2025年、C-lab. Topicsで最も読まれたコラムから見えてきたこと
間もなく2025年が終わろうとしています。
C-lab. Topicsでは今年も、住まい・空間・素材・デザインを切り口に、さまざまな記事を発信してきました。
国内外のトレンドレポートから、技術紹介、ライフスタイル調査まで、テーマは多岐にわたりましたが、年末のこのタイミングであらためてアクセスデータを振り返ってみると、読者の関心が向いていた「本質」が浮かび上がってきます。
本記事では、2025年に最も多く読まれたC-lab. TopicsのコラムTOP3を、3位から順に振り返りながら、
2026年に向けて、住まい・建材・空間ビジネスに携わる方が考えるべき視点を整理します。
第3位|ミラノサローネ2025速報
世界のデザインは、どこへ向かっているのか
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https://forest.toppan.com/designtech/clabo/topics/single.html?id=403
第3位にランクインしたのは、世界最大級のデザインイベント「ミラノサローネ2025」の速報レポートでした。
毎年注目度の高いテーマではありますが、2025年は特に「海外の最新動向を知りたい」というニーズが強かったことが、アクセス数からも読み取れます。
記事内で強調されていたのは、単なる造形や装飾のトレンドではありません。
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プロダクト単体ではなく、空間全体・体験全体をどう設計するか
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見た目の新しさよりも、使われ方や過ごし方をどう変えるか
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多様な文化・技術・素材が交差する、ミックス感覚のデザイン
といった、「デザインの役割そのものが変わりつつある」兆しでした。
特に印象的だったのは、
日常と非日常の境界があいまいになっているという視点です。
住宅であっても、店舗であっても、オフィスであっても、「ただ機能する」だけではなく、時間の質をどう高めるかが問われています。
ミラノサローネの記事が多く読まれた背景には、
「世界は今、どこを向いているのか」
「自分たちの仕事は、この流れの中でどう位置づけられるのか」
という、少し引いた視点から考えたいという年末特有の関心があったのかもしれません。
第2位|木目×AIで感性を可視化する
MOKUMETRIXが示す、次のデザインのかたち
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https://forest.toppan.com/designtech/clabo/topics/single.html?id=397
第2位は、C-lab.の取り組みである「MOKUMETRIX」を紹介したコラムでした。
木目に対する「心地よさ」「上質感」「重厚感」といった人の感性を、AIを用いて分析・数値化するこの試みは、技術的な新しさ以上に、業界の課題意識と強く結びついていたことが支持の理由だと考えられます。
住まい・建材・空間の分野では長年、
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なぜこの素材が選ばれるのか
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なぜ似たデザインでも評価が分かれるのか
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なぜ説明しづらい「良さ」が存在するのか
といった問いが、現場に蓄積されてきました。
MOKUMETRIXの記事が多く読まれた背景には、
「感覚や経験だけに頼ることへの限界」と、
「それでも感性をないがしろにはできない」という、二つの思いが共存していることが見えてきます。
2025年は、「感性」と「データ」は対立するものではなく、
掛け合わせることで、より強い説得力を持つ
という考え方が、静かに広がり始めた年だったと言えるでしょう。
第1位|多様化するライフスタイルとインテリアの現在地
「正解がない」時代に、何を拠り所にするのか
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https://forest.toppan.com/designtech/clabo/topics/single.html?id=412
そして2025年、最も読まれたコラムは、
ライフスタイルとインテリアの変化を俯瞰した記事でした。
ミニマル、ナチュラル、モダン、オーセンティック。
一見すると相反するような価値観が、実は同時に支持されている。
この状況を単なる「流行の乱立」として片づけるのではなく、
なぜ今、このような状態が生まれているのかを丁寧に解きほぐしていた点が、多くの読者の共感を得たのではないでしょうか。
効率を求めながら、癒しも欲しい。
合理性を重視しつつ、自分らしさは譲れない。
2025年は、こうした矛盾を抱えたまま暮らすことが当たり前になった年でした。
このコラムが示していたのは、
「トレンドを当てにいく」ことよりも、
多様性を前提に、どう設計し、どう提案するかという視点の重要性です。
住まい・空間づくりにおいて、
「これが正解」という一つの答えを示すことは、ますます難しくなっています。
だからこそ、背景にある価値観や行動の変化を理解することが、最大の武器になる。
このメッセージが、2025年を通じて最も強く支持されたと言えるでしょう。
2025年の人気コラムに共通していたもの
3位から1位までを振り返ると、共通していたのは、
「流行そのもの」よりも「なぜそうなっているのか」を知りたいという関心でした。
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なぜ世界のデザインはこの方向へ向かっているのか
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なぜ今、感性をデータとして扱う必要があるのか
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なぜライフスタイルはここまで多様化しているのか
2025年は、表面的なトレンド消費から一歩進み、
構造や背景を理解した上で、次を考えたいという姿勢が、確実に広がった一年だったように思います。
そして、2026年へ
「読む」から「使う」へ
こうした関心の高まりは、2026年に向けて一つの問いを投げかけています。
「では、自分たちはどう活かすのか?」
トレンドを知るだけではなく、
調査や分析を「企画」「商品」「空間」「マーケティング」にどう落とし込むのか。
そのフェーズに、業界全体が進みつつあります。
C-lab.では、
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ライフスタイル調査・定量/定性分析
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感性データを活用したコンセプト設計
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診断コンテンツによる顧客理解・可視化
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企画・マーケティングに使えるアウトプット設計
など、「読み物」で終わらせないための支援を行っています。
次の一手を考えるなら、今が最適なタイミングです
年末年始は、
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次年度の戦略を考える
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新しいテーマを仕込む
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これまでのやり方を見直す
絶好のタイミングです。
2025年に多く読まれたコラムが示しているのは、
感性・多様性・技術をどう組み合わせるかという問いです。
その答えを、自社なりの形に落とし込むために。
ぜひ一度、C-lab.にご相談ください。
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構想段階の壁打ちからでも歓迎しています。
2026年につながる一手を、C-lab.と一緒に考えてみませんか。