スケルトンリフォームとは?戸建て・マンション費用相場と予算を抑えるコツ

更新日:2026年05月28日

更新日:2026年05月28日

  • Twitter
  • LINE
  • Instagram

「スケルトンリフォームを検討しているけれど、結局いくらかかるのかわからない」「建て替えとどちらが得なのか判断できない」と悩んでいませんか?

スケルトンリフォームは建物の骨組みだけを残し、内装・設備・配管をゼロから作り直す工事です。費用は建物の構造や設備のグレード、間取り変更の範囲によって数百万円単位で変動します。業者任せで進めると、相場より割高な見積もりに気づけないまま契約してしまう恐れがあります。

本記事で取り上げるのは、戸建て・マンション別の費用相場や予算別の施工事例、費用を抑えるコツです。建築士の実務経験に基づく情報も盛り込み、見積書を自分の目で判断できる記事に仕上げました。
記事を読めば、「自分の家ならいくらかかるのか」「どんな業者に頼めば失敗しないのか」がわかります。ぜひ最後までご覧いただき、予算に合ったプランで後悔のないスケルトンリフォームにつなげましょう。

国土交通省登録団体の構成員を中心としたリフォーム会社をご紹介!

目次

  1. スケルトンリフォームとは?種類と特徴
    1. スケルトンリフォームの種類
    2. フルリフォーム・建て替えとの違い
  2. スケルトンリフォームの費用相場【戸建て・マンション別】
    1. 戸建ての費用相場|平米単価10〜20万円
    2. マンションの費用相場|平米単価12〜18万円
  3. スケルトンリフォームの費用内訳と高くなる要因
    1. 費用の内訳と配分比率
    2. 工事費以外に必要な費用|仮住まい・諸費用・予備費
    3. 費用が高くなる要因5つ
  4. 【予算・事例別】1,000万・1,500万・2,000万円で実現できる工事範囲
    1. 予算1,000万円台の工事範囲|築23年・61㎡戸建ての施工事例
    2. 予算1,500万円台の工事範囲|築20年・81㎡戸建ての施工事例
    3. 予算2,000万円台の工事範囲|築20年・71㎡マンションの施工事例
  5. スケルトンリフォームのメリット3つ
    1. 建て替えより費用・工期の負担が少ない
    2. 間取りをゼロから自由に設計できる
    3. 配管・配線を一新して建物寿命を延ばせる
  6. スケルトンリフォームのデメリット4つ
    1. 構造によっては間取り変更に制限がある
    2. 工期が長く仮住まいの手配や引越しが必要になる
    3. 解体後に予期せぬ追加費用が発生するリスクがある
    4. マンションは管理規約による制約を受けやすい
  7. スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ4選
    1. 設備のグレードに優先順位をつける
    2. 水回りの位置を動かさない設計にする
    3. 3社以上から相見積もりを取る
    4. 補助金・減税制度を活用する
  8. スケルトンリフォームの流れ4ステップ
    1. ステップ1|目的の整理と情報収集
    2. ステップ2|業者選び・現地調査・見積もり比較
    3. ステップ3|契約締結と着工準備
    4. ステップ4|着工から引き渡し
  9. スケルトンリフォームの費用に関するよくある質問
    1. スケルトンリフォーム後の家には何年住める?
    2. 費用にローンは使える?
    3. 費用の支払いはいつ?手元に現金はどれくらい必要?
  10. まとめ:スケルトンリフォームの費用は現地調査で正確な見積もりを取ろう

スケルトンリフォームとは?種類と特徴

スケルトンリフォームとは、建物の骨組みだけを残し内装・設備・配管をゼロから作り直す工事です。本章では工事の定義と範囲に関する以下2点を解説します。

  • スケルトンリフォームの種類
  • フルリフォーム・建て替えとの違い

自宅に合った工法を見極めるためにも、まずは基本を押さえておきましょう。

スケルトンリフォームの種類

スケルトンリフォームは、解体する範囲によって以下の3種類に分かれます。

種類 解体範囲 主な工事内容 対応建物
内部のみ 室内の内装・設備・配管を撤去 床材・壁・天井の交換、水回り設備の更新、間取り変更、配管・配線の刷新 戸建て・マンション
外部のみ 外壁・屋根を撤去 外壁の張り替え、屋根材の交換、断熱材の補填、雨樋・排水の改修 戸建てのみ
内部+外部 内装・外装をすべて撤去 上記の内部・外部両方の工事を実施 戸建てのみ

