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話題の商業施設!【ニュウマン高輪】CMF+Pで見る店舗デザイントレンドレポート(後編)

11/4配信のC-lab.トピックスでの第一弾に続きまして、高輪ゲートウェイシティにオープンしましたルミネ史上最大規模の複合商業施設「ニュウマン高輪」のインテリアスタイル 、*CMF+Pのデザイン動向を今回もSさん、Kさんよりレポートさせていただきます。前回記事のPurpose紹介、上空150mの非日常として紹介したLUFTBAUMやC-lab. が選んだ注目の店舗レポートに続き、第二弾ではタワー下層階のノースとサウス、両エリアに広がる多種多様な個性溢れる店舗エリアの様子をお伝えします。今回も二人の掛け合いで「ニュウマン高輪」の全貌に迫ります。 *CMF+Pとはサーフェスデザイン(表層のデザイン)におけるColor:色 / Material:素材 / Finish:仕上げ / Pattern:柄を指し、これらのデザイン動向を調査することで現状を把握し、これからの兆しを探ろうという視点。

Sさん:ノースとサウスの下層階には期間限定のPOP-UPショップも合わせて150を超える店舗が軒を並べています。共用部のデザインの特徴として、建築の外観、エントランスホールに見られる穏やかな曲線のイメージと同じく、要所要所に曲線を多用したデザインが目を引きました。

Kさん:これは縦横シンプルに直線で区切られた空間の効率性よりも散策する楽しさや予期せぬ出会いが生まれる「街の楽しさ」を目指したもので、株式会社シナト(sinato)が全体設計を手がけているんですよね。実際に、散策しているうちに自然に別のお店、広場に辿り着いていることがありました。

Sさん:曲線で繋がっているので先が見通せない。この先に何があるのだろうという期待感も抱かせますし、店舗同士の境界線があいまいなエリアは、店舗巡り(街歩き)のリズムの一拍になっていたような気がします。

Kさん:フロアごとに床のマテリアルの組み合わせが異なっていたのも面白かったですね。多彩な素材を楽しめる、まるで床材のショールームのようでした。

Sさん:エレベーター周りのマテリアルもフロアごとに異なっていて、細部にわたるこだわりと遊び心を感じました。

Kさん:サインデザインのアイキャッチにも注目したいですね。高輪の歴史を刻む「高輪築堤」の素材である安山岩を使用したストーンペーパーの壁面サインや、築堤の「石」を再活用した置き型サインが設置されていました。これらはcentre Inc. の田中義久さんのディレクションによるもので、サインという機能を満たしつつ、歴史と素材/マテリアルにストーリーを感じさせるデザインでした。

Sさん:田中義久さんとはC-lab.が主催する「マテリアルトライアル」で共創させていただきましたね。

Kさん:はい。田中さんとは和紙を用いたマテリアルの可能性に挑戦しました。

マテリアルトライアルとはTOPPANと、様々なジャンルで活躍するデザイナーが新たな建装材の可能性を探るプロジェクトです。詳しい内容は「和紙が拓く、新しい循環のかたち。マテリアルトライアル2」の記事にてぜひご確認下さい。

Sさん:空間演出の点ではアートを用いた表現が随所に見られました。街歩きを楽しむ中で、それらが良いアクセントになっていましたね。

Kさん:ええ。特に、ビームスのカルチャー領域を網羅する「BEAMS CULTUART」にあったカウンターはユニークな仕上げ、デザインでした。

Sさん:ミルクティーが混ざり合う様子を表現しているそうで、穏やかながらも空間にしっかりと個性を与えていました。実際にそこで提供されるミルクティーをいただき、散策の合間に静かに一息つくことができたのも、良い体験でした。

Kさん:アパレルショップで見られた床に施された大胆なペイント表現も印象的でした。商品棚の什器にも、ビーズクッションのような柔らかな素材が使われていて驚かされました。個性的であり、それが来店者の記憶に残る。どちらもユニークで力強いメッセージが伝わる工夫が凝らされているなと感じました。

Sさん:他にも壁面全体で店舗や製品のメッセージを発信しているショップ、オリジナルスイーツが自慢のカフェの壁面に大胆に演出されたカラフルなアートも印象的でした。

Kさん:壁や柱に緑色や黄色、紫、多彩な毛糸をモコモコとレリーフ状に貼り付けた演出は、新しい空間でのグリーンの演出、アートの演出として大注目でした。

Sさん:そうですよね。多くのテナントが並ぶ中で、そうしたアートの演出や個性的な什器は、ブランドの世界観を伝え、訪れる人の印象に深く刻まれますよね。

Sさん:最近の商業施設では、各ショップの店頭にデジタルサイネージでプロモーションを行うのが一般的になりましたが、ここでも新たな試みが見られました。

Kさん:そうですね。従来の無機質なモニターとは異なり、まるで布のような素材に映像が映し出されているテナントがありました。モニターがショップの雰囲気に自然と馴染んでいて、空間を邪魔しない点が優れていました。

