根塗装は専門的な技術と安全対策が必要な工事であり、一般の方にはおすすめできません。

自分で屋根塗装をしてはいけない理由は、次の3つです。

  • 高所作業による転落リスク
  • 知識不足で雨漏りを誘発するリスク
  • 失敗後のやり直しで費用が割高になるリスク

高所作業による転落リスク

屋根塗装は高所での作業になるため、転落事故の危険があります。

屋根の上は急勾配で滑りやすく、慣れていない状態での作業は危険です。実際に屋根からの転落は、住宅工事における死亡事故の主な原因の一つになっています。

安全対策として足場や安全帯が必要ですが、個人で準備するのは現実的ではありません。安全面からも、屋根塗装はリフォーム会社に依頼してください。

知識不足で雨漏りを誘発するリスク

屋根塗装には、縁切りや下地処理といった専門的な施工が必要です。

縁切りをせずに塗料で隙間を埋めてしまうと雨水の逃げ場がなくなり、下地処理が不十分だと塗膜が早期に剥がれます。
十分な知識がないまま施工すると、雨漏りにつながるリスクが高まります

失敗後のやり直しで費用が割高になるリスク

DIYで失敗した屋根を後からプロに直してもらう場合、既存塗膜の除去と下地の再処理が必要になるため、通常の塗装より費用が高くなります。

余計な費用と手間を避けるためにも、屋根塗装は最初からリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。

屋根塗装が得意な会社をご紹介!

屋根塗装で優良会社の見極め方|判断基準5つ

屋根塗装で失敗する原因の多くは、施工会社選びにあります。優良な会社を選ばないと、施工不良や高額請求といったトラブルに直結します。

契約前にチェックすべき優良会社の判断基準は、以下の5つです。

  • 築年数・屋根の状態に合った工法を提案する業者か
  • 「一式」表記でなく下地処理・縁切りが明記されているか
  • 塗料のメーカー・商品名・3回塗りが記載されているか
  • 「足場無料」「今日契約で半額」などの大幅値引きがないか
  • 現地調査・デメリットの説明・保証の書面提示があるか

築年数・屋根の状態に合った工法を提案する業者か

優良な会社は、屋根の状態を現地調査したうえで、最適な工法を提案します

例えば、屋根の劣化が進んでいる場合には、塗装ではなくカバー工法や葺き替えを提案してくれます。反対に、屋根の状態を確認もせずに「とりあえず塗装しましょう」と提案する施工会社には注意しましょう。

「一式」表記でなく下地処理・縁切りが明記されているか

屋根塗装の見積書を見る際は、「屋根塗装一式」という表記だけになっていないか必ず確認してください。一式表記の場合、具体的な施工内容が分からず、本来必要な工程が含まれていない可能性があります。

例えば、屋根塗装では以下のような工程が重要です。

  • 高圧洗浄
  • 下地補修
  • 縁切り

見積書に工程が記載されていれば、施工内容を事前に把握でき、手抜き工事を防ぐ判断材料になります

塗料のメーカー・商品名・3回塗りが記載されているか

屋根塗装では、どの塗料を使用するかによって耐久性や仕上がりが変わります。同じシリコン塗料でもメーカーや製品によって性能が異なるため、塗料のメーカー名と商品名が記載されているか確認してください。

また、屋根塗装は通常3回塗りで施工されるため、塗装回数の記載がない場合は手抜き工事のリスクがあります。

塗料の詳細や施工回数がきちんと見積書に書かれているかどうかは、施工品質に責任を持つ会社を見極める判断基準になります。

「足場無料」「今日契約で半額」などの大幅値引きがないか

屋根塗装の営業では、「足場無料」や「今日契約すれば半額」といった大幅値引きを提案されることがあります。

屋根塗装には足場設置や材料費などのコストがかかるため、本来大幅な値引きは簡単ではありません。最初から高い価格を提示しておき、値引きを装って契約を促すケースもあります。

