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2025年の終わりに読み解く 高所得者層ライフスタイルの変化と、これからの「住まい価値」

2025年も終わりを迎えようとしています。
この一年、住宅・建設業界を取り巻く環境は、原材料価格、労務、人材不足、そして顧客ニーズの高度化など、複雑さを増してきました。
C-labではこうした変化を捉えるため、高所得者層のライフスタイル・価値観・住まいに対する意識を調査・分析し、「高所得者層ライフスタイルレポート」をまとめています。
年末の節目として、本コラムではその調査結果から見えてきた住まい・空間づくりにおける重要な示唆を振り返ります。

「幸せ」の定義が示す、高所得者層の本質的価値観

調査でまず特徴的だったのは、
高所得者層が「幸せを感じる瞬間」として挙げたのが、
「効率よく物事を進められた時」
「納得いくまで仕上げられた時」
であった点です。

これは、経済的な安定が前提として満たされている層において、幸福感の源泉が「快適さ」や「安心」ではなく、自己効力感や成果の質に移行していることを示しています。

住まいも同様に、単なる癒しの空間ではなく、時間効率を高め、思考や行動の質を支える“拠点”としての役割が強く求められています。

住まいは「暮らす場所」から「パフォーマンスを高める場所」へ

住居に関する意識では、
高所得者層は「利便性」「機能性」「効率的な使い方」を重視し、
賃貸よりも持ち家志向が強い傾向が見られました。

注目すべきは、
「部屋数は多くなくてもよいが、広さや質は重視する」
という価値観です。

これは、
・無駄な空間を持たない
・一つひとつの空間の完成度を高める
という考え方であり、
今後の住宅設計・建材提案における重要なヒントとなります。

2020年以降に加速した「バランス志向」

コロナ禍以降、高所得者層の価値観は明確に変化しました。
調査では、
・ワークライフバランス
・心身の健康
への関心が大きく高まっています。

在宅勤務の定着により、住まいは
「仕事と生活を切り替える場所」
「集中とリラックスを両立する場所」
としての役割を担うようになりました。

この変化は、
設備・建材・インテリアにおいても、
機能 × 心理的快適性
という二軸での提案が求められていることを示しています。

10年後を見据えた価値観 ― AIとサステナビリティ

将来の暮らしに関する設問では、
「AIを活用した生活支援」
「再生可能エネルギーの普及」
への関心が高く表れ提醒ています。

高所得者層は、
エンターテインメント性よりも、生活の質と効率を高めるテクノロジーに価値を見出しています。

住宅・設備分野においても、
・見せる技術
・話題性
ではなく、日常をどれだけ合理的に、持続可能に支えられるかが評価軸になっていくと考えられます。

インテリアに求められるのは「非日常の安息」

一方で興味深いのが、
効率を重視する日常とは対照的に、
住空間のインテリアでは
「ナチュラル/ライト」
「ソフトモダン」
「オーセンティック」
といった、落ち着きと居心地の良さが支持されている点です。

これは、
合理的な日常から解放される精神的な余白としての住まい
を求める心理の表れといえます。

機能性と効率性を前提としながら、
最終的には
「帰りたくなる空間」
「長く住み続けたい空間」
であることが重要になっています。

年末に考える、来期の住まい提案に向けて

2025年の調査結果を振り返ると、
高所得者層の住まいに対する価値観は、
・効率と納得感
・家族との時間
・長く使える本質的な価値
・技術とサステナビリティ
・心理的な安らぎ
という複合的な要素で構成されていることがわかります。

年末は、こうした変化を整理し、来期の製品開発・空間提案・マーケティングを再設計する絶好のタイミングです。

C-labでは、今回のレポートを起点に、診断コンテンツや調査データを活用した顧客理解・企画支援を行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

2026年に向けて

2026年に向け、
住まいはますます「個別最適化」されていくでしょう。
そのためには、感覚ではなくデータに基づくインサイトが不可欠です。

C-labは今後も、
ライフスタイル・デザイン・テクノロジーの交点から、住まいと暮らしの未来を読み解いていきます。

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