【2026年~2027年】 最新ライフスタイルトレンドを徹底解説――多様化する価値観とインテリア・社会動向の未来

ここ数年、私たちのライフスタイルはかつてないほど大きく、そして多様に変化してきました。社会環境や働き方の変化、デジタル技術の急速な進化が、個人の暮らし方や価値観に新たな波をもたらしています。 自宅で過ごす時間の増加や「自分磨き」への関心の高まりをはじめ、これまで以上に自分と向き合い、自己の価値観や生活スタイルを見直す機会が増えました。ゴルフやアウトドア、観葉植物(グリーン)といった自然や健康を意識したアクティビティがブームとなり、生活空間の刷新や趣味への投資も活発化しました。しかし、これらのトレンドも徐々に落ち着きを見せ、次なる「ライフスタイルの兆し」へと移行しつつあります。 こうした変化の根底には、「反発」と「成長欲求」という2つのキーワードが存在しています。流行や社会的要請に対する反発、そして自分自身の成長や納得感を追求する欲求が、ライフスタイルを進化させる原動力となっているのです。
TOPPANのC-lab.では、こうした市場の動向を考察し、現在のトレンド分析から将来のトレンドを予測し、新たなスタイルの提案を得意としています。商品企画やサービスの考案などにお困りの場合は是非お気軽にお問合せください。
揺れ動くライフスタイルとその背景
かつては「持たない暮らし=ミニマリズム」が都市生活者を中心に支持され、必要最小限のモノでシンプルに生きることが“美徳”とされてきました。SNSでも無駄を省いた生活空間や洗練されたインテリアが話題となる一方、2023年ごろからは「マキシマリスト」という新たな潮流が広がり始めています。マキシマリズムは、好きなものを思いきり楽しむスタイルで、ファッションでは色とりどりの装飾や大胆な小物、インテリアでは好きな雑貨を自由にレイアウトするなど、“自分らしさ”の追求が特徴です。SNSでは多様な趣味を持つ人々が自宅の“推し空間”を発信し、共感を呼ぶ現象も起きています。さらに、フェミニン――柔らかさや優しさ、心地よさを重視したテイストも広がり、「ナチュラル」「フォークロア」「ニュートラル」といったキーワードが注目されています。これは、ストレスフルな社会や不確実性の高い時代背景から生まれた、“癒し”や“自分を大切にする”価値観の表れとも言えるでしょう。

韓国インテリアと新たなラグジュアリー

インテリア分野に目を向けると、ここ数年で「韓国インテリア」が日本でも大きな人気を博しています。
韓国インテリアの特徴は、狭い空間を広く見せるレイアウト、くすみカラーやジェイドグリーンの小物使い、ラタンやテラゾー、真鍮など異素材ミックスにあります。特にフェミニンな雰囲気づくりが得意で、日本の住宅事情とも親和性が高く、若年層や女性を中心に支持を集めています。
一方、ハイエンド層では「ウォームラグジュアリー」「ジェントルラグジュアリー」「クァイエットラグジュアリー」といった上質で温かみのある空間が注目されています。ここ数年で、木材の使用比率がやや減少し、石や金属、マットなシルバーなどクールな素材が増えてきました。「涼しさ」や「透明感」、「光沢感」といった要素が求められているのも特徴です。韓国発のショップデザインやフォトブースが、住宅インテリアにも波及し、空間演出や素材のミックスなど、インテリアの自由度・多様性はこれまで以上に高まっています。
アップデートされた懐かしさ

これからのライフスタイルトレンドを予測する上で、「ノスタルジー(懐かしさ)」は重要なキーワードとなりそうです。ファッションでは「グラニーシック(おばあちゃん風)」や「グランパコア(おじいちゃん風)」と呼ばれる、温かみやレトロ感を持つスタイルが再評価されています。インテリアでも昭和レトロやヴィンテージ、ハンドクラフトの温もりを感じるアイテムが人気を集めており、単なる昔懐かしいだけでなく、“今の感性”で再構築された懐かしさ=「アップデートされたノスタルジー」に人々が惹かれている様子がうかがえます。
注目すべきは、こうしたノスタルジーの中にも、現代の実用性や価値観が織り交ぜられている点です。例えば、レトロな見た目の家電でも最新のIoT技術を搭載していたり、ハンドクラフトの家具もサステナブルな素材を使っていたりと、見た目は“古き良き”でありながら、ライフスタイルの本質は現代的にアップデートされています。
社会動向の兆しと価値観の変化
ライフスタイルの多様化は、個人の嗜好変化だけでなく、社会全体の構造変化とも密接に結びついています。近年は「健康的な生活環境の向上」や「経済的な安定と成長」が重視され、感染症の流行や不安定な経済状況を経て、安心・安全で持続可能な暮らしへの関心が高まっています。さらに「ライフスタイルの選択肢の拡大」や「コミュニティの強化」「教育の充実」など、個人が価値観や人生設計に合わせて柔軟に選択できる社会が志向されています。価値観では「自己表現」や「トレンドに左右されないスタイル」が重視され、「時間の有効活用」「リラックス志向」「デジタル回帰」「細分化した暮らし」がキーワードとなっています。仕事とプライベートを両立する“ワークライフバランス”や、趣味に没頭する時間の価値も再認識され、デジタルの便利さとリアルなつながりの両方を求める動きが続いています。

「心地よさ」と「時代の変化」を楽しむライフスタイルへ
このように、今後のライフスタイルトレンドは、「反発」と「成長欲求」を原動力に、マキシマリストやフェミニン、ノスタルジーといった多様な価値観が共存していく時代を迎えると考えられます。SNSや情報発信が加速する現代だからこそ、本当に必要とされているもの、「現場でしかわからないリアルなニーズ」を見極めることが、ますます重要になっていくでしょう。
また、グローバル化やデジタル化が進む中で、韓国インテリアをはじめ世界中のさまざまなテイストが融合・進化していますが、「自分らしさ」や「心地よさ」を大切にしながら、時代の変化を柔軟に楽しむことが、これからの豊かなライフスタイルのカギとなります。
TOPPANのC-lab.では、豊富なマーケティングデータをもとに、市場動向の考察や現在のトレンド分析を行い、将来のトレンド予測や新たな商品開発の提案に取り組んでいます。ご関心のある方は、ぜひお気軽に下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。