また、急いで契約を迫る施工会社は、冷静に比較検討する時間を与えないことが目的の場合もあります。価格だけでなく工事内容や保証内容を含めて、必ず複数社を比較してから判断してください

現地調査・デメリットの説明・保証の書面提示があるか

優良な会社は、契約前に必ず現地調査を行います。実際に屋根の状態を確認し、適切な工法や必要な補修内容を判断するためです。

また、工事のメリットだけでなく、デメリットや注意点についても説明してくれる施工会社は信頼性が高いといえます。例えば、「下地の劣化状況によっては塗装ではなくカバー工法が必要になる可能性がある」といった説明をしてくれる会社は、誠実な対応をしている証拠です。

さらに、保証内容についても書面で提示してくれるかも確認しましょう。

現地調査・工事内容・保証内容などの対応が丁寧な会社を選ぶのが、屋根塗装で失敗しないための重要なポイントです。

契約前に必ずやること3選

屋根塗装は数十万円以上かかる高額な工事のため、契約前に以下の3点を必ず確認しましょう。

  • 値引き額より「必要な工程が入っているか」で判断する
  • 複数社で見積もりを取り、相場を把握する
  • 工事内容・塗料・保証を横並びで比較する

適正価格と正しい工程を見極めるには、複数社での横並び比較が大切です。ただし、比較する業者の中に手抜き工事をするような会社が混ざっていては、比較自体が意味をなしません。

「リフォトル」では、屋根塗装に精通したTOPPANの審査基準をクリアした優良な会社のみを最大4社までご紹介します。最初から質の高い会社だけが揃っているため、価格・使用塗料・保証内容を安心して比較検討していただけます。

全て無料でご利用いただけます。まずはお気軽にご相談ください。

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屋根塗装でよくある質問

屋根塗装に火災保険は適用される?

屋根の塗装に火災保険が適用されるかどうかは、状況によって異なります。

経年劣化やメンテナンス目的の塗装には適用されません。ただし、台風などの災害で屋根が破損した場合は、原状復旧のための補修工事として適用される場合があります。

保険の適用条件は契約内容によって異なるため、事前に保険会社へ確認してください

屋根塗装の工期はどれくらいかかる?

一般的な戸建て住宅の場合、7〜12日程度が目安です。

工事の流れとしては、足場設置→高圧洗浄→下地処理→塗装→完了検査の順で進みます。また、塗料の乾燥時間を確保する必要があるため、最低でも7日程度は必要です。

屋根塗装の「保証期間」は何年が目安?長すぎる保証は嘘?

塗料の種類にもよりますが、施工店保証(工事保証)は5〜10年が一般的です。

耐久性の高い塗料を使用した場合は、保証期間が長く設定されることもあります。ただし、極端に長い保証を提示する場合には注意が必要です。

例えば「20年保証」などの長期間保証の場合、保証対象が限定されているケースもあります。契約前には保証書の内容を確認し、不明点があれば説明を求めましょう。

まとめ|屋根塗装が必要か判断して長持ちするメンテナンスを選択しよう

屋根塗装は、築10〜15年のスレート・金属屋根・セメント瓦の防水性を回復させる有効なメンテナンスです。

ただし、築20年以上の屋根や2回目の塗装、ノンアスベスト初期のスレート屋根には塗装ではなくカバー工法や葺き替えが必要です。

まずはプロのリフォーム会社に現地調査を依頼し、屋根の状態を診断してもらいましょう。適切なメンテナンスを選ぶことで、雨漏りなどのトラブルを防ぎ、将来の修繕コストを抑えられます。

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執筆者

羽柴 文吾

福岡県在住の兼業ライター。住宅資材の総合商社にて、新建材の営業から各種工事の施工補助まで幅広く経験。現在はエネルギー関連事業に従事している。丙種ガス主任技術者と第二種電気工事士の資格を保有。豊富な現場経験と専門知識を活かし、暮らしに役立つ情報を発信している。
趣味はNetflix鑑賞。

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