3種類の中で最も選ばれるのが「内部のみ」です。室内をゼロから作り直すため、表面的なリフォームでは対応できない間取り変更や配管更新ができます。工期とコストを抑えられる点も、選ばれる理由です。

「外部のみ」を単独で実施するケースは少なく、一般的には内部リフォームと組み合わせます。実施されるのは、外壁の腐食が深刻な場合や、省エネ性能を高めたい場合です。

「内部+外部」は外観や内装、設備などをまとめて更新できます。ただし、費用と工期の負担は最も大きいです。場合によっては建て替えとの費用比較も視野に入れましょう。

フルリフォーム・建て替えとの違い

スケルトンリフォームは、フルリフォームと建て替えの中間に位置する工事です。3つの工法の違いは「どこまで壊すか」で決まります。

各工法の解体範囲と適したケースを以下の表にまとめました。

工法 解体範囲 工期の目安 向いているケース
フルリフォーム 内装の表層(壁紙・床材・設備)を撤去する 1〜3ヶ月 配管や構造に問題がなく見た目を一新したい場合
スケルトンリフォーム 内装・設備・配管を撤去し骨組みだけ残す 3〜6ヶ月 間取り変更や配管更新など建物の根本から見直したい場合
建て替え 土台を含む建物すべてを解体する 6〜12ヶ月 土台や骨組みの損傷が激しく補修では対応できない場合

フルリフォームは見た目は新しくなります。ただし、築20年以上の物件では配管の劣化を見逃すリスクがあります。

建て替えは設計の自由度が最も高い反面、解体費に加え基礎工事費もかかり、費用と工期の負担が増えます。

スケルトンリフォームが得意な会社をご紹介!

スケルトンリフォームの費用相場【戸建て・マンション別】

スケルトンリフォームの費用は、戸建てとマンションで相場が異なります。構造や工事範囲の違いが価格差に直結するためです。

以下2点を建物タイプに合わせて確認しましょう。

  • 戸建ての費用相場|平米単価10〜20万円
  • マンションの費用相場|平米単価12〜18万円

自宅の広さと照らし合わせながら、総額の目安をイメージしておくと安心です。

戸建ての費用相場|平米単価10〜20万円

木造戸建てのスケルトンリフォーム費用は、平米単価10〜20万円が目安です。

面積帯ごとの費用目安と、予算内で検討可能な工事内容を以下の表にまとめました。

延床面積 費用の目安 平米単価の目安 予算内で検討可能な工事
80〜100㎡(約24〜30坪) 950〜1,650万円 約10〜20万円 間取り変更・水回り更新・内装一新
100〜120㎡(約30〜36坪) 1,500〜1,900万円 約13〜19万円 上記+収納増設・断熱改修
120〜150㎡(約36〜45坪) 1,800〜2,350万円 約12〜20万円 上記+外壁改修・耐震補強

平米単価は面積だけでは決まりません。同じ100㎡でも、水回りの位置を変えるだけで200〜300万円の差が出るケースがあります。単価を決める主な要因は、間取り変更の有無や設備のグレード、構造を補強する範囲です。

表の金額は内部スケルトンの費用です。外壁や屋根の改修、断熱工事などは別途かかります。見積もりを取る際は「内部スケルトンの費用か、外部を含む費用か」を必ず確認しましょう。

マンションの費用相場|平米単価12〜18万円

マンションスケルトンリフォームの費用は、平米単価12〜18万円が目安です。マンションは共用部分を改修できないため、工事は専有部分の内部スケルトンに限られます。

面積帯ごとの費用目安を以下の表にまとめました。

専有面積 費用の目安 平米単価の目安 予算内で検討可能な工事
60〜70㎡(約18~21坪) 840〜1,100万円 約12~18万円 水回り更新・内装一新・収納計画の見直し
70〜80㎡(約21~24坪) 1,100〜1,250万円 約14~18万円 上記+間取り変更(2LDK→1LDKなど)
80〜90㎡(約24~27坪) 1,200〜1,350万円 約13~17万円 上記+床暖房・造作家具の追加

