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話題の商業施設!【ニュウマン高輪】CMF+Pで見る店舗デザイントレンドレポート(前編)

9/18配信のC-lab.トピックスでご紹介した【彩を添えるホテル OCICA OSHIAGE TOKYO」、風薫るホテル「ザ・ゲートホテル横浜 by HULIC」CMF+P考 店舗・施設調査2025】よりSさん、Kさんによる2つの個性的なホテル調査レポートに続きまして、今度はこの秋に、高輪ゲートウェイシティにオープンしました「ニュウマン高輪」の特別内覧会に二人が参加。ルミネ史上最大規模の複合商業施設のインテリアスタイル、*CMF+Pを取材してまいりました。店長よりお伺いしたコンセプトを含め、見どころ、ポイントをレポートしたいと思います。Sさんは話題のスポット、美味しいお店大好きの「お店巡りスト」、KさんはベテランC-lab.メンバーで色々なイベントを仕掛けてきた「お楽しみ仕掛人」。今回も二人の掛け合いで「ニュウマン高輪」の全貌に迫ります。

*CMF+Pとはサーフェスデザイン(表層のデザイン)におけるColor:色 / Material:素材 / Finish:仕上げ / Pattern:柄を指し、これらのデザイン動向を調査することで現状を把握し、これからの兆しを探ろうという視点。

Sさん:9月のオープンの際は高輪ゲートウェイ駅がニュウマン高輪のPOPで彩られ、改札を出た広場
Gateway Parkでは丸山敬太さんによる華やかなインスタレーションと一青窈さんの歌声と和太鼓、ダンスパフォーマンスの1日限りのオープニングイベントが行われ、大いに賑わいましたが、この賑わいのあり方が「ニュウマン高輪」の目指すPurposeなんですよね。

Kさん:そうですね。店長の鈴木さんが説明してくれたPurposeは「Beyond the Life Value / 商業の枠を超え、100年先のまだ見ぬ生活価値をデザインする」ということで、デジタル社会における普遍的で本質的な価値の追求として「リアルな体験」を提供することに主眼を置かれていたようです。リアルな賑わいの場を提供するのはまさにニュウマン高輪の狙いと言えます。

Sさん:体験可能な仕掛けが多数あるのがポイントですが、圧倒的なリアル体験として紹介したいのが「LUFTBAUM(ルフトバウム)」ですよね。28階に出現した「森」にいるような体験。100坪超の屋外ガーデン。富士山も望む絶景の眺望、音と光に包まれる感覚、11のショップが提供する個性溢れる食と共に、人との語らいが織り成される仕掛けは圧巻です。

Kさん:昼の景色も良いですが、夜景も素晴らしい、新しい「映え」の登場ですね。
また、社会とつながる体験価値としては、高輪学園の生徒さんとの交流や、ペット同伴OKのショップやハラルレストランの存在も多様性の時代を担う若者や、インバウンドの方々への心地よいメッセージとして受け取ることが出来ました。

Sさん:おかだまりこさんが手掛けられたキービジュアル「新しい人たちの方へ。」にも多様性時代へのメッセージが込められていますね。11名の年代、性別、国籍の異なる人たちが青空を背景に未来を見上げています。

Kさん:中央の方がペットを抱いているのにペットフレンドリーな意味合いが感じられますね。
街に、地域に開かれた体験価値。共創を訴求する「3つのパブリックパーク」や地方の生産者を支援するイベント支援等、この辺りは「C-lab. デザイントレンドレポート!!後編!!」でレポートさせていただきます。

Kさん:このような多様なライフスタイルを想定した方々に向けての多種多彩なショップ&レストラン。そのボリュームは期間限定のPOP-UPショップ(12店舗)を含め、計177の店舗数を誇ります。ここからはインテリアテイストやCMF+Pの視点でニュウマン高輪を紹介しましょう。
まずは28階、29階の象徴的な天空の森ともいえる「LUFTBAUM」の様子です。

Sさん:「都心の別荘:LUFTBAUM」というコンセプトの通り、都市の喧騒から離れた、静謐な非日常空間が広がっていましたよね。上階へ上がるアプローチから特別感が演出されていました。直通エレベーターエリアは、照明が抑えられ、丸いスポットライトが控えめに灯る空間で、エレベーターを待つ間に、これから始まる体験への期待感が高まるような演出でした。

Kさん:照明による空間の切り替えは、日常から非日常への移行を感じさせます。そしてエレベーターを降りた先に現れる、壁一面に広がる壁面緑化(深碧の間)は、静かながらも強いインパクトがありました。

Sさん:ビルの中にいることを忘れさせるような、豊かな植物と開放的な眺望の組み合わせは印象的でした。自然光を活かしたこの上空からの景色は、都市における特別な体験を提供していると言えるでしょう。

