「住宅インテリアの木目柄 Part1」では、定番となっている基本樹種をご紹介しました。
今回のPart2では、基本樹種以外の木目柄について取り上げていきます。
主に戸建住宅向けとして住宅メーカー、建材メーカーがインテリアカラーに設定している木目柄では、メープル、オーク、チェリー、ブラックウォールナットが基本樹種になっていますが、それ以外の木目柄に目を向けてみても、使われている樹種は限られていることがわかります。
住宅インテリアカラーの色別樹種設定
グラフ中で赤枠をつけたバーチ、チェスナット、アッシュは複数の色系統で使われており、住宅インテリアでは基本樹種に次いで目にすることが多い、いわば準基本樹種です。
これらについてご紹介します。
バーチ
日本産のものはマカバ、カバザクラなどとも呼ばれています。均質・緻密で滑らかな木肌を持つ明色の材で、表面が綺麗に仕上がり、光沢も美しく現れることから、家具やフローリングなどで使用されています。塗装性も良いものの、木目が明瞭ではないため、濃色で使われることはあまりありません。木目の印象から、優しく穏やかな空間に適しています。
チェスナット
力強い木目と堅い材質を持つ樹種で、日本のクリもこれに含まれます。堅牢で耐久性・耐湿性にすぐれており、古くから建築の土台や土木材としても使われてきました。タンニンを多く含んでいるため、歳月を重ねるにつれて色が濃く変化していくことも特徴の一つです。ナチュラルなスタイルから重厚イメージまで、オークに準ずるような使い方が可能な樹種です。
アッシュ
明るい材色とはっきりした木目をもつ丈夫な材で、ペールナチュラル色やホワイト色といった淡色のほか、ブラック色やグレー(グレージュ)色でも使われています。今年のミラノデザインウィークではブラックウッドとして大きなトレンドとなっていました。着色や仕上げのバリエーションが幅広いため、様々なスタイルの空間に対応できます。
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これまでご紹介してきた木目柄は、主に戸建住宅のインテリアでよく使われるものですが、マンションではどのようになっているかも見てみましょう。
以下はマンションを主体にお使いいただいている弊社101エコシートの木目柄構成比率を色系統別に集計したものです。
マンションのインテリアでは、トレンドを反映した色柄が主流になっています(「住宅インテリアカラートレンド 2022-23」をご参照ください)。このため戸建住宅のインテリアカラーとは若干傾向が異なります。ペールナチュラル色ではメープルの設定がなくオークが一番多いですし、ミディアム色ではチェリーよりもウォールナットが一番のボリューム柄となっています。
またダーク色、ホワイト色、グレー色では、使われている樹種のバリエーションが戸建住宅よりも多くなっています。特にグレー色でその傾向が顕著で、スクピラやボコテ、レースウッドといった珍しい樹種も含んだ、マンションならではの構成になっています。
とはいえ、マンションインテリアでもオークとウォールナットは主要な部分を占めており、やはり基本樹種として重要な木目柄といえます。
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以上、住宅インテリアでよく使われている木目柄について2回にわたってお送りしました。
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