Sさん:遠目には布の質感とは分からないのに映像自体は非常に鮮明でした。商品の入れ替わりが多い物販店舗にとって、サイネージは利便性が高く、重要な広告ツールとしての役割を担っていますね。

Kさん:ポップアップスペースにあった、天井から床まで連なったサイネージも迫力がありました。出店テナントによって、その空間に合わせたオリジナリティのある使い方ができる点が魅力的です。私たちが訪れた際は、ポップアップストアで扱われていた商品のデザイナー・アーティストのプロフィールと作品を紹介するコンテンツが流れていました。

Sさん:さらに面白かったのは、反対側から見るとコンテンツが全く見えず、まるでガラスやミラーのように見える角度があったことです。見る位置によって情報を見せる/見せないという演出ができるのは、体験として新鮮でした。

Kさん:最近はサイネージの種類が多様化し、空間デザインに合わせて最適な表現を選定できるようになりました。

Sさん:はい。例えば、TOPPANのデジタル木材「ダブルビュー・ディスプレイ」のように、木材や石材といったマテリアルの奥から映像が浮かびあがるようなサイネージにも注目が集まっています。これから、どのような上質な空間にこうしたテクノロジーが取り入れられていくのか興味は尽きませんね。

Kさん:第一弾で紹介した「LUFTBAUM」は眺望、食、音響といった五感で感じる「リアル体験」がコンセプト/Purposeでした。その考えは下層階でも感じることができましたね。

Sさん:ええ、まさに「リアルでしか味わえない」体験価値の提供。「リアル体験」と「社会とつながる体験」に関しては第一弾で紹介しましたが、ニュウマン高輪がもう一つのPurposeとして掲げる「街・地域との共創価値」を具現化する仕掛けについて紹介しましょう。

Kさん:地域の生産者、日本酒の蔵元や窯元を支援するイベントを開催することでの「共創」もありますが、常設の「こもれびら」のことですね。

Sさん:5階に設けられた大人も子どもも、一緒に、好きなことを、思い思いに楽しめる、それぞれの価値観で過ごせる小さな “街”のような融合空間が「街・地域との共創価値」というPurposeの具現化の一翼を担います。

Kさん:知の探究、好奇心を満たすための「BUNKITSU TOKYO(ブンキツ トーキョー)」は約10万冊の書籍を揃える「文喫」史上最大規模のボリュームの大型書店。充実の書籍のラインナップの見せ方がユニークで、書籍棚にはトンネルが設けられています。そこを潜ってみると違うジャンルに導かれ、、、迷路のように配された書棚に迷い込んでみると新しい発見が得られる、、、そんな遊び心がいっぱいです。

Sさん:人に、街に、地域に「開かれた本屋」という感じでしたよね。本との新しい出会いの楽しさも魅力ですが、私は見晴らしのいい座席や本に囲まれた空間、ラウンジの心地よさ、そしてこのフロアで煎茶やスイーツ、オーガニックな食材を使ったダイニングが楽しめるのもポイントが高かったですね。あたたかな木漏れ日を浴びながらの穏やかなひと時が味わえました。

Kさん:最後に「こもれびらPARK」も紹介しておきます。フロアには滑り台や砂場はありませんが、五感を刺激する ”気づき” を与えてくれる3つのスペースがあります。「キーテコ」は自然に誰かと繋がる、コミュニケーションの場。聞くことで見えてくる関係性、聞くことで様々な関心が深まることに気づかされます。

Sさん:「ヨクミル」はまさに身近なものをよく見ることの大切さに気づかされます。色や形、素材、なんでこの色なの、どうなっているの、、、疑問の先に想像が広がる、そんな感覚ですね。

Kさん:3つ目のスペース「フレルト」は体全体で感じる世界観。座ったり、寝転んだり、裸足になって弾んでみたり。雰囲気やその場の空気に触れることで得られる感覚が、日々の当たり前のくらしを少し違うものに変えるということに気づかされます。「あそび × アート」をテーマにしている「こもれびらPARK」は、両者の関係性の近さにも思いを巡らせるスペースでした。

Sさん:華々しくオープンしたニュウマン高輪ですが、2026年春の「高輪ゲートウェイシティ」全面オープン(ミュージアムやレジデンス棟の開設)に向けて、今後も様々な発信が行われるようですね。

Kさん:そうですね。ミュージアムには新たな日本文化の創造・発信への仕掛けが用意されているようですし、住民への都心にいながらも自然を感じさせる生態系に配慮したビオトープの存在。グローバリゼーションを意識し、外国人ワーカーに配慮したインターナショナルスクールの開校、住居等「プレミアムレジデンス」のインテリアスタイル 、CMF+Pの特長は、、、

二人で:これからも目が離せない、進化し続ける高輪エリアをC-lab.トピックスで皆さまに紹介できるのを楽しみにしています。皆さんも乞うご期待、楽しみにしていて下さい。

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