虎ノ門ヒルズ「グラスロック」開業!社会課題に向き合う“共創の舞台”とは?

2025年4月に虎ノ門ヒルズ「グラスロック」が開業。地上4階・地下3階建てのグラスロックは虎ノ門ヒルズの中心に位置し、今回の開業をもって10年以上にわたって続いてきた虎ノ門ヒルズ一帯の再開発が完結しました。
グラスロックのコンセプトである「つながる・まなぶ・ひろげる」という3つのキーワードを軸に、社会課題の解決に向けた施設の在り方に探ります。C-lab.の視点からは、CMF+P(Color, Material, Finish, Pattern)のポイントにも注目しました。
【「つながる」「まなぶ」「ひろげる」ー社会課題の解決の促進を目指して】
■「つながる」ー共創・協働を生み出す「コミュニティ形成・活性化」の拠点
■「まなぶ」 ー実践的な学びを通じて解決策を探る仕掛け
■「ひろげる」ー想いを共有し、共感を巻き込みながら行動につなげる仕組み
グラスロックはこの3つの要素をベースに、社会課題解決に向けたイノベーションの創出と持続可能な社会の実現を目指します。これらの要素を具現化した施設をCMF+P(Color, Material, Finish, Pattern)とともにご紹介していきます。
「つながる」場|共創の可能性を育むラウンジ

【4F Partners Lounge/B1F Members Lounge】
法人パートナー専用の「Partners Lounge」、すべてのパートナーが利用可能な「Members Lounge」は、日常的な偶発的対話から共創の種が芽生える空間です。特に4階のラウンジでは、約100社・300名以上の法人パートナーや、30を超える団体が集い、実践的なセミナーやワークショップを開催することができます。併設されたバーカウンターのあるオープンスペースでは、カジュアルな対話が自然に生まれ、日常の中に共創のきっかけを育みます。

【CMF+P TOPICS】
エントランスすぐのバースペースは、黒を基調とした什器に木質素材の床とテーブルを組み合わせた、落ち着きのある上質な空間です。アクセントに施されたゴールドが、控えめながらも洗練された印象を演出しています。床材には、ナチュラルカラーのオーク材を採用。同じ木目素材ながら、貼り方向を縦・斜めと変化させることで、空間に視覚的なリズムをもたらしています。
さらに奥に進むと、ソファスペースにはグリーンがかったグレーのカーペット、テーブル席にはナチュラル仕上げのオーク材、窓際のゾーンにはニュートラルカラーのテラゾーが用いられており、床材がシーンごとに巧みに貼り分けられています。
このような異素材の組み合わせと床の切り替えが、訪れる人々の自然な動線や回遊性を生み出し、空間全体に流れと多様性をもたらしています。
「まなぶ」場|本と出会う、知の森のような書店空間

【2・3F magmabooks】
丸善ジュンク堂が手がける新業態の書店「magmabooks」は、「知」との出会いをテーマに、本と空間の関係を再定義しています。従来の書店が提供する「販売」だけの場を超え、「知」との出会いを軸とした体験型の空間を提供します。
2階では、ジャンルを超えて「過去・現在・未来」の時間軸で本が配置されています。曲線を多用した書棚が人の動線をランダムに導き、「知の森」をさまようような感覚のなかで、訪れた人に「本との出会い」を演出します。
一方、3階はジャンルごとに書籍が並べられ、「まなぶ」場としての利便性を重視した陳列がなされています。
曲線を多用した什器や、「知の森」を彷彿とさせるレイアウトなど、体験型の空間設計がこのフロアにも共通しています。
【CMF+P TOPICS】
2階・3階ともに、床にはナチュラルなオーク材を使用。モスグリーンで統一された壁や什器が、知的で穏やかな空間を演出しています。
3階奥に設けられた有料ラウンジにも、同系色のグリーンが多用されており、視覚的な落ち着きをもたらすことで、訪れる人の集中を促します。
未来に向けた共創の場づくりとは
現代社会において、私たちはさまざまな社会課題を抱えています。複雑化・多様化する問題は、もはや特定の領域の知見だけでは解決が難しくなっています。
異なる視点が交差し、新たな発想を生み出す“場”の重要性は、今後ますます高まっていくでしょう。
グラスロックは、まさにその出発点です。社会課題を自分ごととして捉え、共創を通じて行動を促すこの場所が、新たな時代の「未来をひらくハブ」として期待されています。
グラスロックの空間構成|CMF+P(Color, Material, Finish, Pattern)が導く体験

グラスロックは、ガラスを多用したファサードと幾何学的なフォルムをベースに、モノトーンカラーと異素材の組み合わせが施された建築です。
内装はグレーやブラックといったモノトーンを基調に、金属やガラスなど質感豊かな素材を組み合わせることで、洗練された空間を演出しています。
個性的な素材やダイナミックなパターンを用いるのではなく、なじみのある色や素材を活かした空間づくりが印象的です。
なかでも、「黒」の取り入れ方には工夫が凝らされています。黒木目や黒を基調としたテラゾーなど、異なる素材や仕上げによる多様な黒が効果的に組み合わされ、落ち着きを感じさせながらも、重たくなりすぎない印象を与えます。
また、随所に配されたグリーンカラーの什器や家具が、心理的な安心感をもたらし、空間に穏やかなアクセントを添えています。

グラスロックで出会う、注目のCMF+Pマテリアルたち

①②再生材を使用した植木鉢や什器
③素材感のある什器
④アクセントでパターンを使用した壁
⑤⑥フロアによって異なる素材取り入れたサイン
⑦⑧そろった柾目の木質表現
⑨アルミ素材を並べた壁
グラスロックを訪れた際はこれらのマテリアルを探してみて下さい。
私たちの周りには木材・石材・再生材などさまざまなマテリアルが使用されています。
普段何気なく過ごしている空間は多様なマテリアルで構成されており、そのカラーや素材感、仕上げで私達が受ける空間の印象は大きく変わります。過去のトピックスでもCMF+Pにフォーカスをあてた店舗や施設の調査を行っていますので、下記リンクよりご覧ください。
▶TOPPANC-lab.オリジナル!店舗デザイン調査の記事はこちら
TOPPANでは、マテリアルにフォーカスした調査を経年的に実施し、空間を彩る化粧シートなどの建装材において、より優れたデザインの追求を続けてきました。
C-lab.は、建装材開発で培ってきた約70年の実績と豊富なマーケティングデータをもとに、市場動向の考察や現在のトレンド分析を行い、将来のトレンド予測や新たなスタイルの提案にも取り組んでいます。
新たな視点からの共創にご関心のある方は、ぜひお気軽に下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。