近年、自宅で過ごす時間が増え、生活者は住空間にこだわりを持つようになっています。そこでTOPPAN のC-lab.では、暮らし方への生活者志向を理解するためにInstagramを中心にSNS調査を実施しました。今回は「#丁寧な暮らし」のトレンドに焦点を当てながら、調査で明らかになったニーズやライフスタイル「#丁寧な暮らし」に合わせた製品開発へのアプローチを紹介します。
【モノづくりでは生活者志向を知ることが重要】
自宅で過ごす時間が増えた昨今、「住空間を居心地良くしたい」とのニーズから、「住空間」でどのように過ごすか、ライフスタイルにこだわる生活者が増えています。住空間の満足度を高めるには、インテリアの色やテイストに統一感を持たせることが大切です。住宅建築や家電、自動車など、生活に関わる製品開発でも、インテリアやファッションに使うアイテムの色やテイストとのバランスを考えるとよいでしょう。製品デザインだけで考えると空間の印象がちぐはぐになりやすく注意が必要です。 ライフスタイルへの生活者のこだわりを理解して、住宅建築や家電、自動車などのモノづくりに活かしましょう。商品企画などにお困りの場合は是非お気軽にお問合せください。
C-lab.が実施した暮らし方への生活者志向に関するSNS調査で、住空間や戸建て住宅に関する投稿では、「#丁寧な暮らし」というハッシュタグが多く使われている事がわかりました。ユーザーは忙しさのなかでも「#丁寧な暮らし」を望んでいる点が明らかになりました。「#丁寧な暮らし」とは、日常の何気ないことに時間や手間をかけて向き合う暮らしです。以下は、SNSで見られるハッシュタグ「#丁寧な暮らし」を使った投稿の内容の例です。
・キッチンで過ごす時間の充実
・掃除や洗濯道具へのこだわり
・四季を楽しむ余裕をもつこと
家事は、慣れた手つきやいつもの道具でルーチン的に済ませるのが一般的です。しかし「#丁寧な暮らし」では、何気ない習慣でも工程やアイテムに心を込めて向き合い楽しみます。また、旬の食材や植物で季節を感じるのも「#丁寧な暮らし」の実践方法の一つです。
【「#丁寧な暮らし」が注目される背景】
近年は時代変化の加速の反動で、ゆったりした生活への憧れが高まっています。従来、人々は他人のプライベート空間を垣間見ることはできませんでした。しかし、SNS利用の拡大で、誰もが他人のプライベート空間を見られる時代へと変わりました。充実した暮らしを営む「#丁寧な暮らし」の投稿を見て、ユーザーは憧れを抱きます。ユーザーは「#丁寧な暮らし」の実践しやすい投稿や憧れる投稿に「いいね」で共感を示し、そうした投稿をブックマークし参考にします。
上記の流れから、ライフスタイルのSNS発信が社会的なトレンドを作っていることがわかります。また、生活者は忙しい毎日のなかでも、プライベートでは「#丁寧な暮らし」に憧れていると考察できます。さらに、SNS調査の結果「#丁寧な暮らし」のなかでも多様なライフスタイルがあることがわかりました。
C-lab.ではSNS調査を行ない、ハッシュタグ(#)からライフスタイルのトレンドを分析し、以下の3つに分類しました。
・垢抜けニュートラル
・わがままスタイリッシュ
・きまぐれプリミティブ
それぞれ詳しく解説していきます。
【垢抜けニュートラル】
「垢抜けニュートラル」とはシンプルで洗練されたライフスタイルで、「#お洒落さんとつながりたい」「#北欧インテリア」「#シンプル」などのハッシュタグが使われています。このライフスタイルを発信するユーザーは、子どもを軸に生活しています。しかし、休日は自己メンテナンスや趣味に費やす時間も多く、生活感と華やかさが混在しているのが特徴です。住空間の内装や家具には木目素材を好んで使っています。また、インテリアや子どものおもちゃ、服装など、色味に統一感があるのが魅力的です。色味が統一されているため、子どものものが多く装飾的でもシンプルでまとまって見え、投稿を見たユーザーが憧れを抱きます。
【わがままスタイリッシュ】