平米単価が上がる要因は、床下の構造による「配管移動の制約」です。バブル期前後に建設された「逆梁工法」のマンションでは、建物を支える梁(はり)が床の上に突き出ており、床下の配管スペースが浅い構造になっています。水回りの位置を変えるには床を高くする必要があり、費用が100〜200万円上乗せされるケースがあります。

現地調査の際は、床下の「ふところ寸法(コンクリート床の上からフローリング仕上げ面までの高さ)」を業者に確認してもらいましょう。10cm未満の場合は水回り移動のコスト増を前提に予算を組む必要があります。

正確な費用は間取りや劣化状況で変わります。東証プライム上場のTOPPANが運営する「リフォトル」では、国土交通省登録団体の構成員を中心とした優良リフォーム会社を最大4社紹介いたします。

スケルトンリフォームの費用内訳と高くなる要因

費用の相場を把握したら、次は「何にいくらかかるか」の内訳を理解しましょう。本章では以下3点を解説します。

  • 費用の内訳と配分比率
  • 工事費以外に必要な費用|仮住まい・諸費用・予備費
  • 費用が高くなる要因5つ

内訳や費用の根拠を理解すれば、見積書のチェックポイントと予算の優先順位が明確になります。

費用の内訳と配分比率

スケルトンリフォームの総費用は、以下6つの項目で構成されます。

費用項目 配分比率
①解体・撤去費 10〜15%
②構造補強・断熱工事費 15〜25%
③設備費(キッチン・浴室・トイレ等) 20〜30%
④内装仕上げ費 15〜20%
⑤配管・配線工事費 10〜15%
⑥設計・管理費 5〜10%

最も比率が高いのは③設備費です。キッチンやユニットバスのグレードを一段下げるだけで、数十万円以上のコストダウンにつながります。

見積書を受け取ったら、「一式〇〇円」の一括表記ではなく、上記6項目が個別に明記されているかを確認しましょう。各項目を細かく提示する業者ほど、費用の透明性が高いと判断できます。

工事費以外に必要な費用|仮住まい・諸費用・予備費

スケルトンリフォームでは、工事費とは別に以下3つの費用がかかります。

費用項目 目安額 内訳
仮住まい費用 50〜100万円 家賃+往復分の引越し代
諸費用 10〜30万円 印紙代・事務手数料・近隣挨拶費・届出費用など
予備費 総予算の10〜15% 解体後に発覚する腐朽・シロアリ・アスベスト除去への備え

計画段階で見落としやすい項目は仮住まい費用です。工期は3〜6ヶ月と長期に及ぶため、物件探しや荷造りの手間も含め、早めに計画しておきましょう。

予備費は、壁や床を解体した後に判明するシロアリ被害や配管の腐食に備える費用です。予備費を確保しておかないと、追加工事の費用を払えず工事が中断するリスクがあります。

費用が高くなる要因5つ

スケルトンリフォームの費用を決める主な要因は、以下の5つです。

要因 内容 費用への影響
①建物の構造 木造は耐震補強、RC造は解体にコストが発生 同面積でも100〜200万円の価格差
②延床面積 施工面積に比例して工事の総額が上昇 総額は上がるが坪単価は下がる傾向
③間取り変更の範囲 水回りを移動させるための配管工事 1箇所の移動につき50〜150万円加算
④設備のグレード キッチンや浴室などをハイグレード品へ変更 キッチン単体でも100万円以上の価格差
⑤築年数・劣化状態 解体時に発覚するアスベストやシロアリ被害 撤去・補修費用として50〜200万円加算

特に注意したいのは「⑤築年数・劣化状態」です。壁や床を剥がした後にアスベストやシロアリ被害が見つかると、100万円以上の追加費用が発生するケースもあります。

解体後の予算オーバーを防ぐには、着工前に「アスベスト調査」を依頼しておきましょう。

スケルトンリフォームが得意な会社をご紹介!

