コロナ禍を乗り越えて、旅行やインバウンド需要が高まる中、最新のホテルインテリア傾向をC-lab.が独自で行なっているCDW(Commercial Design Wave=商業施設に関するデザイントレンド調査)の分析結果から考察しお届けします。
皆さんにとって「ホテル」とは、どのような場所でしょうか。
家族旅行でゆっくりと過ごし、家では味わうことのできない非日常的な空間を体験できる場所、友達とホテルのラウンジでアフタヌーンティーを楽しみ、インスタ映えする写真が撮れるスポットのような場所、もしくは、出張の際に十分な休息がとれる場所として考えている人もいるのではないでしょうか。利用者によって様々な価値観があるホテルですが、旅の体験や宿泊する快適さに大きな影響をもたらすのがホテルのインテリアだとC-lab.は考えます。
利用者の体験価値を高める最新のホテルインテリア傾向をCDWの分析結果から2つご紹介します。
まず、1つめはSNSとホテルインテリアの関係です。
コロナ禍以降、更に浸透した InstagramをはじめとするSNSを通じて、いままで簡単に得られなかったアート分野の情報が手軽に得られるようになりました。それにより、SNS利用者のアートに関する感度が高まりつつあります。これらSNS利用者のニーズに応えるように、ホテルのインテリアもコンセプチュアルなものが増加している傾向にあります。例えば、プロジェクションマッピングを用いてロビーの壁面を飾る手法や、独自のコンセプトやブランドからイメージしたアートを飾る空間が見受けられました。またそれらのデザインをグッズ化し販売する事も特長です。このようなオリジナリティ溢れるインテリアの空間に宿泊し、そこでしか味わえない体験をした利用者が自身のSNSでホテルの情報を拡散し、より多くの方に魅力を認知してもらう、双方に利点のあるアプローチが増加傾向にあります。
もう1つの傾向は、日本文化の魅力を体感できるホテルが増加していると分析します。
その理由として、コロナ禍以降にインバウンド需要が復活した事が影響していると考えます。
インバウンドに人気のあるホテルのインテリアは以下が挙げられます。
・各部屋に様々な和の要素を取り入れたデザインや日本らしい優美な色彩
・自然な風合いを活かしたシンプルなデザイン
・藍染の壁掛けや、和紙を使った照明
このように日本文化や伝統工芸品に触れながら、 快適さと美を演出する空間に宿泊することで実際に自分の目で見て触れて「日本」を体感できるインテリアスタイルがインバウンドに人気の傾向だと考えます。
ホテルインテリアの傾向は、時代やターゲットが変わる事で求められる内容も変化していくことから、コロナ禍を経て観光需要が戻ってきた今後は、今まで以上に独自のコンセプトが打ち出されたホテルや、日本の歴史や文化を伝えるための工夫が施された空間づくりがポイントになると予測します。
そして、利用者がホテルインテリアを通じて得た体験価値は、かけがえのない旅の思い出として記憶に残るのではないでしょうか。
今回はCDW(Commercial Design Wave=商業施設に関するデザイントレンド調査)より最新のホテルインテリア傾向をお送りいたしました。CDWは他にも商業施設に関する様々な調査データ、分析結果、考察をご用意しております。
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TOPPAN C-lab.(Toppan Creative Laboratory)は、生活空間のサーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
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