2014年からスタートし、今年で11回目を迎える北欧のデザインイベントである「3daysofdesign」。毎年6月に行われるこのイベントは、昨年の出展者数が290社程度に対し今年は400社以上と、年を追うごとに確実に盛り上がりを見せています。4月に行われる世界最大級のデザインの祭典であるミラノサローネとはまた一味違う、北欧ならではのデザインに触れることのできる貴重なこのイベントをC-lab.視点でご紹介いたします。
イベントが行われている6月のコペンハーゲンは夏を前にして日が長く、穏やかな気候に包まれる良い季節です。今年は雨が多く少し残念でしたが、街中を自転車で颯爽と駆け抜ける現地の人の姿も多くみられました。空気の澄んだ北欧ならではの爽やかな雰囲気の中で行われるというのもこのイベントの人気が高まっている理由の一つかもしれません。
名作家具の中にはデンマークのデザイナーやブランドが手がけたものが数多くありますが、最近では北欧ブランドの多くがミラノサローネではなく、この3daysofdesignに発表の場を移しています。
数多くあるデンマークブランドの力の入った展示を観られるのも3daysofdesignの醍醐味となっています。そのいずれもが北欧ブランドならではの洗練された色使いとマテリアルに溢れており、ミラノで発表される重厚感のある煌びやかな世界観とはまた違って、洗練された中にもどこか親しみを感じられるような空気が漂っていました。
日本でも最近ではジャパンディといわれる北欧にインスパイアされたインテリアがトレンドとなっています。北欧のライフスタイルやインテリアは等身大の暮らしを演出するもので、日本の暮らしにも取り入れやすく、注目度の高い展示会となっています。
ショールームでの展示と共に、AUDOレジデンスとして実際に宿泊できる施設をイベントに合わせて公開していたAudo。各部屋ごとのカラーパレットや素材の組み合わせが秀逸です。
歴史に残る名作家具を数多く生み出している老舗ブランドのFredericia。今回の展示では家具を作る職人や出来上がる工程に焦点を当てた展示を行っていました。空間自体もリネンの素材に包まれて、自然光の降り注ぐ柔らかな雰囲気。
TOPPANのC-lab.では、ミラノサローネをはじめ、海外の展示会に関するレポートやトレンド分析情報を多数取り揃えています。今回の3daysofdesignを含め、より詳しい情報をお求めの方は下記バナーからお気軽にお問い合わせください。
今回の3dayofdesignで特に目についたマテリアルはコーヒー殻や木端材など様々な廃材や環境配慮素材を利用したサステナブルマテリアルでした。
サステナブルへの意識が特に高い北欧では実用ベースでもその取り組みが広がっており、そこで使われる素材はどれも独特な質感を持った魅力的なものばかりです。
デンマークの家具ブランドmaterから発表されていたPatricia UrquiolaによるAlder Collection。生分解性プラスチックと天然繊維をプレスして作られたmaketと呼ばれる素材は、一見するとライムストーンやテラコッタのような表情を持っており、削り出しで作られたかのような塊感が素材の質感とマッチしていました。
デンマークの高級テキスタイルメーカーとフィンランドのマリメッコが協業して発表していた新作バッグ。70%以上をフランス産のヘンプ素材からなる環境配慮素材Vireoを使用しており、レザーのような厚みをもった素材です。
もう一つのマテリアルとして今改めて新鮮さを感じたものが、パインやダグラスファーなどの針葉樹の素材でした。フィンランド国内産のパイン材を使用することにこだわったブランドや、大胆なダグラスファーの素材をミニマルに仕上げたメーカーなど、日本でも馴染みある針葉樹が最先端の北欧デザインの中において輝きを放っていました。
建築家のジョン・ポーソンと共同で作り上げたコレクションの展示を行っていたデンマークのフローリングメーカーDinesen。大胆な表情をもったダグラスファーの素材をホワイト塗装によってクリーン、かつミニマルに仕上げられています。
フィンランド国内のパイン材を使い、フィンランド国内で製造するといった、一貫した地域性にこだわった家具ブランドであるVaarnii。一見すると野暮ったさも感じるパイン材もロナン・ブルレックやフェイ・トゥーグッドなど一線で活躍するデザイナーを数多く起用することで、現代的なデザインに昇華されています。
以上が今年の3daysofdesignで見られた注目のブランドやマテリアルのご紹介でした。その他にも 今回ご紹介したのはその中のほんの一部ですのでより詳しく深掘りした内容を知りたい方は、ぜひ下記のcontactからお気軽にお問い合わせください。
TOPPAN C-lab.(Toppan Creative Laboratory)は、生活空間のサーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
C-lab. Top ContactC-lab.は、サーフェスデザインをベースに調査・分析を行い、製品開発から空間全体のソリューション提案を行うデザインファームです。
大きな強みは、永年培ってきた調査・分析力と、CMF+Pをベースとしたものづくりへのゆるぎないこだわり、そして独自の調査データに基づくトータルな提案力です。
デザインに関する課題に対して、まずはご相談ください。