【予算・事例別】1,000万・1,500万・2,000万円で実現できる工事範囲

本章では、「予算で実際にどこまでできるのか」をイメージするために、以下3つの事例を解説します。

  • 予算1,000万円台の工事範囲|築23年・61㎡戸建ての施工事例
  • 予算1,500万円台の工事範囲|築20年・81㎡戸建ての施工事例
  • 予算2,000万円台の工事範囲|築20年・71㎡マンションの施工事例

自分の予算感と希望の工事内容が一致しているかを確認しましょう。

予算1,000万円台の工事範囲|築23年・61㎡戸建ての施工事例

予算1,000万円台は、内部スケルトン+標準設備が現実的なラインです。

1,000万円台に収めるには、水回り移動を最小限に絞り、設備は標準グレードを選ぶのがポイントです。

>>この事例の詳細はこちら

予算1,500万円台の工事範囲|築20年・81㎡戸建ての施工事例

1,500万円台になると、設備のグレードを上げつつ間取りも大きく変更できます。

「LDKを広くしたい」「キッチンにこだわりたい」など、デザインと使い勝手を両立させたい方に向いています。

>>この事例の詳細はこちら

予算2,000万円台の工事範囲|築20年・71㎡マンションの施工事例

2,000万円台のマンションでは、フルスケルトン+ハイグレード設備+大幅な間取り変更が可能です。

「既存の間取りにとらわれず、自分だけの住空間を追求したい」と考える方に適しています。

>>この事例の詳細はこちら

「リフォトル」では、上記のような施工実績を持つ優良リフォーム会社を、最大4社ご紹介いたします。

スケルトンリフォームのメリット3つ

費用と内訳を見て「高い」と感じた方に、それでも選ぶ価値がある理由を示します。以下3点を確認しましょう。

  • 建て替えより費用・工期の負担が少ない
  • 間取りをゼロから自由に設計できる
  • 配管・配線を一新して建物寿命を延ばせる

費用対効果の観点から、スケルトンリフォームが賢い選択になるか見極めるのが得策です。

建て替えより費用・工期の負担が少ない

スケルトンリフォームが建て替えより費用・工期の負担が少ないのは、土台と骨組みを残すためです。両者の違いを以下の表にまとめました。

比較項目 スケルトンリフォーム 建て替え
費用の目安(30坪) 1,000〜2,000万円 3,000万円前後
工期の目安 3〜6ヶ月 6〜12ヶ月
仮住まい期間 3〜6ヶ月 6〜12ヶ月

総費用を把握するには、工事費だけでなく税金の変動も含めて計算する必要があります。建て替えでは解体から新築引き渡しまでの期間、住宅用地の固定資産税を軽減する特例が適用されません。

地方税法第349条の3の2で定められた軽減特例は、200㎡以下の土地にかかる税金を1/6に減額する制度です。たとえば土地の評価額が2,000万円の場合、家が建っている状態の年税額は約4.7万円です。解体して特例から外れると年税額は約28万円に上昇します。

一方で、建物の骨組みを残すスケルトンリフォームなら、工事中も特例が継続するため固定資産税の急増を防げます。迷った場合は、工事費と税金の増加分を合算した総費用で比較しましょう。

間取りをゼロから自由に設計できる

骨組みまで戻すスケルトンリフォームでは、壁や柱の位置に縛られず間取りを自由に設計できます。具体的なイメージは以下のとおりです。

  • 細切れの和室をつなげて広々としたLDKに変更
  • 家事動線を短縮するために水回りを一直線に配置
  • 吹き抜けや天窓を設けて採光量を増加

ただし、2025年4月施行の建築基準法改正により、工事の制約を受けるケースがあります。

大規模なリフォームで間取りを変更し耐力壁の位置を変える場合、構造計算書の提出を求めるルールが厳格化されました。審査の一部を省略できた「4号特例」が縮小し、建物の安全性を証明する書類が必須となったためです。

設計期間の延長や追加費用の発生を防ぐには、建築士が在籍するリフォーム会社に早めに相談しましょう。

配管・配線を一新して建物寿命を延ばせる

築20年以上の物件は、壁や床の裏側で給排水管の劣化が進行している状態です。表面だけきれいにするフルリフォームでは、数年後に水漏れや排水詰まりが発生するリスクが残ります。

スケルトンリフォームなら、以下のインフラをすべて新品に交換可能です。

対象のインフラ スケルトンリフォームでの更新内容
給排水管 耐用年数50〜60年の樹脂管(架橋ポリエチレン管等)へ交換
電気配線 容量不足の分電盤を更新し、エアコンやIH専用回路を増設
ガス管 劣化した鋼管からフレキシブル管へ交換し、漏れリスクを排除

配管・配線を一新すれば、建物の寿命はさらに20〜30年延びます

スケルトンリフォームが得意な会社をご紹介!