Kさん:また、この空間の大きな特徴として立体音響システムの導入があります。開業時には「STUTS」氏とのコラボレーションも実施され、訪れる人々にとって新しい音の価値を体感する場、アーティストにとっては表現の場となっていました。

Sさん:LUFTBAUMでは、多彩な食の体験も用意されています。C-lab.注目の個性豊かな店舗空間を確認していきましょう。
最初の店舗は「LOOPS」、円形状で開放感のあるラウンジで、ホテルの吹き抜けのような空間。昼はカフェ、夜はディナーやバーとして、多様な時間を過ごせる場所でしたね。

Kさん:上質なホテルのような、確かに内装材の選定に落ち着きを感じました。柱や床に同じアイボリーの石材が使用され、中央のモニュメント、什器の木材にはブラック、テーブルにはナチュラルカラーの木材が配されています。シンプルな色調でありながら温かみがあり、美術館の一角にいるような、ゆったりとした時間が流れそうでした。

Sさん:多様な素材でのおもてなし、オールデイダイニング「The Public Place」は、緑あふれる屋外テラスやプライベートルームを備え、多様なシーンに対応できる空間でしたよね。

Kさん:店内に入るとまず、大きな一枚板のカウンターが視線を引きつけます。テーブルにも同様の一枚板が贅沢に使われていました。床や天井にはエイジド仕上げの木材が使用され、天然木の存在感、時を経たマテリアルの深みが感じられました。

Sさん:木材だけでなく、石材やタイルなど、多様なマテリアルが用いられていましたが、全体としての統一感があり調和していましたね。グリーン、ボルドー、ベージュなど、エリアを分けるような繊細な色使いも印象的でした。

Kさん:そうそう。多彩なマテリアルとカラーを用いながらも、トーンを揃えることで空間全体が調和している点。デザイナーの素材、色、仕上げへのこだわりが伝わってきます。室内は木質素材中心の温かい空間、テラスは植栽を主役とし、石目素材をメインに使用した四季の移ろいを感じさせる落ち着いた構成でした。

Sさん:3つ目に紹介するのは八芳園がプロデュースする「割烹 BUTAI」。「江戸」をテーマに日本の美意識を表現した空間です。店全体が「演劇のセット」というコンセプトで、料理人によるライブ調理が楽しめる空間構成がユニークでした。

Kさん:お店のロゴマークの「扇」の形を連想させる、調理場を中心に扇型に配置された半個室が特徴的でしたね。半個室と通路を仕切る杉材の大きな引き戸は圧巻です。障子や襖に見られる“間仕切りの文化” を継承した、湾曲した戸の造作、その仕上げに“匠の技” を感じました。

Sさん:和の様式美を感じさせる中、サービスのあり方は大変現代的でした。下げ物の運搬など単純作業に配膳ロボットを活用し、おもてなしの重要な部分は人が担うという、テクノロジーを取り入れた効率化が図られていました。

Kさん:人手不足の中での快適なサービスの質を維持するための工夫ですよね。

Sさん:最後の店舗は「そらとさかなとオイスター Wharf」。「天空の洞窟」をコンセプトにしたダイニングバーで、空間デザインは有機的なフォルムが多用されており、お客様を包み込むような抱擁感が伝わってきました。

Kさん:緩やかな曲線を描く天井の装飾が、別の空間へ誘うような不思議な感覚を与えてくれますよね。

Sさん:天井にはグレーの塗装が施され、空間全体が同じグレートーンでまとめられているのが特徴的でした。

Kさん:塗装のグレー、グレージュ仕上げの木目、石材の色そのもの等、グレートーンを彩るのは異素材のミックス、マテリアルブレンディング。その中で低彩度の赤い椅子や、海を連想させるブルーのカーペットがポイントとして使われ、ゴールドのアクセントが上品な印象を添えていましたね。

Sさん:ご紹介した4店舗以外にも、NY発祥の格調高いステーキハウス、ステンドガラス・木目の象嵌仕上げのカラフルなテーブルの焼肉屋さん、モダンな和の佇まいのお寿司やさん、粋な空間のお蕎麦屋さん、自然体験の中でのノーザンカリフォルニア料理の、、、

Kさん:はいはい、さすが美味しいもの「お店巡りスト」。紹介したい個性的な店舗が「LUFTBAUM」には沢山ありましたよね。また、「都心の別荘」でのひと時を、そして美味しいものを味わいにいきましょう!

今回は9/12オープンした話題のスポットであるニュウマン高輪をC-lab.独自のデザインレポートであるCMF+Pの観点からお届けしました。
次回「C-lab. デザイントレンドレポート!!後編!!」でもニュウマン高輪の注目すべきポイントをお届けします!
是非お愉しみに!

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