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セラミックタイルの見本市 CERSAIE 2024トレンドレポート

9月末のイタリアは、夏の名残と秋の始まりが調和する、美しい季節です。
街並みのカフェでは、訪れる人々が温かいエスプレッソと共にこの季節を楽しむ姿が見られます。

そんな季節のうつろいを感じる中、今年もイタリア/ボローニャ(Bologna)のイベント会場BolognaFiereにて世界最大規模を誇るセラミックタイルの見本市であるCERSAIE(チェルサイエ)が開催されました。

今回のC-lab.トピックスでは昨年に引き続き『CERSAIE2024』のレポートとして、セラミックタイルや水まわり(キッチン、バスルーム等)に関わる最先端のデザインが集う会場で、筆者が注目したトレンド情報をCMF(color・material・finish)の観点からお届けします。

・開催概要
第41回目を迎えた本展示会は、来場者数95,321人を記録し、例年通りの賑わいで開催されました。
出展社数は600社を超え、セラミックタイル業界から332社、バスルーム関連家具から91社、設備・原材料・新素材・サービス活動分野から183社が、イタリア/ボローニャ(Bologna)の地に集結しました。

CERSAIE2024からみるトレンドの兆し

左からABK/Sant'Agostino/Gruppo Romani

今年のCERSAIE2024では空間のコーディネートにおける「コントラスト」が顕著でした。この「コントラスト」とは、単に色の対比だけにとどまらず、色味、素材、質感の対比を巧みに取り入れたものです。

特筆すべきは、このコントラストがただ目立つためのものではなく、全体としての調和を損なわないようにバランスが取られている点です。例えば、温かみのあるナチュラルカラーに、クールな印象を持つカラーやメタルや素材を組み合わせたり、マットなタイルの上に光沢のあるアクセントを添えるなど、洗練されたデザイン手法が目立ちました。
イタリアらしい華やかさを持ちつつも「激しめなコントラスト」を避けつつ、「控えめなアクセント」で全体の空間にリズムを生み出し、その「控えめ」の延長線上に、豊かさや多層性を加えたスタイルが多く見受けられました。このようなアプローチは、日本の空間デザインにも応用しやすい要素といえるでしょう。

さらにアクセントとしてジオメトリックパターンを取り入れて、空間に遊び心を加えながら広がりや奥行きを与えてくれます。

CMFの視点でみるCERSAIE2024

左からSant'Agostino/Mirage/Casalgrande Padana

続いて具体的なマテリアルに注目したCMF(color・material・finish)を一部ご紹介します。
今年注目度の高かったCMF(color・material・finish)は以下の通りでした。

・Color
ベージュやグレー、アイボリーといった控えめでニュートラルな色合いは、昨年に引き続き人気を集めています。
これらのカラーは、視覚的な圧迫感を減らし、占有面積が縮小傾向にある日本の住空間をより広く感じさせ、落ち着きある雰囲気を実現するために重要な要素となっています。
さらに、昨年度も人気を博していテラコッタカラーですが、今年も継続して注目を集めていました。空間に温かみと親しみやすさをもたらします。

写真の椅子の貼り地に使用されているアースカラーも継続して散見されたため、一過性のトレンドではなく長期的に需要のあるカラーとも言えます。

Gruppo Romani
左からGrupoHalcon/LEA

・Material
例年に引き続き画像のようなポスト・モルタルとして人気の砂岩系やライムストーン、そして原産国ならではのホワイト&ブラックマーブルが人気を博していました。
その他にも、今年の新しい兆しとして「オニックス」が使われているケースが増えていますのでご紹介します。オニックス特有のクリアな質感が光を透過させ、照明デザインやアクセントウォールなどに利用され、空間をドラマチックに彩ります。

・Finish
セラミックタイルの製造技術が飛躍的に向上し、これまで以上に幅広いデザインが可能となりました。特に大判タイルの開発が進み、従来では実現できなかったスケール感や細部のディテールが実現可能になっています。
今後も技術革新の進展により、デザイン表現の幅がさらに広がることが期待されています。

左からPetra antiqua/RAK

さらに進化を遂げるセラミックタイル業界

以上が第41回CERSAIEから注目のトレンド情報をお届けしました。
セラミックタイルは多彩なデザインを活かして住宅だけでなく商業施設の空間にも使用されています。

さらに、同じくイタリアにて毎年4月に開催されています「ミラノサローネ」の情報が掲載された<ミラノサローネレポート>も現在絶賛販売中です。CERSAIE2024のトレンド情報と合わせてご覧いただけますとインテリアのトレンドをより理解できます。また、2025年のミラノサローネの下準備としても是非お求めください。

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