スケルトンリフォームのデメリット4つ

スケルトンリフォームには特有のデメリットがあります。ただし、以下4つの対策を事前に知っておけば致命的な失敗を回避できます。

  • 構造によっては間取り変更に制限がある
  • 工期が長く仮住まいの手配や引越しが必要になる
  • 解体後に予期せぬ追加費用が発生するリスクがある
  • マンションは管理規約による制約を受けやすい

「こんなはずじゃなかった」と後悔する事態を防ぐため、契約前に必ず確認しておきましょう。

構造によっては間取り変更に制限がある

スケルトンリフォームでも、建物の構造によっては希望どおりの間取りに変更できないケースがあります。

構造 間取り変更の自由度 理由
木造軸組工法(在来工法) 高い 柱と梁で建物を支えるため壁の撤去・移動が比較的自由
ツーバイフォー(枠組壁工法) 低い 壁で建物を支えるため構造壁の撤去が困難
RC造ラーメン構造 高い 柱と梁で支えるため間仕切り壁は自由に撤去可能
RC造壁式構造 低い 壁で支える構造のため構造壁の撤去が困難

失敗を避けるには、工事前に設計図書(構造図・構造計算書)を確認し、撤去できる壁を業者に明示してもらうのが確実です。特にマンションは「間仕切り壁」と「構造壁」の区別が見た目で判断しにくいため、事前に管理組合から図面を取り寄せましょう

工期が長く仮住まいの手配や引越しが必要になる

スケルトンリフォームの工事中は住み続けられません。工期は戸建てで3〜6ヶ月マンションで2〜4ヶ月が目安です。

工期中に発生する手間を以下にまとめました。

  • 仮住まい先の物件探し・契約
  • 引越し作業
  • 荷物の仕分け・一時保管
  • 子どもの通学やペットの受け入れ先の調整

金銭面の負担は「工事費以外に必要な費用」で解説したとおり、50〜100万円が目安です。それに加え、物件探しや荷造りといった精神的・時間的な負担も重くのしかかります。

契約前に工期のスケジュールを書面で確定させ、仮住まいの手配を早めに進めるのが有効な対策です。工期の遅延リスクを見込み、仮住まいの契約期間は1ヶ月ほど余裕を持たせておきましょう。

解体後に予期せぬ追加費用が発生するリスクがある

壁や床を剥がした後に、事前の調査では見つからなかった不具合が発覚するケースがあります。特に発生しやすい追加工事と費用の目安は以下のとおりです。

不具合の種類 追加工事の内容 費用の目安
シロアリ被害 食害を受けた土台や柱の補修・交換 30〜100万円
木材の腐朽 水漏れや結露で劣化した構造材の補修 20〜80万円
アスベスト 専門業者による対象建材の完全撤去 50〜80万円

上記の追加費用は、解体してみないと正確な金額がわかりません。後々のトラブルを未然に防ぐため、以下の対策を講じておきましょう。

  • 総予算の10〜15%を予備費に確保する
  • 契約書に「追加工事の発生条件・承認プロセス」を明記させる

ギリギリの予算で着工すると、追加費用を払えず工事が中断するリスクがあります。また、口頭での追加合意は「言った・言わない」のトラブルの原因となります。

追加工事が発生した場合は「費用の算出根拠を示し、書面で施主の承認を得てから着工する」といった一文を、契約書に加えてもらいましょう。

マンションは管理規約による制約を受けやすい

マンションのスケルトンリフォームは、管理規約で工事内容が制限される場合があります。よくある制約を以下にまとめました。

制約の種類 具体的な制限内容
床材の遮音等級 LL-45など指定の遮音性能を満たす床材の使用が義務付けられる
水回りの移動 床下スペースの不足などを理由にキッチンや浴室の移動が認められない
工事の時間帯 「平日9〜17時のみ」「土日祝は不可」など作業可能な時間が指定される
承認プロセス 管理組合への事前申請や近隣住戸からの同意取得が着工の条件になる