「わがままスタイリッシュ」とは、自分の個性や好みを自由に追求したライフスタイルです。「#親子コーデ」「#かぞくじかん」「#DIY」などのハッシュタグが使われています。このライフスタイルを発信するユーザーは、家族はもちろん、夫婦の時間も重視しているのが特徴です。お気に入りのカフェの写真や、家を自分好みにDIYしている様子もSNS投稿からわかります。モダンな印象はありながらも、古い道具に新鮮味を感じる傾向も見られるスタイルです。部屋にアートを飾るなど、独自の空間を演出します。
【きまぐれプリミティブ】
「きまぐれプリミティブ」とは、自然とのつながりやシンプルな暮らしを重視するライフスタイルです。「#花のある暮らし」「#体を整える」「#ナチュラル」などのハッシュタグを使った投稿で見られます。この生活を送るユーザーは、暮らしで自然を感じられるよう家のなかに植物を豊富に置き、輸入雑貨を飾っている場合も多い傾向です。休日にはアウトドアを楽しむユーザーも少なくありません。家のインテリアには、黄色や赤色などの原色を差し色として使用しています。また、身の回りの製品にはフラワーベースなどグリーンを飾るものが豊富にあり、インテリアのアクセントになっているのが特徴的です。
SNS調査から、生活者が多様なライフスタイルを表現しながら「#丁寧な暮らし」を求めていることがわかりました。住宅建築や家電、自動車などの製品開発で訴求力を高めるには、「#丁寧な暮らし」を意識することが重要です。「#丁寧な暮らし」では、必要なものにこだわり、家族や自分自身を大切にし、無駄を省いた生活に豊かさを感じます。身の回りの品を繰り返し大切に使うことから、「#丁寧な暮らし」は資源や環境保全と自然に結び付きます。省エネルギー家電やリサイクル資材で作られた製品など、エコフレンドリーな製品の開発が重要です。 環境負荷を減らす製品は「#丁寧な暮らし」を求める生活者ニーズに合うため、効果的な訴求につながるでしょう。
SNS調査で浮かび上がった「#丁寧な暮らし」のトレンドには、生活者の日常へのこだわりや価値観が表れています。「#丁寧な暮らし」への志向を反映させれば、生活者が共感し市場で差別化できる製品を開発できるでしょう。
また、C-lab.では2024年最新のSNS調査も実施しております。最新の調査からは「おうち時間も、外出時間もどちらも大切」という思考にシフトしてきている傾向が読み取れました。SNSの投稿を見ていくと、一度きりの人生において「自分が楽しく過ごせること」を自然と求めていることがわかります。また、#(ハッシュタグ)でも各投稿の共通項として「#暮らしを楽しむ」が挙げられていました。トレンドの入れ替わりが激しいSNSだからこそ、今後も継続的に調査分析を行い、商品開発に落とし込む事が大切だと考えております。
更に詳しい2024年最新のSNS調査の情報をお求めの方はこちらからお問い合わせください。
今回のトピックスでは【「#丁寧な暮らし」SNS投稿から見える2024年最新のライフスタイル志向とは?】をお届けしました。是非、商品開発のヒントやデザイン発想にお役立てください。
C-lab.は、生活空間のサーフェスデザインの調査・分析について60年以上の知見を持つデザインファームです。独自の視点で考察を行なうことで、商品開発から空間全体まで、お客さまの課題を解決するコンサルティングを承っております。多角的な調査・分析と独自ノウハウで体系化したデータから次代のデザイントレンドを見出す、C-lab.のソリューション提案の詳細はこちらからご覧ください。
TOPPAN C-lab.(Toppan Creative Laboratory)は、生活空間のサーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
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大きな強みは、永年培ってきた調査・分析力と、CMF+Pをベースとしたものづくりへのゆるぎないこだわり、そして独自の調査データに基づくトータルな提案力です。
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