スワイプ消費の時代に、「選ばれる」とはどういうことか
気づけば私たちは、日々膨大な情報を「見ている」ようで、ほとんどを「流しています」。SNSのタイムライン、ニュースアプリ、動画配信サービス。指先を少し動かすだけで、次の情報、次の映像、次の刺激が現れる…
これが、いわゆる「スワイプ消費」の時代です。
この環境下で、あらゆる商品やサービス、情報は、「じっくり比較される前に、ふるいにかけられている」と言っても過言ではありません。
では、この時代に「選ばれる」とは、どういうことなのでしょうか。
情報が届かないのではない「止まらない」だけ
よく「情報が届かない時代」と言われますが、正確には少し違います。情報は、以前よりも圧倒的に届いている。
ただし、ほとんど止まらないのです。目に入る。けれど、記憶には残らない。読まれたようで、理解されていない。
これはBtoCに限った話ではありません。建材メーカー、住宅設備メーカー、ハウスビルダーといったBtoB領域でも、
・Webサイト
・製品情報
・施工事例
・カタログPDF
は、同じように「スワイプ的」に消費されています。
つまり、「良いものを作れば伝わる」時代は終わり、「立ち止まらせられるかどうか」が最初の関門になっているのです。
スワイプ消費下で起きている、3つの変化
この環境変化の中で、ユーザー側には大きく3つの変化が起きています。
①判断が「速く」なった
人は、良し悪しを考える前に、「自分ごとかどうか」で瞬時に判断しています。
難しそう、自分には関係なさそう、今じゃなくていい
そう感じた瞬間、スワイプされます。
②「正解」より「納得」を求める
情報が多すぎるがゆえに、人は「一番正しい答え」を探すことに疲れています。
その代わりに求めているのは、「自分にとって腑に落ちる説明」です。
これは住宅や建材選びでも顕著です。スペックや性能比較だけでは、判断が進まない。「なぜ自分に合っているのか」が語られて初めて、選択が始まります。
③自分で選んだ実感を欲しがる
スワイプ消費の時代だからこそ、人は「流されて選んだ」ものに満足できなくなっています。
・自分で考えた
・自分で気づいた
・自分で選んだ
この感覚があるかどうかが、選択後の満足度を大きく左右します。
「選ばれる」とは、目立つことではない
スワイプ消費というと、「とにかく目立てばいい」「派手なビジュアルが必要」と思われがちです。
しかし実際には、目立つ=選ばれるではありません。
むしろ、
・刺激が強すぎる
・情報量が多すぎる
・主張が一方的
なものほど、早くスワイプされてしまいます。
選ばれるものに共通しているのは、「自分の状況と静かにつながる感覚」です。
立ち止まる瞬間は、「問い」が生まれたとき
スワイプが止まるのは、情報が提示されたときではなく、問いが生まれたときです。
・これは、自分の場合どうだろう?
・うちの状況に当てはまるのでは?
・これまで考えていなかった視点かもしれない
この一瞬の「内省」が生まれたとき、人は初めて、情報を“読む側”になります。
スワイプ消費時代の有効なアプローチ 「診断」「問いかけ」「余白」
この文脈で、近年あらためて注目されているのが診断型コンテンツや問いかけを起点にした情報設計です。
診断コンテンツは、
・自分に関係がある
・考えなくても進められる
・結果が自分仕様で返ってくる
という特徴を持っています。
これは、スワイプ消費の流れを一度止め、「自分の思考」に引き戻す装置とも言えます。
特に住まい・建材・空間といった分野では、「あなたの場合はどうか」という視点が入った瞬間、情報は単なる説明から判断材料へと変わります。
C-lab.が考える「選ばれる」の設計
C-lab.では、「どう見せるか」よりも、「どう考えてもらうか」を重視してきました。
・調査データから価値観の構造を整理する
・感性や選好を可視化する
・診断や問いを通じて、思考を促す
これらはすべて、スワイプ消費の時代に“立ち止まってもらう”ための設計です。
選ばれるとは、一瞬で決めてもらうことではありません。「ちゃんと考える価値がある」と思ってもらうことです。
選ばれるとは、「寄り添う」こと
スワイプ消費の時代に、強い言葉や過剰な主張は、かえって距離を生みます。
必要なのは、
・押しつけない
・決めつけない
・でも、放置しない
そんな適切な距離感です。
「あなたの場合は、こういう考え方もあります」
そう静かに差し出された情報こそ、人は立ち止まり、選ぼうとします。
これからの「選ばれる」を考えるために
2026年に向けて、
情報はさらに増え、スワイプの速度は上がっていくでしょう。
その中で問われるのは、どれだけ語ったかではなく、どれだけ考えるきっかけをつくれたかです。
スワイプ消費の時代に選ばれるとは、「目立つこと」でも「急がせること」でもありません。
考える余白をつくり、自分で選んだと思える体験を渡すこと。
それが、これからのコミュニケーションの本質なのかもしれません。
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