規約に違反して工事を進めると、管理組合から原状回復を求められるリスクがあります。

失敗を避けるには、設計段階で管理規約の原本を取り寄せ、表の項目を業者と一緒に確認しましょう。規約の解釈が曖昧な場合は、管理組合に書面で確認を取るのが確実です。

スケルトンリフォームが得意な会社をご紹介!

スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ4選

スケルトンリフォームは高額な工事です。しかし、品質を落とさずにコストを下げる方法があります。本章では、以下4つのコツをまとめました。

  • 設備のグレードに優先順位をつける
  • 水回りの位置を動かさない設計にする
  • 3社以上から相見積もりを取る
  • 補助金・減税制度を活用する

4つすべてを組み合わせれば、総額で数百万円のコストダウンも見込めます

設備のグレードに優先順位をつける

設備費はスケルトンリフォーム総額の20〜30%を占めます。すべてをハイグレードにすると予算を圧迫するため、使用頻度に応じた優先順位をつけましょう。

設備 標準グレードの目安 ハイグレードの目安
キッチン 60〜80万円 150〜250万円
ユニットバス 50〜70万円 100〜150万円
トイレ 10〜15万円 25〜40万円
洗面台 10〜15万円 20〜35万円

コツは「毎日長時間使う場所にだけ投資する」といった考え方です。

たとえばキッチンで毎日料理をする家庭なら、キッチンはハイグレードにし、使用時間の短いトイレや洗面台は標準グレードに抑えます。優先順位をつけるだけで100万円以上の差が出ます。

水回りの位置を動かさない設計にする

水回り(キッチン・浴室・トイレ)の位置を既存のまま活かすだけで、50〜150万円のコストダウンが見込めます。

水回りを移動させると、以下の追加工事が発生します。

  • 排水が流れるよう床下に傾斜をつける
  • 給水・給湯管の配管ルートを変える
  • 傾きを確保するために床を高くする

「対面キッチンにしたいが位置は変えたくない」といった場合は、壁を撤去してカウンターを設ける方法もあります。キッチン本体の位置を動かさなければ配管工事は不要で、費用を抑えながら開放的な空間を確保できます。

設計の段階で業者に「水回りの位置を動かさないプラン」を依頼し、比較してみましょう。

3社以上から相見積もりを取る

同じ工事条件でも見積額は業者によって数十万円以上の差が出ます。最低でも3社から相見積もりを取り、以下3点を比較しましょう。

比較項目 チェックポイント
内訳の透明性 6項目(解体・構造補強・設備・内装・配管・設計)が個別に記載されているか
保証内容 工事後の不具合に対する保証期間と範囲が明記されているか
施工実績 過去のスケルトンリフォームの事例や件数を具体的に提示できるか

単に見積額が安い業者が最適とは限りません。内訳が不透明な業者は、着工後に高額な追加費用を請求してくる場合があります。

見積書の読み方や比較のポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【保存版】リフォームでの見積もりの注意点を徹底解説

自分で相見積もり先を探すのが不安な方は、「リフォトル」を活用して実績豊富な優良業者を無料で紹介してもらいましょう。

補助金・減税制度を活用する

スケルトンリフォームでは、耐震補強や断熱改修を同時に進めるケースが多いため、複数の補助金や減税制度を併用できる場合があります。

制度 対象工事 補助額の目安
耐震改修補助金 旧耐震基準(1981年5月以前)の建物の耐震補強 上限100〜150万円程度
省エネリフォーム補助金 断熱材の追加・窓の断熱改修・高効率給湯器の設置 上限200万円程度
バリアフリー改修補助金 手すり設置・段差解消・通路幅の拡張 上限20〜30万円程度
住宅ローン減税 一定の要件を満たすリフォーム工事 年末残高の0.7%×最大10年間

補助金は自治体ごとに制度や上限額が異なるため、着工前に各自治体の窓口で最新情報を確認しておくのが安全です。

補助金の申請は原則「着工前」が条件であり、工事完了後の事後申請は認められません。もらい忘れを防ぐためにも、業者選びと並行して早めに行動しましょう。

スケルトンリフォームが得意な会社をご紹介!

