ふだん何気なく手に取り、基本の色として当たり前に扱っている白。今回のC-lab.トピックスは、身の回りにある白の色味に注目し、「心地よい白」を考察しました。
「白亜の豪邸」という言葉を聞いたことはありますか?
大きく立派な白い建築のこと、とは分かっていても、白亜の「亜」が何を意味するのか、知らないまま使われることが多いかもしれません。「亜」とは「土」を表し、古い漢字では「亞」と書きます。さらに調べてみると、「堊(あ)」という字が出てきます。「堊」とは一体、何でしょうか。「堊」は、「壁などに塗るための白い土。しっくい。」を表します。先の「白亜」は、「白堊」とも書くようです。
しっくいは、水や火に強いことから、古来、神社仏閣や城郭の壁面仕上げに用いられましたが、原料となる石灰が貴重で調達が難しく、施工に大変な手間がかかるため、一般庶民には手の届かないものでした。「白亜」が豪華な建築仕上げの象徴とされるように、白い壁は元々、特別なものだったと言えます。
身の回りにおいても、「白」は欠かすことの出来ない「基本の色」です。例えば「白シャツ」。ワードローブの基本アイテムとして、ファッションへの関心度に関係なく、多くの方が1着は持っていらっしゃるのではないでしょうか。フォーマル、カジュアル、どちらのイメージにおいても清潔感があり、様々なシーンに対応できるスタンダードアイテムであり、メーカーではシーズン毎に細かなアップデートを行い、その情報はファッション関連メディアでいち早く取り上げられ、注目を集めます。
その他、ホームファブリックや食器など、生活に欠かせないプロダクトの数々は「白」が基本の色となっています。インテリアでは、部屋全体を白系でそろえる「ホワイトインテリア」というコーディネートもあります。
ひと口に「白」と言っても、注意深く見ると、素材によって少しずつ色味が異なることに気が付きます。C-lab.では、人々が暮らしの中で親しんできた、インテリアにまつわる「白い素材」の色味を計測し、データをストックしてまいりました。しっくい、和紙、絹、綿などの天然素材から、床材、ドア、壁紙など工業製品まで。C-lab. がストックしている「白」に関する測色データ「ホワイトコレクション」から、一部をご紹介いたします。
天然素材の白。工業製品の白。「なじみある素材の白」は「意識しない」「ストレスを感じない」ということ。それは、「ここちよさ」に繋がるのではないでしょうか。プロダクト開発において、身近に慣れ親しんだ素材の「白」の色味を知り、それとの関係性を考慮することは、人に寄り添い、人に優しいものづくりへ繋がるとC-lab.は考えます。より心地よい暮らしの実現に向けて、皆様の商品開発、カラー設定の一助に、C-lab.「ホワイトコレクション」をお役立て下さい。異なる素材同士の比較や、新たに企画される商品の「白」の設定のご相談も承ります。お問い合せは、下記-Contact-までご連絡下さい。
TOPPAN C-lab.(Toppan Creative Laboratory)は、生活空間のサーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
C-lab. Top ContactC-lab.は、サーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
大きな強みは、永年培ってきた調査・分析力と、CMF+Pをベースとしたものづくりへのゆるぎないこだわり、そして独自の調査データに基づくトータルな提案力です。
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