スケルトンリフォームの流れ4ステップ

本章では、スケルトンリフォームを成功させるための「具体的な動き方」を解説します。検討から引き渡しまでの全体的な流れは、以下の4ステップです。

  • ステップ1|目的の整理と情報収集
  • ステップ2|業者選び・現地調査・見積もり比較
  • ステップ3|契約締結と着工準備
  • ステップ4|着工から引き渡し

各ステップで自分が何をすべきかを事前に把握しておけば、迷わずスムーズに計画を進められます。

ステップ1|目的の整理と情報収集

業者探しの前に「なぜスケルトンリフォームをしたいのか」を整理しましょう。3つの問いへの答えをメモしておくと、業者への相談がスムーズに進みます。

  • 最も解決したい問題は何か
  • 優先順位はどこに置くか
  • 予算の上限はいくらか

本記事で紹介した費用相場や内訳の配分比率を参考に、現実的な要望リストを作成しましょう。

要望を詰め込むと予算オーバーの原因になります。「絶対に譲れない項目」と「予算が余れば追加したい項目」を分けておくと、業者との打ち合わせで迷いません。

ステップ2|業者選び・現地調査・見積もり比較

スケルトンリフォームの実績が豊富な業者を3社以上選び、現地調査と見積もりを依頼します。

業者選びで確認すべき項目は以下4つです。

チェック項目 確認内容
実績 スケルトンリフォームの施工写真・費用が確認できるか
見積書 「一式」ではなく工事項目が個別に明記されているか
現地調査 床下・壁内・配管まで詳細に診断してくれるか
保証 施工後の瑕疵担保保証期間が明記されているか

※瑕疵担保:工事の欠陥に対する保証               

優良な業者を見極めるポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【プロ直伝】優良リフォーム会社の選び方|失敗しない11の基準と見極め方

「自分でゼロから業者を探すのは手間がかかる」と感じる方には、「リフォトル」の活用がおすすめです。現地調査から見積もり取得までサポートを受けられるため、初めてのスケルトンリフォームでも安心です。

ステップ3|契約締結と着工準備

見積もり内容に納得したら、業者と工事請負契約を締結します。

「工事費の総額と工期だけ確認すれば十分」との認識は危険です。建設業法第19条では工事請負契約書に15項目の記載を義務付けており、中でも以下3点は必ず確認しておきましょう。

確認項目 チェック内容
工期延長時の追加費用負担(第4号) 天候不良や追加工事による工期延長が発生した場合、追加費用を施主・業者のどちらが負担するかを明記させる
分割払いの時期と方法(第6号) 着工金・中間金の支払い時期と、住宅ローン融資実行日にズレがないかを事前に確認する
第三者への損害賠償(第9号) 解体振動による近隣建物への被害などが発生した場合の、施工会社の責任範囲を明記させる

口頭の約束だけで済ませるとトラブルの原因になります。追加工事が発生した場合は「書面で施主の承認を得てから着工する」などの一文を契約書に加えておきましょう。

ステップ4|着工から引き渡し

着工後の工事は、主に以下の流れで進みます。

工程 主な作業内容
①解体・撤去 内装材・設備・配管の撤去
②構造補強 耐震金物の取付け・腐朽部の補修
③断熱工事 断熱材の充填
④設備・配管工事 給排水管・電気配線の新設
⑤内装仕上げ 床・壁・天井の仕上げ材施工
⑥検査・引き渡し 完了検査・施主立ち会いでの確認

解体後に想定外の劣化が見つかった場合は、契約の取り決めに従い、書面で承認してから追加工事を進めます。また、最後の完了検査で仕上がりに気になる箇所を見つけた場合は、遠慮せずにその場で業者へ伝えましょう。

スケルトンリフォームの費用に関するよくある質問

スケルトンリフォーム後の家には何年住める?

構造補強や配管更新を済ませれば、一般的に20〜30年以上は住み続けられます。ただし、木造住宅の場合は柱や土台などの構造材の状態にも左右されます。

解体後に構造材の劣化が見つかった場合は、補修や交換を行ったうえで寿命を判断しましょう。

現地調査の段階で、業者に「構造材の状態と今後の耐用年数の見通し」を確認しておくと安心です。

費用にローンは使える?

スケルトンリフォームの資金調達には、主に以下2種類のローンが活用できます。

項目 リフォームローン 住宅ローン(借り換え)
金利の目安 年2〜5%程度 年0.5〜1.5%程度
借入上限額 500〜1,500万円程度 数千万円規模
借入期間 最長10〜15年 最長35年
担保 原則不要(無担保型が多い) 不動産の抵当権設定が必要
審査の手間 比較的少ない 登記費用・審査書類が多い

1,000万円を超える大規模リフォームでは、金利差は総返済額に数百万円レベルの影響を及ぼします。たとえば1,500万円を15年で借り入れた場合、金利1%と3%の総返済額の差は約250万円です。

審査書類の準備などの手間はかかります。ただし、借入額が大きいほど住宅ローンへの借り換えを最優先で検討しましょう。

ローンの選び方や資金計画に不安がある方は、「リフォトル」を活用して親身に相談に乗ってくれる優良業者を無料で紹介してもらうのがおすすめです。

費用の支払いはいつ?手元に現金はどれくらい必要?

スケルトンリフォームの費用は、工事の進捗に応じて3〜4回に分割して支払うのが一般的です。

支払いのタイミング 支払い比率の目安
契約時 10〜20%
着工時 30〜40%
中間時 20〜30%
完工・引き渡し時 10〜20%

ローンを利用して資金を調達する場合でも、融資の実行は「完工後の一括振込」となるケースが大半です。つまり、総額の7〜8割にのぼる中間時までの支払いを、自己資金で一時的に立て替える必要があります。

ただし、「つなぎ融資」に対応している金融機関を選べば、工事途中の支払いにも融資を充てられます。手元の現金不足で工事が止まる事態を防ぐため、契約前に金融機関へ「つなぎ融資の可否」を確認しましょう。融資実行のタイミングも合わせて確認しておくと安全です。

まとめ:スケルトンリフォームの費用は現地調査で正確な見積もりを取ろう

スケルトンリフォームは骨組みだけを残し、内装や配管を一新して建物の寿命を延ばせる工事です。相場は戸建てで平米単価10〜20万円マンションで12〜18万円が目安となります。

ただし、解体後に発覚する劣化状態などにより、数百万円の追加費用が発生するリスクを伴います。失敗を防ぐため、以下3点を押さえておきましょう。

  • 予備費(総予算の10〜15%)を確保し追加費用に備える
  • 3社以上から相見積もりを取り内訳の透明性と保証内容を比較する
  • 補助金・減税制度の申請は「着工前」に済ませる

本記事で紹介した相場や事例を参考に、まずは希望と予算のバランスを整理するとスムーズです。

正確な費用は物件ごとに異なるため、プロの現地調査に基づく見積もりで把握する必要があります。業者選びに迷ったら「リフォトル」を活用し、安全な資金計画を立てましょう。

国土交通省登録団体の構成員を中心としたリフォーム会社をご紹介!

執筆者

徳良 仁

1級建築士。GAFAの1社に転職し、30代で建築部門の管理職を務める。
千葉県在住の建築ライター。建設業界で現場経験を15年(建築3年・電気12年)経験したのち、日本最大の大手アパレルの出店開発部門で発注者としての施工監理を2年経験。
1級電気工事施工管理技士や第一種電気工事士の資格も保有。

信頼できるリフォーム会社をお探しの方へ

あなたの希望に合う信頼できるリフォーム会社を
複数社・無料でご紹介
します。

優良なリフォーム会社
最大4ご紹介します!

信頼できるリフォーム会社をお探しの方へ

あなたの希望に合う信頼できるリフォーム会社を
複数社・無料でご紹介
します。

優良なリフォーム会社
最大4ご紹介します!